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# 236 顔合わせと手合わせ (二)
236碰头会和碰头会(二)
「諸君! こちらがイリアス様の護衛を担当される、明鏡止水の皆さんだ。ご挨拶を」
“诸位!这位是担任伊利亚斯先生护卫的明镜止水的各位。打招呼!”
「「「よろしくお願いします!!!」」」
“请多关照!!”
翌日の早朝、ネーナス子爵家に併設された訓練場に響き渡ったのは、そんな野太い声だった。
第二天早上,在纳纳斯子爵家里设置的训练场响起了粗野的声音。
指揮官として立っているのは四〇歳超えほどの男で、その前に整列しているのは、マッチョとは言えないまでも、それなりに鍛えられていそうな二〇歳前後の若者ばかり三〇人ほど。
站在指挥官的立场上的是一个四十岁以上的男人,在这之前排队的,虽然不能说是肌肉男,但也有30多个20岁左右的年轻人在锻炼。
ずらりと並んだ兵士たちはまぁまぁ迫力があるが……“まぁまぁ”だな。
排成一排的士兵们倒是很有魄力……“嘛,算了”。
日本にいた時ならともかく、一年間、魔物との戦いを経験した俺たちからすれば、やや険しい彼らの視線も微風のような物。
在日本的时候就不说了,在经历了一年与魔物战斗的我们看来,稍微严厉的他们的视线也像微风一样。
その程度で揺れるのは、メアリとミーティアぐらいである。
在这种程度上动摇的只有玛丽和米蒂亚。
まぁ二人は、三列になった俺たちの一番後ろにいるので、目立ちはしないだろう。
嘛,两个人在排成三列的我们的最后,所以不会太显眼吧。
「俺はこの隊の隊長を務めるサジウスだ。訓練中はお前たちも特別扱いはしないが、構わないな?」
“我是担任这个队队长的萨吉斯。训练中你们也不特别对待,没关系吧?”
「もちろんです」
“当然。”
「あぁ、丁寧に話す必要は無いぞ。ただし、こちらも荒い言葉遣いになるが、了解してくれ」
“啊,没必要客气地说。但是,这也是粗暴的措辞,请谅解”
「解った。理不尽な物じゃなければ、問題ない」
“我明白了。如果不是不合理的东西就没问题”
どこぞの軍曹のブートキャンプ的な物は受けるつもりはないし、メアリたちに受けさせるつもりもない。
我不打算接受哪个军曹的布托营之类的东西,也不打算让玛丽们接受。
非日常の極限状態でも怯まない根性は、兵士としては必要な訓練なのかもしれないが、俺たち、冒険者だしな。
即使在非日常的极限状态下也不胆怯的毅力,对于士兵来说也许是必要的训练,但是我们是冒险家。
全体の為に捨て石になる気なんて更々ないし、自分たちの命を守るためなら、普通に逃げる。
我丝毫没有为了全体而变成弃子的想法,为了保护自己的生命,就普通地逃走。
下手に軍隊に染まる気も、染めさせる気も無いのだ。
不想染上军队,也不想染上军队。
「よし。それじゃ、準備運動からだ。全員、訓練場の外周、五〇周! 始め!」
「好的。那就从准备运动开始。全体人员,训练场的外围,50周!开始!”
「「「はい!!」」」
“是的!”
訓練場の広さはそこまで広くは無いが、外周なら四〇〇メートルほどはありそうか。
训练场的面积没有那么大,但是外围的话大概有四十米左右吧。
そこを五〇周なら二〇キロほど。
从那里50周的话大概有20公里。
地球の軍隊が、“準備運動”としてどの程度走るのかは知らないが、こちらの人の身体能力であれば、二〇キロほどはそこまで問題は無い距離である。
虽然不知道地球的军队作为“准备运动”会跑到什么程度,但是如果是这个人的身体能力的话,20公里左右是没有问题的距离。
良い返事をして走り出した兵士の後について、俺たちもまた走り始める。
在回答好的士兵跑了出去之后,我们也开始跑了。
全体のペースとしては少しゆっくりめか。
整体的步调稍微慢一点。
毎日走っている俺たちからすれば、付いていくのに何の問題も無い。
对于每天跑步的我们来说,跟在一起没什么问题。
そのまま走ること一〇周ほど。
就这样跑十周左右。
最初は纏まって走っていた集団も、その頃になるとだんだんとバラツキが出てくる。
一开始集中奔跑的集团,到了那个时候也渐渐地出现了偏差。
その中で、ぶっちぎりでトップを走っているのはトーヤ。
其中,绝对领先的是火炬。
俺たちの中で一番の体力バカなのは伊達では無い。
我们当中最笨的体力不是装样子。
――いや、これはトップを走っていると言うべきなのか?
——不,应该说这是跑在顶端吗?
すでに二周ほど先行している関係で、トップには見えないのだが……まぁ、間違いでは無い。
因为已经先行两周的关系,所以看不到第一名……嘛,也不是错误。
その次はユキとナツキ。他の兵士たちと比べると半周ほど先を走っているのだが、そこまで速いペースではないので、余裕の表情。
其次是雪和枣。和其他的士兵相比,虽然走了半周左右,但速度并没有那么快,表情很从容。
それに引きずられるようにペースを上げてしまったのか、半周遅れの兵士集団の先頭部分、そのへんの兵士の顔は、かなりヤバそうな状態である。
或许是被其拖拽般加快了步伐,迟了半周的士兵集团的先头部分,那里的士兵的脸,是相当糟糕的状态。
それからずるずると兵士の集団が続いているのだが、その集団の、前から三分の一ぐらいの位置にいるのが、残りの俺たち。
然后拖拖拉拉的士兵的集团一直持续着,那个集团的前三分之一左右的位置,剩下的我们。
メアリとミーティアを、俺とハルカで挟むような形で走っている。
以我和Haruka夹着玛丽和Metia的形式跑着。
「オラオラ! 子供に負けるようなヤツは兵士失格だぞ、コラァ! 負けたヤツは、楽しい、楽しい再訓練をプレゼントだ!」
“我是中提琴!输给孩子的家伙是士兵资格丧失哦,喂!输了的人,会把快乐的再训练作为礼物!”
「「ウ、ウスッ!」」
“ウ、ウッ!”
サジウスの声に、遅れていた兵士がペースを上げ、メアリとミーティアが俺の方に『手加減すべき?』みたいな視線を送ってきたのだが、俺は軽く首を振って、今のペースを維持する。
在萨吉斯的声音中,迟到的士兵加快了步伐,玛丽和米蒂亚对我说:“应该手下留情吗?”像这样的视线,我轻轻地摇了摇头,维持现在的步调。
俺としては普段よりもややゆっくりめ、メアリたちからすると少し速めのペース。
对我来说比平时稍微慢一点,在玛丽们看来是稍微快一点的速度。
メアリたちが最後までこのペースを続けられるかどうか判らないが、普段、彼女たちが走る距離よりは短いので……なんとかなるかもしれない。
虽然不知道玛丽们能不能坚持到最后,但比平时她们跑的距离要短……可能会有办法的。
兵士たちには、ご愁傷様な事ではあるが。
对于士兵们来说,这是一件令人悲伤的事。
ちなみに、サジウスはナツキたちの後ろについて走っているので、少なくとも兵士たちよりは体力がありそうである。
顺便说一下,因为萨吉斯跟在夏树他们后面跑,所以至少比士兵们更有体力。
そんな感じで残り一〇周。
就这样剩下十周了。
結果から言えば。
从结果来说。
すべての兵士は脱落した。
所有的士兵都脱落了。
メアリとミーティアは最初のペースのまま走りきり、二人より早くゴールしたのはサジウスのみ。
玛丽和米蒂亚以最初的速度跑完全程,比两个人更早到达终点的只有萨吉斯。
二人が無事に走り終えたのは、俺とハルカがペースメーカーになった事も大きいと思うのだが、逆に兵士たちが脱落した大きな要因は、ユキたちに釣られてペースを乱した事だろう。
两个人顺利地跑完全程,我和Haruka成为了心脏起搏器这件事也很大,但是相反士兵们掉队的主要原因,是因为yuki他们上钩打乱了步调吧。
サジウスによれば、この程度の距離は普段から走っているようなのに、半分も過ぎた頃にはすでに顎が上がっていたからなぁ、半数以上の兵士が。
根据萨吉斯的说法,这种程度的距离平时就在跑,但是过了一半的时候下巴就已经上扬了,半数以上的士兵。
そんな兵士たちに向かってサジウスの叱責が響く。
萨吉斯的斥责声响彻了那些士兵们。
「お前ら! 外部参加者がいるからとペースを乱すんじゃねえ! 兵士が平常心を失うとか、ナメてんのか! あぁ!? その場で腕立て五〇回!」
“你们!不要因为有外部参加者就打乱了节奏!士兵会失去平常心吗!一段时间过去了!?当场站起来50次!”
「「「はい!!」」」
“是的,我的愿望是……”
いや、途中で要らんことを言って、更に平常心を乱れさせたのは、アナタですよね!?
不,中途说了不必要的话,更让平常心混乱的是你吧!?
あの台詞の直後は、俺たちも少し後方に下がっていたし。
那句台词之后,我们也稍微向后退了一点。
すぐにペースが落ちて、追い抜くことになったけど。
虽然很快速度就下降了,赶过去了。
もちろん、あの発言も訓練と言われてしまえば、何にも言えないのだが。
当然,如果说那个发言也是训练的话,那就什么也说不出来了。
「よーし、少し休憩したら素振りだ。各自、準備しろー」
“好了,稍微休息一下就开始挥棒了。各自准备吧!”
腕立てを終えた兵士たちが、身体を引きずるようにして用意を始めたのは木剣。
结束了战斗的士兵们拖着身体开始准备木剑。
トーヤが最初に購入した木剣とよく似ている。
和Toya第一次买的木剑很相似。
――なるほど、あれは訓練用だったわけか。安いはずである。
——原来如此,那是训练用的吗。应该很便宜。
「サジウス、オレたちも借りて良いか?」
“山治,我们也可以借吗?”
「あぁ、もちろん。自分たちの武器を使ってもらっても構わないが……あ、いや、この後の模擬戦を考えると、そういう訳にもいかないか。自由に持って行ってくれ」
“啊,当然。可以请他们使用自己的武器……啊,不,考虑到之后的模拟战,也不能那样做吗。请自由拿取”
「ありがとさん」
“谢谢”
さすが軍隊と言うべきか、木剣はすべて同じ形で、特に個人用に合わせて調整などはされていないようだ。
不愧是军队,木剑都是同样的形状,特别是没有根据个人情况进行调整。
トーヤがそんな木剣から適当に七本取り出し、俺たちに配る。
火炬从那样的木剑中适当取出七把,分发给我们。
普段、このサイズの剣は使うことが無いのだが、軽く振ってみると、木製だけにかなり軽く、取り回しに苦労するほどでは無い。
平时,这个尺寸的剑没有使用过,但是轻轻挥一下,仅仅是木制的就很轻,没有到了操作很辛苦的程度。
俺に【剣術】スキルは無いが、小太刀の延長で扱えないことも無いだろう。
我没有【剑术】技能,但也不是不能用小太刀延长来使用。
全員に木剣が行き渡り、数分ほどしたところで、サジウスが自分も木剣を持ち、全員を集める。
木剑全部都经过了,过了几分钟左右,山治自己也拿着木剑,将全员集合起来。
「息は整ったな? 並べ! 素振りを始める! イチ! ニ! サン!」
“呼吸好了吗?排列!开始挥棒!第一!尼!圣!”
軽快に木剣を振る兵士に混ざり、俺たちも素振りを行う。
混杂在轻快挥舞木剑的士兵中,我们也进行了动作。
なんだか部活みたいで、少し楽しい。
总觉得像是社团活动,有点开心。
だが、楽しげなのは俺たちだけで、兵士たちはなかなかに必死そうな表情である。
但是,看起来很开心的只有我们,士兵们的表情很拼命。
ミーティアは体格の関係で少し木剣を持て余し気味だが、それでも体力的には問題は無いようで、順調に回数を重ねていく。
米蒂亚因为体格的关系有点拿不住木剑,但是体力上好像没有问题,顺利地重复着次数。
メアリも未だ小柄なのだが、普段からトーヤと同じサイズの剣を使っているので危なげは無い。
玛丽虽然个子还小,但是平时用的是和Toya一样大小的剑,所以不危险。
そんな二人の様子を見て、サジウスは感心したように頷く。
看到这两个人的样子,Sageusu佩服地点了点头。
「ほう。小さくても、なかなかしっかりしているな。ブレも無く、体幹も鍛えられている」
“哦。虽然很小,但是很结实啊。没有摇晃,也锻炼了躯干”
「この程度であれば、オレたちも毎日やってることだからな」
“这种程度的话,我们每天都在做。”
「真面目に訓練をしているのか。さすが、高ランクになる冒険者は違うな」
“你在认真训练吗。真不愧是高等级的冒险者啊”
「やらなければ死ぬ。そういう仕事だからな」
“不做的话就会死。因为是那样的工作”
有事が無ければ、訓練をしている時間が多い兵士と、大半は実戦で訓練が極一部の冒険者では、状況も立場も違う。
如果没有事情的话,进行训练的时间多的士兵和大半在实战中训练极为一部分的冒险者,情况和立场都不一样。
ある程度の余裕ができたことで、以前ほどの強迫観念を持って訓練はしていないが、決して疎かにはしていないのだ。
因为有了一定的余裕,虽然没有像以前那样有着强迫观念进行训练,但是绝对不会忽视。
そうやって素振りを続けること三〇分ほど。
像这样持续练习30分钟左右。
さすがに腕が疲れて来た頃、サジウスの声で素振りが終わる。
果然在手臂疲劳的时候,sageusu的声音结束了他的动作。
「止め! しばしの休憩の後、模擬戦だ! 組み合わせは……」
“住手!暂时休息之后,是模拟战!组合是……”
サジウスが地面に座り込んでいる兵士たちと、立ったままでいる俺たちを見回し、考え込む。
看到萨吉斯坐在地上的士兵们和站着的我们,陷入了沉思。
サジウスも入れれば、一応一九組作れるわけだが、模擬戦とは言っても、いきなり全員同時にやったりはしないよな?
如果把萨吉斯也算进去的话,应该可以制作19组,虽说是模拟战,但也不会突然全体人员同时进行吧?
メアリとミーティアを俺たちが見ていない状況で戦わせるのは、ちょっと怖いので、そうであれば拒否したいところ。
在我们没有看到的情况下让玛丽和米蒂亚战斗,有点恐怖,如果是这样的话我想拒绝。
更に根本的問題を、トーヤがサジウスに告げる。
更根本的问题,托雅告诉了萨吉斯。
「一応言っておくが、オレたちの中でこのタイプの剣を使うのは、オレとメアリだけだからな?」
“我先说一下,在我们当中使用这种剑的,只有我和玛丽吧?”
「なに? そうなのか? ……エルフの二人は違うとは思ったが」
“什么?是吗……我觉得两个精灵是不同的”
文句も言わずに振っていたからか、サジウスは木剣を持った俺たちを少し不思議そうに見回す。
也许是因为他毫不抱怨地挥着剑,萨吉斯对拿着木剑的我们有些不可思议地环视了一下。
「私たちのうち、半分は魔法の方が主力だからね。冒険者だから、一応、武器も使えるけど」
“我们当中一半的魔法是主力。因为是冒险者,所以武器也可以使用”
「む……それでは、模擬戦は難しいか?」
“嗯……那么,模拟战难吗?”
「相手次第じゃないかな? あたしたちでも対応できるようなら――いや、あたしたちに対応できるようなら、かな? 慣れてない武器だと、調整もしにくいから」
“这取决于对方吧?如果我们也能应对的话——不,如果能对应我们的话,是吗?因为不习惯的武器的话,很难调整”
「ですね。寸止めや見切りが上手くいかず、怪我をさせてしまう危険性もありますから」
“是啊。寸止和断念不好,也有受伤的危险”
「なるほど。では、最初は俺が相手をしよう。まずはトーヤ、お前からで良いか?」
“原来如此。那么,一开始我来做你的对手吧。首先Toya,从你开始可以吗?”
「おう! よろしく頼む」
“哇!请多关照”
どうやら模擬戦は一対一で行い、それを周りで見る形の訓練のようだ。
看来模拟战是一对一进行的,是在周围观察的形式的训练。
今までへばっていた兵士たちが剣を杖に立ち上がり、中央を大きく空けると、嬉しそうに木剣を構えたトーヤとサジウスがそこへ移動する。
一直以来都很虚弱的士兵们把剑立在手杖上,把中央空出很大的空隙,开心地拿着木剑的TOYA和SAJIUS就移动到了那里。
俺たち相手の訓練を除けば、トーヤも人相手に戦う機会が無いため、楽しみなのだろう。
除了我们对手的训练之外,托亚也没有和人战斗的机会,所以很期待吧。
そしてそれは俺たちも同じ。
而且我们也一样。
技量を向上させる機会が得られるという点で、この訓練はかなり有意義だと思われる。
从获得提高技能的机会这点来看,这个训练被认为是相当有意义的。
「いくぞ!」
“去!”
「おう!」
“哦!”
かけ声と同時に、ガツンとぶつかる木剣と木剣。
在喊叫声的同时,木剑和木剑突然相撞。
そのまま近距離でガツガツとやり合った後、示し合わせたように素早く後ろへ下がり、剣を構える。
就这样在近距离猛打之后,像互相示意一样迅速向后退,准备好剑。
そして互いにニヤリと笑みを浮かべる男二人。
然后两个互相微笑的男人。
「正統派の剣術ではないが、強いな?」
“虽然不是正统派的剑术,但是很厉害吧?”
「そうか? そう言ってくれると、自信が付く、なっ!」
“是吗?这样说的话,就会有自信了,成!”
再び飛び込み、剣を交え始める。
再次跳入水中,开始交剑。
しかし……トーヤは、本気、では無いな。
但是……托亚并不是认真的。
魔力による身体強化をしていないのはもちろん、戦い方もいつもと違っておとなしい。
不用说没有使用魔力强化身体,战斗方式也和平时不同,很老实。
強引さの無い、剣道の試合のような模擬戦。
没有强迫性,像剑道比赛一样的模拟战。
まぁ、“模擬戦”なのだから、こんな物なのかもしれないが、普段、俺たちとやっている時はもっと遠慮が無い。
嘛,因为是“模拟战”,所以可能是这样的东西,但是平时和我们一起玩的时候就更不用客气了。
骨をボッキリとやってしまって、ハルカやナツキのお世話になることだって、少なくないのだから。
因为有不少事情要把骨头啪嗒啪嗒地做,然后再去照顾Haruka和枣。
そんなトーヤの様子はサジウスにも伝わったらしく、再びトーヤから離れた彼は、少し忌々しそうに舌打ちをする。
那样的TOYA的情况好像也传到了SAJIUS,再次离开了TOYA的他,有点不服气地咂嘴。
「……ちっ。お前、手加減してるな?」
“……呃。你手下留情吗?”
「手加減ってのもチョイと違うが……訓練、だからな。互いに学ぶ物が無けりゃ、意味ねぇだろ?」
“手下留情的话和稍微有点不一样……因为是训练嘛。如果没有互相学习的东西,那就没有意义了吧?”
「はっ、違いない!」
“啊,没错!”
笑いながら戦う二人に、女性陣は少し呆れたような視線を向けるが、兵士たちは逆に驚いたような表情を浮かべ、真剣にその試合を見つめている。
面对一边笑着一边战斗的两人,女性们用有些吃惊的目光看着,士兵们却相反地露出吃惊的表情,认真地看着比赛。
打ち合いが続いたのは一分あまりか。
谈判持续了一分钟多吗。
やがてサジウスの息が乱れ、動きに精彩が欠けてきたところで、トーヤがその剣を叩き落とし、その首元に剣を突きつけた。
不久,萨吉斯的呼吸混乱,在运动中缺少了光彩的时候,托亚把剑打下来,把剑插在了他的脖子上。
「……まいった。クソッ、ケチもつけられねぇ」
“……真糟糕。袜子,连个小气鬼都不能戴”
「護衛として雇われるんだぞ? オレたち。逆に安心しただろ?」
“会被雇佣做护卫的吧?我们。反而放心了吧?”
ニヤリと笑ったトーヤに、サジウスは頷きつつも、悔しそうに地面を蹴る。
对着微笑着的TOYA,山治一边点头,一边悔恨地踢着地面。
「その点はな! だが、負けるのは気に入らねぇ!」
“那一点是!但是,我不喜欢输!”
「それは頑張れとしか言えねぇな。オレとしては、お前みたいな正統派の剣士と戦えたのは良い経験だったが」
“这只能说是努力。对我来说,能和你这样正统派的剑士战斗是很好的经验”
「ちっ。おい、次はお前とお前だ! 気張れよ!」
“呃。喂,接下来是你和你!加油!”
サジウスは木剣を拾い上げて移動し、次は兵士の二人を指定して模擬戦を行わせる。
萨吉斯拿起木剑移动,然后指定两个士兵进行模拟战。
一度目は俺たち全員をサジウスが相手にすると言っていたが、さすがに連続してやるような体力は無いのだろう。
第一次说我们全员都是由萨吉斯来当对手的,但是到底是没有连续做的体力的吧。
兵士同士の模擬戦を何戦か間に挟みつつ、俺、ハルカ、ナツキと順番にサジウスと模擬戦を行っていく。
我一边在几战之间夹着士兵们的模拟战,一边和Haruka、夏树依次和sajius进行模拟战。
隊長だけあって、サジウスは十分に強かったのだが、結果から言えば、彼に負けたのはメアリとミーティアの二人のみ。
不愧是队长,萨吉斯十分强大,但从结果来看,只有玛丽和米蒂亚两个人输给了他。
魔力による強化を使わずとも、ナツキは余裕を持って、他三人は危ない部分は少しあれど、特に問題なく勝つことができてしまったのだ。
即使不使用魔力强化,夏树也很从容,其他三人虽然有一些危险的地方,但也没有什么问题地取得了胜利。
さすがに女性三人、しかも普段剣を使っていない相手に負けたのはショックだったのか、サジウスはガックリと肩を落としてしまった。
不愧是三位女性,而且输给了平时不使用剑的对手,可能是受到了打击吧,sageusu突然肩膀掉了下来。
「ないわー。これで、剣がメインの武器じゃないとか……ユキとメアリ以外は、剣の扱い方が妙な感じはするが、十分に強いじゃねぇか」
“没有啊。这样的话,剑就不是主要的武器了……除了雪和玛丽以外,剑的使用方法虽然有点奇怪,但是不是很强吗?”
ユキは普段小太刀を使っているが、一応【剣術】のスキル持ち。メアリはトーヤの剣術を習っている。
雪平时使用小太刀,但大体上是拥有【剑术】的技能。玛丽正在学习托亚的剑术。
二人の剣の扱いが『まとも』なのは、そのせいだろう。
二人的剑的使用之所以“认真”,大概是因为这个吧。
俺たち四人は、小太刀の扱いを流用するような形で剣を扱ったのだが、それでもまぁ、それなりには扱えた。
我们四个人,虽然是以使用小太刀的形式来使用剑的,但是,即使这样,也能相应地使用剑。
実戦では、斬・る・事のできない剣と小太刀を同じように扱うのは危ないと思うが、模擬戦ではそのあたり、あまり影響しなかったのだ。
在实战中,将斩·る·不会的剑和小太刀同样使用是很危险的,但是在模拟战中,没有太大的影响。
むしろそのあたりの動きの違いが、サジウスを戸惑わせた部分もあるのかもしれない。
倒不如说,这一点上的不同,或许也有让萨吉斯不知所措的部分。
「これで、メイン武器は別にあって、更に魔法もあるんだろ? かぁーー、こりゃ、護衛依頼を出すのも納得だわ!!」
“这样的话,主要武器还有别的,还有魔法吧?啊,这样的话,发出护卫请求也是可以理解的
サジウスは顔に手を当てて、少し呆れたように暫し天を仰ぐ。
萨吉斯把手贴在脸上,好像有点吃惊似的暂时仰望天空。
「ちなみになんだが。サジウスって、この国だと、どのぐらいの強さなんだ?」
“顺便说一下。萨吉斯在这个国家有多强?”
非常に答えにくい質問を平然とぶつけたトーヤに、サジウスは苦笑を浮かべる。
面对很难回答的问题坦然提出的TOYA,SAJIUS露出苦笑。
「俺? はっはっは。それを訊くか? おい。――まぁ、あれだ。ネーナス子爵領は強い魔物もいないし、争い事も少ない平和な領地だ。……後は、解るな?」
“我?哈哈哈。你问那个吗?喂。——嘛,就是那个。纳纳斯子爵领既没有强魔物,也没有争斗,是和平的领地。……之后就不要知道了?”
笑っていたサジウスは、最後は真顔になってじっとトーヤを見つめ返す。
笑着的萨吉斯最后一脸认真地盯着托雅看。
うん、なるほど。
嗯,原来如此。
そんなに強くないワケか。
不那么强的理由吗。
まぁ、こう言っちゃ何だが、本当に強ければ、もっと待遇の良さそうな所に行くだろうしなぁ。
嘛,这么说虽然有点奇怪,但是如果真的很强的话,应该会去待遇更好的地方吧。
一年ほどこの領で生活してきた経験から言えば、集団でオークを斃せるレベルの技量があれば、兵士としては十分なんじゃないだろうか?
从在这个领地生活了一年左右的经验来看,如果有能以团体的形式杀死奥克的能力,作为士兵不就足够了吗?
給料は多少安くても、安全で安定しているという点では、ネーナス子爵領の領兵もそう悪くない職場なのかもしれない。
工资虽然多少便宜,但安全稳定,这一点上,纳纳斯子爵领的领兵也不坏。
そんな俺たちの理解を見て取ったのか、サジウスは少し苦い表情を浮かべたが、やがて気を取り直したように、ふっと息を吐いた。
也许是看到了我们的理解吧,山治脸上露出了苦涩的表情,但不久又像是恢复了精神一样,呼了一口气。
「よしっ! すまねぇが、コイツらの稽古も付けてやってくれ。お前らなら安心だわ」
“好!对不起,这些家伙也帮我练习一下吧。你们的话我就放心了”
サジウスは俺たちに向かってそう言うと、今度は兵士たちに向かって声を張り上げた。
萨吉斯对我们这样说道,这次就向士兵们提高了声音。
「おい、お前ら!! 胸を借りるつもりで思い切ってけ! イリアス様の護衛に付けないのが不満な奴は、コイツらを斃しちまえ! 人数が足りなくなれば、追加が必要になるかもしれねぇぞ?」
「喂,你们这帮家伙,好嘞!」!!鼓起勇气来!不满不加上伊利亚特大人的护卫的家伙,会杀掉他们!人数不够的话,可能需要追加吧?”
そう言った瞬間、兵士たちの目がギラリと光ったような気がした。
说完的瞬间,士兵们的眼睛闪着光。
これは、イリアス様が慕われていると好意的に考えるべきか、俺たちが気に入らないのか、どっちだ?
这是应该善意地认为伊利亚斯大人是被仰慕的,还是我们不喜欢呢?
「オイオイ、怪我をして護衛の依頼に影響が出たら、どうしてくれんだよ?」
“喂,如果受伤影响到护卫的委托的话,你会怎么做呢?”
「お前らなら問題ねぇだろ? さすがに、そっちの嬢ちゃんたちに不満をぶつけたりはしねぇよ」
“你们没问题吧?果然,我不会向那边的小姐们发泄不满的”
サジウスの言う嬢ちゃんは、当然、メアリとミーティアの事。
萨吉斯所说的小姑娘,当然是指玛丽和米蒂亚。
イリアス様と年齢が近いせいか、兵士たちから向けられる視線も、二人に対しては妙に優しい。
也许是因为和伊利亚斯大人年龄相近的缘故,士兵们的视线也对两人格外温柔。
「なら良いけどよ」
“那倒没关系。”
「私、一応非力なエルフなんですけど?」
“我姑且算是个无能的精灵吧?”
「じゃあ、非力で普段剣を使っていないエルフに負けた俺は何だよ? コイツら相手なら関係ねぇよ!」
“那么,输给平时不怎么使用剑的精灵的我是什么呢?这群家伙和对方没关系!”
ハルカの抗議もあっさりと流し、始められる模擬戦。
轻松地播放了Haruka的抗议,开始了模拟战。
俺たちの技量に問題が無いことが判ったからか、四カ所で同時に模擬戦を行い、数を熟していく。
也许是因为明白了我们的技能没有问题,所以在四个地方同时进行模拟战,逐渐成熟。
更に、二日目からは、俺たちが普段使っている槍や小太刀と同じサイズの棒も用意して、それを使った模擬戦も行うようになった。
而且,从第二天开始,就准备了和我们平时使用的枪和小太刀同样大小的棒,还进行了使用它的模拟战。
サジウス曰く、『そういう武器を使う相手への対処を学ぶのに、ちょうど良い』らしい。
萨吉斯说,“对于学习使用这种武器的对方的处理方法,正好”。
俺たちからしても、普段はできない対人戦の訓練を経験する機会でもあり、断る理由が無い。
对于我们来说,这也是体验平时无法进行的对人战训练的机会,也没有拒绝的理由。
だが、さすがに三日目から始まった多対一の模擬戦には苦労したのだが……それもまた良い機会か。こういう訓練ができるのは、人数がいてこそだし。
但是,从第三天开始的多对一的模拟战确实很辛苦……这也是个好机会吗。能进行这样的训练,正是因为有人数。
そして結局、俺たちは出発するまでの五日間、午前中は毎日、兵士たちとの訓練に費やす事になったのだった。
结果,我们在出发前的五天里,上午每天都要花在和士兵们的训练上。