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# 313 待ちの日々 (1)
313等待的日子(1)
刺すような太陽の光。
刺眼的阳光。
それを感じた俺は、すぐ隣にナツキがいることを確認し、安堵の息を吐いた。
我感觉到了这一点,马上确认了旁边有枣,吐出了放心的气息。
「無事に戻れたか」
“你平安回来了吗?”
「はい。あのガーゴイル、思ったよりも強そうな感じでしたね?」
“是的。那个小妖精,感觉比想象中还要坚强吧?”
「あぁ、かなり素早かったな」
“啊,真是相当敏捷啊。”
飛ぶ速度自体は、恐らくアローヘッド・イーグルの方が速いと思うのだが、ユキよりも大きく、ガッシリとした石の塊が飛んで来るのだ。
飞行的速度本身,我想大概是AROWhead Eagle更快,但是比雪还要大,硬朗的石块会飞过来。
その迫力はアローヘッド・イーグルの比ではない。
其魄力与箭头鹰无法比拟。
重量が石のままなら、体当たりされるだけで軽く死ねるだろう。
如果重量是石头的话,只要碰在身上就会轻死的吧。
「ま、ガーゴイルの対策はハルカたちも交えて考えるとして、だ。今回はちょっと焦ったなぁ……」
“嘛,关于Gigole的对策,Haruka等人也会考虑的。这次有点着急啊……”
なかなかにスリリングな体験。
非常惊险的体验。
正にゴム無しバンジージャンプ。
正是无橡胶蹦极。
俺の人生の中で、自分から崖を飛び降りるなんて事を経験するとは、想像もしていなかった。
在我的人生中,从未想过自己会从悬崖上跳下来。
「そうですね。私も落下した時は、一瞬、ダメかと思いましたから。ナオくん、本当に助かりました」
“是啊。我也在坠落的时候,一瞬间觉得不行。娜奥君,真的帮了我大忙了”
それでもナツキなら、何とか生き残りそうな気はするが、無傷とはいかなかっただろう。
尽管如此,如果是枣的话,总觉得还能幸存下来,但也不能说没有伤吧。
「次に行く時は、せめてパラシュートもどきでも準備して行くべきか?」
“下次去的时候,至少要准备降落伞吗?”
「もしくは、ハルカとナオくんに、『空中歩行ウォーク・オン・エア』をしっかりと使えるようになって貰うか、ですね」
“或者,请Haruka和nao君好好地使用‘空中步行Walk on Air’吧。”
「ハルカはともかく、俺は厳しいなぁ……。俺の【風魔法】、表記自体はまだレベル2だし」
“不管Haruka如何,我都很严格……。我的【风魔法】,表记本身还只是等级2而已”
色々すっ飛ばして、レベル8の『空中歩行』を練習していたのだから、なかなか物にならないのも当然。
因为练习了各种各样的快速飞行、等级8的“空中行走”,所以很难成为物体也是理所当然的。
もっとも、魔力の操作などに関しては、他の種類の魔法と同じわけだから、そのレベル差ほどに隔絶した違いがあるわけじゃないのだが。
不过,关于魔力的操作等,因为和其他种类的魔法是一样的,所以并没有像那个等级差那样有隔绝的区别。
風魔法の基礎がないので苦労しているが、恐らく難易度的には、時空魔法のレベル6とか7の方が難しい。
因为没有风魔法的基础所以很辛苦,但是恐怕难易度的话,时空魔法的等级6或者7比较难。
同じ時間を費やせば十分に使えるようになるとは思うが、その時間がなぁ……。
虽然我觉得花同样的时间就可以充分使用了,但是那个时间啊……。
「ガーゴイル、いただろう? できればあれに効果がありそうな『爆炎エクスプロージョン』を使えるようになっておきたいんだよなぁ」
“有女生吧?如果可以的话,我想尽量使用有效果的《爆炎扩展》”
こちらもレベル8の魔法だが、火魔法は順調にレベルを上げているので、『空中歩行』よりは物になりやすいだろう。
虽然这也是等级8的魔法,但是火魔法在顺利地提高了等级,比起“空中行走”更容易变成物体。
「確かに効果はありそうですが、爆発系の魔法を閉鎖空間で使っても大丈夫でしょうか……?」
“确实有效果,但是在封闭空间使用爆炸系魔法也没关系吗……?”
「む……そう言われると……ヤバそうにも思えるな?」
“嗯……这么说的话……会觉得很糟糕吧?”
ゲームとは違って、味方の魔法でも普通にダメージは喰らうので、そのあたり気を付けておかないと色々と危ない。
和游戏不同,即使是我方的魔法也能吃到普通的伤害,如果不注意到这点的话会有很多危险。
同じ部屋の中で爆発が起きたら、下手したら鼓膜とか破れそうである。
如果在同一个房间里发生爆炸的话,弄不好的话,鼓膜之类的都快破了。
対してガーゴイルは鼓膜なんて無さそうだし……。
相对的,少女风格好像没有鼓膜……。
「使うとしても、最初のみ、部屋の中に放り込んで扉を閉めて、でしょうか」
“即使要用,也只有一开始,放进房间里关上门,是吗?”
「もしくは、しっかりと実験を重ねて、だな。自分の魔法で全滅の危機とか、怖すぎる」
“或者,好好地反复实验,是吧。用自己的魔法来消灭一切的危机,太可怕了”
スタングレネードなんて物があるように、爆音というのはバカにできない。
就像斯坦格兰德有什么东西一样,爆炸声是不能小看的。
『爆炎』の場合、閃光はさほどでもないかもしれないが、使ったことがないので判らない。使うならしっかりと実験してから。間違っても、ぶっつけ本番はなしだな。
“爆炎”的情况下,闪光可能并不多,但因为没有使用过所以不知道。要用的话,要好好试验一下。就算错了,也没有正式表演。
「さて。それはそれとして、ハルカたちは……先に戻ってしまったって事は無いですよね」
「那么。那也就算了,Haruka他们……也没有先回去过吧”
「俺たちより早く戻って来られる可能性は……低いと思うが」
“能比我们早回来的可能性……我觉得很低。”
一応周囲を見回してみるが、辺りの様子は俺たちがダンジョンに入った時のまま。
我姑且环视了一下周围,周围的情况和我们进入地下城时一样。
当然、ハルカたちの姿は見えないし、何らかの目印が置いてあったりもしない。
当然,看不到Haruka他们的身影,也没有留下任何标记。
もしハルカたちが先にラファンへ戻ったのであれば、ここに何かしらのメッセージぐらいは残しておいたと思われる。
如果Haruka他们先回到了拉斐尔的话,应该会在这里留下一些信息吧。
そもそも、俺とナツキが転落して一日半程度。
说起来,我和枣掉下来一天半左右。
あの位置から二〇層の転移陣まで、何も無ければ十分に登れる距離かもしれないが、背後からの襲撃を警戒しつつ、魔法で防御しながらロッククライミングする事を考えれば、なかなかに厳しいだろう。
从那个位置到20层的转移阵,如果什么都没有的话,也许可以充分攀登的距离,但是如果一边警戒着从背后的袭击,一边用魔法防御一边攀岩的话,是相当严峻的吧。
ユキの魔力量的にも、体力的にも。
雪的魔力量也好,体力也好。
「では、二、三日、ここで待ってみましょう。それでもハルカたちが戻って来ないようであれば、メッセージを残して、ラファンに戻りましょう。――大丈夫、ですよね?」
“那就在这儿等两三天吧。即便如此,如果Haruka他们还没有回来的话,就留下信息,回到拉斐尔吧。——没关系吧?”
「あぁ。ナツキと二人だけなら、転移でそれなりの場所まで行ける。そこからなら、問題なく帰れるだろう」
“啊。如果只和夏树两个人的话,转移到一个地方就可以了。”
ここのダンジョン、かなり深い場所まで潜ってはいるが、実のところ、俺たちがこれまで冒険してきた中で最も強い魔物が出るエリアは、このダンジョン周辺なのだ。
这里的地下城,虽然潜藏在相当深的地方,但实际上,我们至今为止冒险过的最强魔物出现的区域是这个地下城周边。
昨日の森でスタブ・バローズが出てきたことを考えれば、あの辺りでやっと、この周辺の敵に近づいてきた、という感じ。
考虑到昨天森林里出现了星巴克・巴罗斯,感觉在那附近终于接近了这附近的敌人。
まだまだ脅威度は、この辺りの方が高い。
威胁度还是这一带高。
これまでで最強だったダールズ・ベアーは、あれ以降遭遇していないが、それでも二人で歩くには少し不安。
至今为止最强的戴尔兹·贝勒,从那以后就没有遇到过,尽管如此,两个人一起走路还是有点不安。
そこの部分を転移でショートカットすれば、たぶん俺たちだけでも、無事に町に戻れるはずである。
如果把那个部分转移后剪短的话,大概只有我们一个人也能平安返回城镇。
もちろん、ハルカたちと合流できるのが一番なんだけどな。
当然,能和Haruka他们合流是最好的。
◇ ◇ ◇
◇ ◇ ◇
ハルカたちを待つ間、俺が最初に取り組んだのは簡易的な砦……とまで言うと大げさかもしれないが、シェルター的な物を作ることだった。
在等Haruka他们的时候,我最先着手做的是简易的城堡……这么说可能有点夸张,其实是制作避难所式的东西。
今回、ダンジョンに入る前に、広場部分は簡単な柵で囲んでいたが、所詮は簡単な柵。強力な魔物を止められるような物ではない。
这次,在进入地下城之前,广场部分用简单的栅栏围起来,但终究只是简单的栅栏。并不是能阻止强力魔物的东西。
その上、今の俺たちは二人だけ。
而且,现在的我们只有两个人。
身を守るための物は必須だった。
为了保护自己的东西是必须的。
「転移陣で戻ってくるポイント、そこを囲む様に壁を作ろうと思うんだが、どう思う?」
“转移阵回来的关键点,我想把墙壁围起来,你觉得怎么样?”
「そうですね、今後のことも考えると、有益かもしれませんね。戻ってきて、即魔物と遭遇という危険も避けられますし」
“是啊,考虑到今后的事情,也许会有好处。回来后,也能避开遭遇魔物的危险”
「だよな」
“是啊。”
これまでのところ、転移陣で戻ってきた際にそこに魔物がいた、という経験はしていないが、あり得ない話では無い。
到目前为止,虽然没有经历过转移阵回来的时候那里有魔物,但并不是不可能的事。
この周辺、普通に魔物が跋扈しているのだから。
因为这附近一般都有魔物横行。
「まぁ、今現在の危険性に関して言えば、ダンジョン内で過ごすという方法も取れますけど。一層の敵は弱いですからね」
“嘛,就现在的危险性来说,也可以采取在地下城内度过的方法。因为进一步的敌人很弱”
「……なるほど。ここで野営するよりも、ダンジョンに入っていた方が安全なのか」
“……原来如此。比起在这里露营,进地下城更安全吗?”
そいつは盲点だった。
那是个盲点。
基本的に、ダンジョンの魔物は外に出ないし、外の魔物もダンジョンに入らない。
基本上,地牢的魔物不外露,外面的魔物也不进入地牢。
つまり、ダンジョンの一階層であれば雑魚しかいないということ。
也就是说,地牢的一层只有小鱼。
それこそ、『聖域サンクチュアリ』でも使っておけば侵入を防げる程度の魔物ばかり。
正因为如此,即使是在《圣域圣殿》中使用也能防止侵入的魔物。
安全性を考えるなら、ナツキの言うとおりなのだが……。
要考虑安全性的话,正如枣树所说的那样……。
「いや、やはり壁は作ろう。今後の安全性向上のためにも。あと、明るい方が嬉しい」
「不,还是做墙壁吧。为了今后的安全性提高。还有,开朗的人会很开心”
「私もそれは同じですね。――雨が降らない限りは」
“我也一样呢。——只要不下雨”
テントはハルカたちが持ってるからな。
因为Haruka他们有帐篷。
一応、タープ的な物は持っているが、それを使うぐらいなら、ダンジョンに入る方がマシだろう。
我姑且有涡轮的,但与其用那个,不如进地下城吧。
「えーっと、壁は崖を背にして、コの字型で良いか」
“呃,墙壁背对着悬崖,这个字形可以吗?”
ダンジョンの入口がある崖。その近くに転移陣の帰還ポイントはある。
迷宫入口的悬崖。在那附近有转移阵的返回点。
その帰還ポイントを含めるように(ただし、ダンジョンの入口は含めないように)、崖を背にして一辺六メートルほどのコの字を描く。
为了包含返回点(但是,不包括迷宫的入口),描绘了背对着悬崖一边六米左右的コ字。
大きさとしては、学校の教室よりも一回りほど小さい感じだろうか?
从大小来说,感觉比学校的教室小一圈左右吧?
このぐらいのスペースがあれば、俺たちのパーティー七人が野営するにしても十分だろう。
如果有这样的空间,我们的聚会七个人露营也足够了吧。
「防衛のことを考えたら、壁の上に登れる方が良いよな。厚みは一メートルほど、高さは……二・五メートルほどで良いか」
“考虑到防卫的话,还是爬到墙上比较好。厚度有一米左右,高度……二・五米左右可以吗?”
「入口はどうしますか?」
“入口怎么办?”
「アーチ型に穴を開けて……いや、扉を作ることを考えれば、四角の方が良いか」
“在拱形上开个洞……不,考虑到制作门的话,还是四角形比较好吧。”
今後どうするかはまた考えるとして、とりあえずは人一人が何とか通り抜けられる程度の隙間――トーヤだと少しキツいぐらいの隙間を空けておくことにする。
今后该怎么办还得再考虑一下,总之先把每个人都能通过的间隙——如果是火炬的话,稍微有点吃力的间隙空出来。
扉が手に入ったら、その時に大きさを調整すれば良いだろう。
如果门到手了,那时调整大小就可以了吧。
魔法で作ると、改修が簡単なのが大きなメリットだよな。
用魔法做的话,修改简单是最大的优点。
今回は速度優先という事で、素材は奇をてらわない普通の土。
这次由于速度优先,素材是不在乎奇的普通的土。
『土操作グランド・コントロール』で最も簡単に操作できるその辺の土を使って、壁を立ち上げていく。
使用“土操作接地控制”中最简单操作的那块土,将墙壁竖立起来。
壁に土を使った分、外側の土が減って堀のようになるのだが、それもまた良し。
墙用土的量,外侧的土减少变成护城河,不过,那个也可以。
強度には劣るが、魔力の節約と速度優先。
虽然强度较差,但是魔力的节约和速度优先。
それでも壁を作り終わる頃には魔力も枯渇し、その日はそのまま就寝。
尽管如此,制作完墙壁的时候魔力也枯竭了,那天就那样就寝了。
翌日からは、広場を囲む様に作っていた木の柵を置き換えるように、土壁作りに励む。
从第二天开始,为了替换围着广场的木栅,努力筑堤。
こちらはダンジョンの入口を含むコの字型。
这是包含迷宫入口的コ字形。
高さを三メートルほどにする代わりに、厚みは五〇センチほどに抑えて、魔力を節約。
把高度控制在3米左右,而厚度控制在50厘米左右,节省魔力。
上に登るのは厳しいので、砦としてはやや問題なのだが、対処方法はある。
因为登顶很困难,所以作为要塞来说有点问题,但是有处理方法。
それが、ナツキの作っている物見台二つ。
这是两个枣树做的东西架。
俺が壁を作っていた間、する事が無かったナツキはそのへんの木を切りだして、『【木工】スキルが身につくかもしれませんし……』などと言いながら、キャンプ場にある様なテーブルや椅子を作っていたのだが、所詮は簡単な造作物。
我在做墙壁的时候,没有做过的枣树把那边的树砍掉,一边说着‘木工’也许能掌握技能……’,一边做野营地的桌子和椅子,但终究是简单的造作。
椅子なんて、丸太を輪切りにして並べただけなので、一日目にして作業は終了していた。
椅子之类的,只是把圆木切成圆片摆在一起,所以第一天工作就结束了。
そんなナツキが二日目以降に作り始めたのが、その物見台。
这样的海枣在第二天以后开始制作,就是它的了望台。
丸太を組み合わせただけの比較的簡単な代物なのだが、人が立つ場所は四メートル近い高さにあるし、二、三人程度なら立てるだけの広さもある。
虽然只是把圆木组合起来比较简单的东西,但是人站的地方有近4米的高度,也有两、三个人站着的大小。
周辺の監視や弓、魔法などによる攻撃には十分に使える。
可以充分用于周围的监视、弓、魔法等攻击。
ちなみに、これの作製は俺も手伝っている。
顺便说一下,我也在帮忙做这个。
さすがにこの範囲の壁を一気に作れるほどの魔力は無いので、適度に休んで魔力の回復をしつつ、ナツキを手伝ったり、昼寝をしたり、ご飯を食べたり。
因为没有一口气能制作这个范围的墙的那样的魔力,适度休息一边恢复魔力,一边帮助枣,午睡,吃饭。
ナツキと二人して、結構のんびりと一日半ほど。
和夏树两个人在一起,过了相当悠闲的一天半左右。
とりあえずの防衛設備が完成した。
总之防卫设备完成了。
強度自体はそこまでではないので、ダールズ・ベアーが攻めてきたら危ないが、この辺で普通に出てくるキラーゲーターや、スタブ・バローズあたりでは侵入もできないだろう。
因为强度本身还没到这个程度,所以如果戴尔兹·贝利攻击过来的话会很危险,但是在这附近普通出现的杀手玩家和星巴克·巴罗斯等也不能侵入吧。
フォレスト・ハイド・スパイダーは……侵入は可能かもしれないが、基本的に木の上にいる魔物なので、木の生えていないこちら側に入ってくることは、たぶん無いだろう。
森林·海德·蜘蛛……可能可以侵入,但基本上是树上的魔物,所以不会进入没有树的这边吧。
「これで安心して、ハルカたちの帰りを待てるな」
“这样就放心了,别等着Haruka他们回来了。”
「ですね。とは言え、さすがにそろそろ戻ってきても良いと思いますが……」
“是啊。话虽如此,但我觉得差不多该回来了……”
今日は、俺たちがダンジョンから出てきて二日目。
今天是我们从地下城出来的第二天。
俺とナツキは、帰還ポイントの傍に作ったテーブルを使って、昼食を摂っていた。
我和夏树,用归还点旁边做的桌子,吃了午饭。
暇に厭かせて作った、バーベキューコンロで肉を焼きながら。
空闲的时候,一边用烤肉炉烤肉一边做。
材料は工事中に何度か襲ってきたスタブ・バローズである。
材料是施工中几次袭击的宿雾。
「うーむ、まだ時間が掛かるようなら、小屋でも作るか? ログハウス的な」
“嗯,如果还需要时间的话,可以在小屋里做吗?像loghouse一样的”
「ログハウスですか。作り方が判りませんから、上手くできるかどうか……」
“是loghouse吗。因为不知道做法,所以能不能做好……”
「うん、俺も知らないな」
“嗯,我也不知道。”
俺の持っている知識なんて、木の皮はきちんと剥がないとダメという事と、幹を削って組み合わせていくという事ぐらいである。
我所拥有的知识,就是必须要好好剥下树皮,和削树干组合起来。
これでは、壁はできても屋根も扉も、作れるはずがない。
这样的话,即使墙可以做,屋顶和门也不可能做出来。
「やはり、シモンさんにでも手解きを受けるか?」
“果然,西蒙先生也要接受解答吗?”
「もしくは、組み立てるだけで作れるような小屋を作ってもらうか……あ、ユキに習わせましょうか? 【大工】とか【木工】のスキル、コピーできるかも?」
“或者,能不能给我建一个只需要组装就能做的小屋……啊,让雪树学习一下?”木匠”或者“木工”的技能,也许可以复印?”
「おぉ、それは良いな。簡単な小屋ぐらいなら、レベル1のスキルでも作れそうだし」
“哇,那太好了。简单的小屋的话,等级1的技能也能做出来”
考えてみれば、ユキの【スキルコピー】って、知り合いが増えれば増えるだけ、地味に有効だよな。
试想一下,YUKI的【技能复制】,只是随着认识的人增加而增加,对质朴有效。
手解きを受けられるほど仲良くなるのは、簡単では無いだろうが、冒険者に必要なスキル以外でも、覚えられるわけで。
关系好到可以接受解答的程度,虽然不是很简单,但是除了冒险者需要的技能以外,也能记住。
長期的に見れば、一番潰しが効くのはユキなのかもしれない。
从长期来看,最有效果的可能是雪。
いや、ハルカやナツキも【裁縫】や【調理】みたいなスキルを持っているし、トーヤには一応、【鍛冶】がある。
不,Haruka和枣也有【缝纫】和【烹饪】这样的技能,toya姑且有【锻冶】。
……おや? 冒険者を引退して一番役立たずになるのって、もしかして俺?
……咦?从冒险者引退后成为最没用的人,难道是我?
ハルカのヒモ確定……?
确定Haruka的himo……?
――あ、いやいや、俺には魔法があった!
——啊,不,我有魔法!
氷を作れるだけでもお仕事になるのだ。
仅仅是制作冰块就可以成为工作。
セーーフ! ダメ人間、回避。
蓝精灵!废柴人,回避。
将来家庭を持った時、『お父さんのお仕事ってなに?』と子供に訊かれても、空気が凍るような事態は避けられた! ふぅ。
将来有家庭的时候,“爸爸的工作是什么?”即使孩子这么问,也能避免空气结冰的事态!呼。
「ナオくん、食後のデザート、何を食べますか? ケーキでも出しましょうか? テーブルもある事ですし」
“娜奥君,饭后甜点吃什么?要给你蛋糕吗?还有桌子”
「お、良いな。じゃあ、それで」
“哦,真好啊。那就这样吧」
「では、紅茶も一緒に淹れますね」
“那么,红茶也一起泡吧。”
簡単につまめるクッキーや果物に対し、やはりケーキはテーブルとお皿、それにフォークがないと食べづらい。
与简单的饼干、水果相比,蛋糕如果没有桌子、盘子和叉子的话就很难吃了。
ナツキは切り分けたケーキをお皿に載せると、ティーカップに紅茶を注いで俺の前に並べてくれた。
枣把切好的蛋糕放在盘子里,把红茶倒进茶杯里摆在我面前。
ちなみにこの紅茶は自家製。
顺便说一下,这个红茶是自家制的。
高級茶葉と比べてどうかは知らないが、それなりに飲めるので問題は無い。
虽然不知道和高级茶叶相比怎么样,但因为能喝到相应的程度,所以没有问题。
端から見れば、森の中で優雅にお茶をしている二人。
从侧面看,两个人在森林里优雅地喝茶。
何してるんだって感じだが、人目がないので問題ない。
虽然感觉好像在做什么,但是因为没人看见所以没问题。
俺はケーキをフォークで切り分けると、一口パクリ。
我把蛋糕用叉子切开,然后一口咬下去。
「うん、美味い」
“嗯,很好吃。”
「ありがとうございます。お代わりもありますよ」
“谢谢。还有要添的哦”
「うーん、食べ過ぎたら、太らないか?」
“嗯,吃多了不会胖吗?”
「そんな事、気にする必要も無いほど、動いていると思いますけど、私たち」
“那种事,我想我们已经动得不必在意了。”
「ナツキたちも体重は――」
“夏树他们的体重是——”
「ナオくん、何か言いましたか?」
“娜奥,你说什么了吗?”
「いえっ! 何でもありません!」
“不不!没什么!”
ニッコリと笑ったナツキに、俺は即座に首を振る。
对着微笑着的枣,我立刻摇头。
危ない。
危险。
まったく気にする必要が無くても気にするのが女性だった。
完全不需要在意的是女性。
今はただ、このケーキを味わうことに専念しよう。
现在就专心品尝这个蛋糕吧。
そんなことを思って、再度パクリとフォークを咥えた俺の視界の片隅で、光が生まれた。
想到这些,我又一次叼着叉子,在我视线的角落里,产生了光芒。