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252 貴族の婚礼 (5) |
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252贵族婚礼(5) |
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この世界の貴族の婚礼は、俺が思っていたよりもずっと質素で、俺たちにも馴染みがある形式に似ていた。 |
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这个世界上贵族的婚礼比我想象的要朴素得多,和我们也熟悉的形式很相似。 |
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まずは最初に行う結婚式。 |
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首先是第一次举行的婚礼。 |
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自分の信仰する神の神殿、そこに新郎新婦、それに近しい親族だけで出向き、婚礼の儀式を行う。 |
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在自己信仰的神的神殿里,只有新郎新娘和亲近的亲属前往,举行婚礼的仪式。 |
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こちらに参加する外部の人間はほぼゼロで、当然今回の俺たちも対象外。 |
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参加这里的外部人员几乎为零,当然这次的我们也不在对象外。 |
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なので、授業の範囲にも含まれず、どんな事をするのか、良く知らない。 |
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因此,不包括在上课的范围内,不知道要做什么。 |
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次に行われるのが披露宴。 |
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接下来举行的是婚宴。 |
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会場はダイアス男爵の屋敷で、そこに招待客を集めて、新郎新婦が挨拶をする。 |
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会场在戴斯男爵的宅邸,新郎新娘在那里聚集了招待客人,并致辞。 |
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そして日が暮れるまで立食パーティー。 |
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然后到天黑为止是立餐派对。 |
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飲み食いしながら、会話を楽しむ事になっている。 |
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一边吃喝一边聊天。 |
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――実際に飲み食いできるか、会話を楽しめるかは別として。 |
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——实际能不能吃喝,能不能享受对话就另当别论了。 |
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だが、俺たちにとっては幸いな事に、ダンスパーティーなどは無いので、まだマシだろう。 |
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但是,对我们来说幸运的是没有舞会,所以还不错吧。 |
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これら全部で丸一日。 |
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这些全部一整天。 |
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爵位が上がればまた違うようだが、男爵であれば最大でもこの程度。 |
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爵位上升的话好像又不一样,但是男爵的话最多也就是这个程度。 |
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貧乏な貴族であれば、もっと小規模になったりするらしい。 |
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如果是贫穷的贵族的话,好像会变得更小。 |
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逆に爵位が上がれば披露宴がもっと長くなったり、町を巻き込んだお祭りになったりと、『正に貴族!』的な物になる。 |
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反之,爵位上升的话,婚宴会变长,也会变成卷入城市的祭祀活动成为靶子。 |
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そうなってくると、当然のようにダンスパーティーも開かれたりするわけで。 |
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这样一来,当然也会举行舞会。 |
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もしそれがあったら、今回の依頼、断っていたかもしれない。 |
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如果有那个的话,这次的委托也许已经拒绝了。 |
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いくら何でも二日でダンスの習得は無理である。 |
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不管怎么说,两天之内学跳舞是不可能的。 |
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――そういえば、最初のスキル選択、【ダンス】とかあったのだろうか? |
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——这么说来,最初的技能选择是“舞蹈”吗? |
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逆ハーとかやりたい人には必須なスキルにも思えるが……ま、俺には縁の無い話か。 |
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反过来说,对于想做的人来说,这也是必须的技能……嘛,这和我没有缘分吗。 |
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「ナオ、腕」 |
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“瑙,手臂” |
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「腕?」 |
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“手臂?” |
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「腕出して」 |
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“伸出手臂” |
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「……おぉ!」 |
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“……哇!” |
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ダイアス男爵家に到着し、会場へ向かって歩いている途中、ハルカに促されて俺は慌てて、腕を差し出す。 |
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到达戴斯男爵家,在朝着会场走的途中,在Haruka的催促下我慌了手脚。 |
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その腕にハルカが手を置きつつ、少し不満げな表情を浮かべた。 |
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春香把手放在他的手臂上,脸上露出了不满的表情。 |
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「ナオ、気が利かないのは良くないわよ? ……あんまり、誰彼構わず利き過ぎるのも困るけど」 |
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“娜奥,不机灵不是很好吗……不管是谁,太过灵活也很困扰” |
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「経験不足ですまん」 |
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“经验不足很抱歉” |
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もしかすると、ハルカとしては馬車を降りた段階で、エスコートして欲しかったのだろうか? |
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或许,作为Haruka来说,在下马车的阶段,想要护花使者吗? |
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思い出せば、イリアス様の後についてさっさと歩き出した俺に対し、ハルカは少し遅れたような……? |
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回想起来,我跟在伊利阿斯大人后面,很快就走了出去,而Haruka却有点迟了……? |
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もちろん、すぐに俺の隣に並んだのだが。 |
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当然,我马上就在我旁边排队了。 |
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「ふふっ。お二人はとても近しい関係なのですね? そういう関係も、遠慮が無くて良いと思いますよ?」 |
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“呵呵。你们俩是很亲密的关系吧?我觉得这样的关系也可以不用客气的吧?” |
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「お恥ずかしい限りです」 |
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“太不好意思了。” |
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いや、マジで。 |
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不,真的。 |
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微笑ましげに言われてしまうと。 |
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微笑着说的话。 |
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それを口にしている女の子の年齢を知っているから、余計に。 |
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因为知道说那个的女孩子的年龄,更加。 |
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「もうちょっとだけ、女性に気を使えるようになれば良いのですが……」 |
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“再稍微注意一下女性就好了……” |
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「ですが、ハルカさんとしては、ナオさんがあまり女性の扱いが上手くなるのも心配じゃないですか?」 |
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“但是,对于Haruka来说,担心娜奥小姐对女性的处理太好了吧?” |
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「それは……否定できませんが」 |
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“那个……不能否定。” |
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「良いじゃないですか。お願いしたい事を、遠慮せずに口にできる関係というのも。――さて、着きましたね。それではよろしくお願いします」 |
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“不是挺好的吗。也可以毫不客气地将想要拜托的事情说出口那么,到了呢。那就拜托了” |
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「「はい」」 |
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“是的” |
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俺たちと話す時は、少しリラックスしているようにも見えたイリアス様の表情が、微笑みを浮かべながらも少し緊張感を含んだ物に変わる。 |
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和我们说话的时候,看起来稍微放松了一点的伊利亚斯的表情,虽然脸上浮现着微笑,但却变成了含有一点紧张感的东西。 |
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それに釣られるように、俺たちも表情を引き締め、イリアス様の後に続いてその広間へと足を踏み入れた。 |
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就像是被钓到了一样,我们也绷紧了表情,继伊利亚斯之后,又踏上了那个大厅。 |
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その広間の大きさを俺の知っている場所で表現するなら、『学校の体育館よりはやや狭い』だろうか。 |
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如果在我知道的地方表现那个大厅的大小的话,大概是“比学校的体育馆稍微窄一些”吧。 |
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普通の部屋に比べると、天井の高さが二倍以上はあるため、狭苦しさは感じないが、そこに優に一〇〇人以上の人が集まっている。 |
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与普通的房间相比,天花板的高度有两倍以上,所以不会感到狭窄,但是那里聚集了100多人。 |
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俺たちが入場すると同時に多少の視線が集まってきたが、幸いな事に順次、他の貴族が入場しているため、一気に注目されるような事は無かった。 |
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在我们入场的同时,也聚集了一些视线,幸运的是,因为其他贵族依次入场,所以没有一下子受到关注。 |
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だが、集まってきた視線の内、半分程度は俺とハルカに向いている気がするのが、ちょっと気になる。 |
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但是,在聚集过来的视线中,感觉有一半左右是适合我和Haruka的,有点在意。 |
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「隅に向かいましょう」 |
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“我们去角落吧。” |
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「はい」 |
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“是的。” |
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イリアス様の目的は、披露宴に出席したという実績を作る事。目立つ事は目的では無い。 |
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伊利亚斯大人的目的是为了创造出席婚宴的实绩。引人注目不是目的。 |
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速やかに入口から外れ、壁に近い場所へと場所を移す。 |
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迅速从入口脱出,将场所移到靠近墙壁的地方。 |
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事前に立食パーティーと聞いていた通り、部屋のあちらこちらにテーブルが置かれ、その上には飲み物と食べ物が積み重なっているが、当然と言うべきか、それをがっつりと食べているような人は、ほぼいない。 |
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正如事先听说的立餐派对那样,房间的各处都放着桌子,上面堆满了饮料和食物,应该说是理所当然的吧,几乎没有人会大口地吃那个。 |
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申し訳程度にグラスと皿を持っているのだが、フォークを持っている人がほとんどいない事を見れば、あまり食べていない事はすぐに判る。 |
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很抱歉我有玻璃杯和盘子,但是看到几乎没有拿叉子的人的话,马上就知道没怎么吃。 |
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素手でも食べられそうな物ならともかく、ソースがしっかりと掛かった肉とか、カトラリー無しに食えるわけもないのだから。 |
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如果是徒手也能吃到的东西的话,那就另当别论了,因为没有放好调味汁的肉,也不可能没有卡特拉力赛就能吃。 |
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「まずは、料理を取っておきましょうか。ナオさんたちも持っていた方が良いでしょうね」 |
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“首先,先给您上菜吧。娜奥他们也拿着比较好吧” |
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料理を持っている相手には、話しかけるのを遠慮する、それもマナー。 |
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对有料理的人,不要搭话,这也是礼仪。 |
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だが、ずっと料理を持ちっぱなしと言うのもマナー違反。やっぱり面倒くさい。 |
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但是,一直拿着菜吃也是违反礼仪的。果然很麻烦。 |
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イリアス様は慣れた様子で、近くのテーブルから皿を取り、適当に料理を盛る。 |
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伊利亚斯似乎已经习惯了,从附近的桌子上取盘子,适当地盛菜。 |
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そして、傍にいた給仕に「何か軽い物を」と飲み物を注文。 |
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然后,向旁边的服务员点了饮料,说“要点点点什么轻的东西”。 |
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ちなみに、“軽い物”は普通、アルコール度数の低い軽いお酒になるのだが、子供が注文した場合は、ノンアルコールの物が出てくるらしい。 |
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顺便说一下,“轻的东西”一般是酒精度数低的轻的酒,但是孩子点的话,好像会有无酒精的东西出来。 |
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俺たちもそれに倣って、皿に料理を盛り、飲み物を注文。 |
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我们也仿照那个,在盘子里盛菜,点饮料。 |
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同様に“軽い物”を注文したのだが、俺たちに出てくるのは酒なので、口を湿らせる程度にしておいた方が良いだろう。 |
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同样点了“轻的东西”,但是我们出来的是酒,所以还是先弄湿嘴比较好。 |
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この場面で酔っ払って醜態をさらすとか、マジでシャレにならないから。 |
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在这种场合喝醉了会丑态百出,真的不会生气。 |
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「ふふっ、やはりお二人は目立っていますね。当然ですけど」 |
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“呵呵,果然两位很显眼呢。当然” |
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「やっぱり、気のせいじゃないですよね」 |
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“果然不是心理作用啊。” |
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「ないですね。どちらかお一人でも目を惹きますが、お二人が並んで立っていれば、当然ですよ」 |
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“没有呢。虽然哪一位都会引人注目,但是如果两位并排站着的话,那是理所当然的” |
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少し、困惑を含んだ様なハルカの言葉を、イリアス様は微笑んで否定する。 |
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伊莉阿斯大人微笑着否定了Haruka略带困惑的话。 |
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あまり目立たないように、と隅に移動したのに、それでも視線は付いてきていたので、解ってはいたのだが。 |
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为了不太显眼,虽然移动到了角落,但是视线还是追随着我,所以我明白了。 |
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「あ、お二人は自由に飲食して構いませんからね? 私の傍を離れなければ」 |
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“啊,两位可以随便吃东西吗?如果不离开我的话」 |
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「……目立ってると言われた後でそんな事を言われても、喉を通りませんよ」 |
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“……被说很显眼之后,即使被说了那样的话,也不会通过喉咙的。” |
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知らずに飲み食いするのも怖いが、注目されている状態では更に食べづらい。 |
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不知不觉地吃喝也很可怕,但是在被关注的状态下更难吃。 |
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そして当然、それはハルカも同様なのだろう。 |
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当然,Haruka也是一样的吧。 |
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「飲み物ならまだしも、ですが、あまりお酒は得意じゃないですから」 |
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“饮料的话还好,但是我不太会喝酒。” |
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「軽い物ならあまり酔う人もいないですけど……無理なら、お酒以外も頼めますよ?」 |
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“如果是轻的东西的话,没有人会醉……如果不行的话,除了酒以外也可以点吗?” |
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「いえ、大丈夫です。……しかし、思ったよりも人間以外の貴族がおられますね?」 |
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“不,没关系。……但是,除了人类以外还有其他贵族吗?” |
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貴族と俺たちのような従者の違いは、あまり判らないのだが、それでも全体の二割ぐらいは獣人やエルフ、更にドワーフも存在している。 |
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虽然不太清楚贵族和我们这样的随从者的区别,但即使如此,也有两成左右的人是兽人、精灵,甚至是矮人。 |
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確か、種族選択にはハーフリングもあったと思うが、それが含まれているかは判らない。 |
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确实,我觉得种族选择中也有半环,但不知道它是否包含在内。 |
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見た目子供のような貴族もいるが、それを言えばイリアス様はまんま子供だし……。 |
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虽然也有看起来像孩子一样的贵族,但说起来伊利亚斯大人确实是个孩子……。 |
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ちなみに、【看破】でハーフリングと表示された人はいないが、きちんと看破できているのかどうかは判らない。地味に信用できない部分があるので。【看破】スキルって。 |
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顺便说一下,虽然在【识破】中没有人表示是半圈,但不知道有没有好好地看穿。因为有些地方不太可靠识破技能。 |
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たぶん、見極めポイントを俺が理解していれば、かなり正確に判定してくれるとは思うのだが。 |
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我想大概,如果我理解了看清重点的话,一定会做出相当正确的判断。 |
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「そうですね。エルフや獣人の貴族はそれなりにいますよ。ドワーフは少なめですね。貴族の地位に、あまり興味が無いようで」 |
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“是啊。精灵和兽人的贵族在那里。杜沃夫少一点。好像对贵族的地位没什么兴趣” |
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「割合としては、今この場にいるぐらいですか?」 |
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“从比例上来说,大概现在就在这里吧?” |
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「はい。これぐらいです。もう少し増やすべきと言う声はあるのですが、なかなか……」 |
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“是的。就这些。虽然有人说应该再增加一些,但是……” |
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「それでも、結構、多くいるんですね」 |
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“即便如此,还是有很多啊。” |
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はっきり言って、こちらの世界に来て最も多くの亜人種を見たのが、今この場である。 |
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说白了,来到这个世界上看到最多的亚人种是现在这个地方。 |
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難点は、せっかくの獣人なのに、オッサンがほとんどという事だろうか。地味に毛並みが良いのが、なんとも言えない。 |
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难点是难得的兽人,却几乎都是大叔吧。朴素的毛色很好,怎么也说不出来。 |
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美少女、とは言わないから、美女の獣人とか、もっと多くいても良いのに。 |
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因为不说是美少女,所以像美女兽人之类的,多呆一点也没关系。 |
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もちろん、子供でも可。 |
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当然,小孩子也可以。 |
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そして、子供なら男の子もオッケー。 |
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而且,孩子的话男孩也可以。 |
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エルフ? 男のエルフは、まぁ、美形だな。うん。 |
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精灵?男人的精灵嘛,真是美型啊。嗯。 |
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女のエルフも間違いなく美人なんだが……既にハルカを一年以上、見てきてるしな。 |
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女精灵确实是个美人……已经看了一年多的Haruka了。 |
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「(ナオ、熊もいるみたいね)」 |
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“(娜奥,好像也有熊啊)” |
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「(あぁ。初めて見たな。体格も引っ張られるのか、やっぱ)」 |
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“(啊。第一次看到呢。身体也会被拉扯吗,果然)” |
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ハルカが視線で示した相手は、俺よりも上背があり、横幅は下手をすれば俺三人分ぐらい。 |
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Haruka用视线表示的对象,比我个子高,如果宽度不好的话,大概只有我三个人。 |
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それでいて、決して太っているわけではないのが、逆に怖い。 |
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尽管如此,绝对不是胖,反而很可怕。 |
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――いや、熊とは限らないか? |
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——不,不一定是熊吗? |
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メアリたちが猫か虎か区別が付かなかったように、『熊と狸の耳の違いって何?』と言われても答えられない。 |
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就像玛丽们分不清是猫还是老虎一样,“熊和狸猫的耳朵有什么区别?”即使被说了也回答不出来。 |
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熊と狸なら、尻尾が見えれば区別は付くだろうが、対象のオッサンの尻尾はまったく見えない。 |
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熊和狸猫的话,看到尾巴的话会有区别,但是完全看不到大叔的尾巴。 |
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そもそも俺の知識レベルでは、耳だけで区別が付く動物なんて、ほとんどいないしな。 |
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说起来我的知识水平,几乎没有只靠耳朵就能区分的动物。 |
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犬だってダックスフントのような垂れ耳から、柴犬のピンと立った耳まで様々だし。 |
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就算是狗,从达克斯芬特那样的垂耳到柴犬直立的耳朵也是各种各样的。 |
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トーヤであれば【鑑定】で判るのかもしれないが、俺の【看破】では無理である。 |
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如果是TOYA的话,也许可以通过【鉴定】来判断,但是我的【识破】是不行的。 |
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「あ、そろそろ主役の登場ですよ」 |
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“啊,主角差不多要登场了。” |
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「とうとう、なのね」 |
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“终于,是吧。” |
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主役登場前に、出席者があまり盛り上がっていてもよろしくないというマナーもあるため、これまではのんびりしていられたのだが、ここからはそうはいかない。 |
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在主角登场前,因为有出席者过于热烈也不好的礼仪,所以至今为止都过得很悠闲,但现在开始就不行了。 |
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新郎新婦が入場、全体への挨拶が終わり、夫婦で個別の挨拶回りを始めると、とうとう本番である。 |
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新郎新娘入场,对全体的寒暄结束,夫妇开始个别的寒暄,终于正式开始了。 |
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出席者同士の会話も行われるようになるため、当然、イリアス様に話しかける人も出てくるだろう。 |
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因为出席者之间的对话也开始进行了,当然也有人会和伊利亚斯说话吧。 |
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俺たちは手に持っていたグラスやお皿を傍のテーブルに置き、その時を待つ。 |
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我们把手中的玻璃杯和盘子放在旁边的桌子上,等待那个时候。 |
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「緊張するな」 |
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“不要紧张。” |
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「大丈夫ですよ。……たぶん」 |
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“没关系的。……大概” |
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その“たぶん”が怪しい。 |
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那个“大概”很可疑。 |
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そんな事を思っていると、新郎新婦が広間へと入ってきた。 |
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正想着这件事,新郎新娘就走进了大厅。 |
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俺たちが使った扉とは別の場所。 |
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和我们使用的门是不同的地方。 |
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そこからひときわ豪華なドレスを着た新婦、そしておまけのように、たぶん高そうな礼服を着た新郎が入ってくる。 |
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从那里进来的是穿着特别豪华礼服的新娘,还有穿着昂贵礼服的新郎。 |
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二人は笑顔を浮かべたまま、会場前に設置されている一段高い場所に上がると、こちらに向かって軽く手を挙げた。 |
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两人面带笑容,走上会场前设置的高一级的地方,向这边轻轻举起了手。 |
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それに合わせて拍手を送る俺たち出席者。 |
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我们出席者配合着这个鼓掌。 |
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新郎は二十は超えてそうだが、新婦の方は案外若いな? |
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新郎好像超过了20岁,但是新娘却意外的年轻呢? |
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俺たちと同じぐらいか、少し上? |
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和我们差不多吗,稍微高一点? |
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こちらの人は、俺の感覚からすれば実年齢よりも上に見えがちなので、もしかすると年下かもしれない。 |
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这个人,从我的感觉来看,很容易看上去比实际年龄大,也许比我小。 |
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可愛い系の人なので、正直、俺の趣味からすれば、豪華なドレスよりも、もう少しシンプルな方が似合うと思うのだが、そこはやはり立場的な問題だろうか? |
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因为是可爱系的人,说实话,从我的兴趣来看,比起豪华的裙子,我觉得稍微简单一点的更适合,这果然是立场问题吗? |
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金が掛かっている事だけはよく判るので。 |
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因为我很清楚花了钱。 |
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「本日は、当ダイアス男爵家と――」 |
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“今天是和本戴斯男爵家——” |
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何やら男爵が台の上で挨拶を始めたが、興味ないので聞き流す。 |
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男爵不知为何在台上开始打招呼,但因为不感兴趣就置之不理。 |
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周りの人も半分以上はそんな感じだろうか。 |
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周围的人也有一半以上是这种感觉吧。 |
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もちろん、表面上は友好的な笑みを浮かべて聞いているのだが、大半の人は祝意より、お義理で出席しているみたいだしなぁ。 |
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当然,表面上是带着友好的笑容来听的,但是大部分的人比起祝贺的意思,更像是以义理出席的。 |
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俺としても、ミジャーラのスラムを見た後だと、素直に結婚を祝うのも難しいというか……。 |
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就算是我,在看了米吉拉的贫民窟之后,坦率地庆祝结婚也很难……。 |
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この町に住んでいる人はそれなりに幸せそうな事も、余計に複雑な気持ちにさせる。 |
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住在这个城市的人即使是看起来很幸福的事情,也会让人有更加复杂的心情。 |
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しばらくの間、退屈な話を聞かされた後は、新郎新婦が台を降りて、出席者に挨拶回りを始める。 |
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听了一会儿无聊的话后,新郎新娘从台上下来,开始向出席者打招呼。 |
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基本的な順番は爵位の高い順で、同等であれば重要度や地理的な要因などを考慮した順。 |
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基本顺序是爵位的高低顺序,同等的话是考虑了重要度和地理因素等的顺序。 |
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イリアス様は後半なので、今しばらくは余裕があるのだが、代わりに寄ってくるのは別の貴族である。 |
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伊利亚斯大人在后半段,所以现在暂时还很宽裕,但是取而代之的是别的贵族。 |
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挨拶が終わると同時に、俺たちは新たなグラスとお皿を手に取ったので、すぐには寄ってこないだろうが、このままでは済まないのが辛いところである。 |
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在问候结束的同时,我们又拿起了新的玻璃杯和盘子,虽然不会马上过来,但是这样下去的话就很痛苦了。 |
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