223 牛乳を売る……準備 223卖牛奶……准备 あれから少し話し合った結果、メアリとミーティアに与える防具は、一般的なソフトレザーの鎧に決まった。 从那之后稍微商量了一下,给玛丽和米蒂亚的防具决定了一般的软皮革铠甲。 ガンツさんの店で2人分、採寸して注文したところ、まとめて金貨30枚となった。 在GANTZ的店里点了两人份的尺寸,一共是30枚金币。 その値段でもメアリたちは、あわあわしていたが、まぁ、このくらいは良いだろう。 即使是那个价格,玛丽们也很合适,不过,这样也不错吧。 ミーティアたちのお小遣いでは手が届かなくても、駆け出しの冒険者がちょっと頑張れば何とかなるレベルだし、このぐらいの防具があれば、雑魚相手の戦いで、いきなり致命傷を負うことも無いだろう。 就算米蒂亚他们的零用钱买不到,但新手冒险家只要稍微努力一下就可以解决问题,如果有这样的防具的话,在和杂鱼的战斗中也不会突然受到致命伤。 さすがに俺たちみたいに、ただの服で戦わせるわけにはいかないからな。 毕竟不能像我们那样,只穿普通的衣服战斗啊。 鎧の注文が終わった後は、メアリとミーティアは家に帰らせ、俺たちはディオラさんに相談するため、冒険者ギルドへ向かった。 铠甲的订购结束后,玛丽和米蒂亚让她回家,我们为了和迪奥拉商量,去了冒险者行会。 「ディオラさん、ちょっと相談があるんだけど」 “迪奥拉先生,我有点事想跟你商量。” 「ははは……ハルカさんたちにそう言われると、ちょっと身構えてしまいますね~。まぁ、取りあえずあちらの部屋へ」 “哈哈哈……被Haruka他们这么说的话,稍微有点装腔作势了呢~。嘛,先去那边的房间吧” これまでも何度も相談を持ちかけ、中にはちょっと面倒なこともあったせいか、少し笑顔が引きつっているようにも見えるディオラさん。 到现在为止也多次提出商量,可能是因为其中也有一些麻烦的事情,迪奥拉先生看起来笑容有些紧张。 それでも無下にすることなく、俺たちを別の部屋へと案内してくれた。 尽管如此,他还是毫不气馁地把我们带到了别的房间。 そこにあったテーブルの周りに全員が腰掛けたところで、俺がマジックバッグからお裾分け兼、相談料を取り出す。 在那里的桌子周围全体人员坐着的时候,我从魔术包里拿出分下摆兼商谈费。 「こちら、相談料です。お納めください」 “这里是咨询费。请您收下” 「わっ、良いんですか? これは梨――シアスペアですよね? 高かったでしょう?」 “哇,可以吗?这是梨——雪碧吧?很贵吧?” 梨を3つほどテーブルに並べ、ずずいっとディオラさんの方へ滑らすと、ディオラさんは嬉しそうにそれを手に取った。 把三个梨摆在桌子上,不一会儿就滑到了迪奥拉那一边,迪奥拉很高兴地拿起了。 ちなみに、『シアスペア』というのは梨の品種のことで、日本で言うなら、『幸水』とか『二十世紀』とかと言うのと同じである。 顺便说一句,“希腊斯备用”指的是梨子的品种,在日本说的话,和“幸水”、“二十世纪”是一样的。 調べてみたところ、シアスペアは梨の中では美味しい品種らしく、ディオラさんが言うとおり、買えば結構高いらしい。 我查了一下,西兰花在梨里好像是很好吃的品种,正如迪奥拉所说,买的话好像很贵。 ダンジョンで得られた他の果実に関しても同様で、品種改良もされていないのに俺たちが美味しいと感じる時点で、正確な値段は判らずとも、その大半がかなり高級品であるのは当然と言えば当然だろう。 在地牢里得到的其他水果也一样,虽然还没有进行品种改良,但是我们觉得好吃的时候,即使不知道正确的价格,大部分都是高级品也是理所当然的吧。 「いえ、買ったわけじゃないので……相場としては、いくらぐらいなのですか?」 “不,我不是买的……市价大概是多少?” 「産地だと100レアぐらいで買えるみたいですが、ピニングだと安くても300レアはしますよ? ラファンなら、普通は入荷しませんね。そもそも今はちょっと時季外れですし」 “产地的话好像能买100珍稀左右,但是比宁的话就算便宜也要300珍稀哦?拉风机的话,一般不进货。说起来现在有点不合季节” ちなみにこの世界、マジックバッグがあるので、金さえ出せば旬の時期以外でも農作物が手に入る。 顺便说一下,这个世界上有个魔术包,只要有钱,除了旺季以外,农作物也能买到。 ある意味では、日本よりも保存技術が進んでいるとも言えるが、それにかかるコストは決して安くない。 从某种意义上来说,可以说保存技术比日本先进,但是所花的成本绝对不便宜。 保存のためにマジックバッグを占有してしまうので、運搬など他の用途に使えなくなるし、その稀少性は業務用冷蔵倉庫などとは全く異なる。 因为为了保存而占用了魔术包,所以不能用于搬运等其他用途,其稀少性和业务用冷藏库等完全不同。 他の用途で使った時よりも多く稼げなければ、保存のためには使わないわけで、保存された物に上乗せされる額はかなりの物になる。 如果比其他用途使用的时候赚不多的话,就不会为了保存而使用,所以放在保存的东西上的金额相当大。 正に『金さえ出せば』で、普通は買えない。 正是“只要付钱”,一般买不到。 「どこか遠くに行ったお土産かと思ったんですが、つまりこれはダンジョン産、ですか?」 “我以为是去了很远的地方的特产,也就是说这是地牢产的吗?” 「はい」 “是的。” 「これを売りたいと?」 “你想卖这个吗?” 解りました、とばかりに頷くディオラさんに、俺たちは慌てて首を振った。 我明白了,迪奥拉像是在点头,我们急忙摇了摇头。 「あ、いえ。これは自分たち用です。売る予定はありませんよ?」 「啊,不。这是我们自己用的。没有卖的计划哦?” 「あらら。そうなんですか? 結構高く売れますよ? もし、時期に関係なく採れるとすれば……うん、ディンドルに近いお値段にはなるでしょうね」 「哎呀。是吗?卖得很贵哦?如果,不管什么时候都能买到的话……嗯,价格应该很接近拉丁美元吧” 「そう言われると、ちょっと魅力的……あ、いやいや、売りません。ディオラさんにはお裾分けしますけど」 “这么说的话,有点魅力……啊,不,不卖。我把裤脚分给迪奥拉先生” それは少し魅力的なお話ではあるが、俺たちがこれを売らないと決めたのには理由がある。 这是一个有点魅力的故事,但我们决定不卖这个是有理由的。 それは、数日でまた搾れるようになるストライク・オックスと比べ、果物は一度収穫してしまうと、不自然に復活したりはしないという事。 那就是,和几天就可以榨的好球·牛克斯相比,水果一旦收获,就不会不自然地复活。 ディオラさんの言うとおり、時期に関係なく順次収穫できそうではあるが、残念ながら一度に取れる量には限りがある。 正如迪奥拉所说的那样,虽然与时期无关,可以顺次收获,但遗憾的是一次收获的量有限。 何というか、今は俺たちしか入っていないから問題は無いが、何組もの冒険者が入るようになると、食べ頃になる前に収穫されてしまいそうな感じである。 怎么说呢,现在只有我们在里面所以没什么问题,但是如果加入了好几组冒险者的话,在吃的时候之前就会有收获的感觉。 まぁ、簡単に言えば、あまり人に知られたくないのだ。 嘛,简单来说,我不太想被人知道。 「なるほど。了解です。お任せください」 “原来如此。明白了。交给我吧” 「ありがとうございます。これ、お裾分け・・・・です」 “谢谢。这个是分开下摆…” 今度、ポンポンポンと並べたのは、リンゴが3つ。 这次和砰砰砰并列的是3个苹果。 それも、ずずいっとディオラさんの方へ。 那也是,一直朝着迪奥拉先生的方向。 「ありがとうございます。お裾分け、ですね?」 “谢谢。分开下摆是吧?” 「はい」 “是的。” そう、これはお裾分けで、決して口止め料とか、賄賂とかではないのだ。 是的,这是分送裤脚的,绝对不是堵嘴费、贿赂之类的。 全く問題は無い。 完全没有问题。 「本命はこっちなの。飲んでみてくれるかしら?」 “本命在这里。能喝一杯吗?” ハルカが取りだしたのはストライク・オックスのミルク。 Haruka拿出的是好球·牛克斯的牛奶。 それをコップに入れて、ディオラさんの前に。 把它放进杯子里,放在迪奥拉先生的面前。 そのミルクを見て、ディオラさんは曖昧な笑みを浮かべて少し身体を引く。 看着那牛奶,迪奥拉露出了暧昧的笑容,身体稍稍有些拉紧。 「私、山羊のミルクはあまり得意じゃないんですが……」 “我不太擅长山羊牛奶……” 「安心して。山羊じゃないから」 “放心吧。不是山羊” 「山羊じゃない……?」 “不是山羊……?” ディオラさんはハルカの言葉に、不思議そうな表情でコップに鼻を近づけ、その匂いを嗅ぎ、ハッとしたように目を見開いた。 迪奥拉听了Haruka的话,表情很不可思议地把鼻子靠近杯子,闻了闻那个味道,像是吓了一跳似地睁开了眼睛。 「これって、もしかして……」 “这个,难道……” そのままコップを手に取って一口飲み、ディオラさんは声を上げた。 就这样拿着杯子喝了一口,迪奥拉提高了声音。 「これって、ストライク・オックスのミルクじゃないですか!? しかも、すごく美味しいです。嫌な臭いも無いですし……」 “这不是好球牛乳吗!?而且非常好吃。也没有讨厌的味道……” 「はい。よく判りましたね?」 “是的。你很明白吧?” 「え、えぇ、まぁ……」 “嗯,呃,嘛……” ストライク・オックスのミルクはなかなかに高いはずだが、さすが冒険者ギルドの副支部長。ある程度お金は持っているらしい。 好球·牛克斯的牛奶应该相当高,不过,不愧是冒险者行会的副支部长。好像有一定程度的钱。 まぁ、多少の割引価格とはいえ、高級果実のディンドルを買うような人だからなぁ。 嘛,虽说多少有点折扣价格,但毕竟是买高级水果的小圆的人啊。 「どうされたんですか、これ。どこかで買った、わけじゃないですよね?」 “这是怎么回事。不是在哪里买的吧?” 「えぇ。ダンジョンで見つけた物よ。売りたいんだけど、どう思うかしら?」 “诶。在地牢里发现的东西。我想卖,你觉得怎么样?” 「ストライク・オックス、この周辺には生息していませんから、それなりのお値段で買い取りますよ」 “好球·牛克斯,因为它不生活在这附近,所以会以相应的价格买下。” 「それはありがたいわね。ただ、容器の方が……」 “那太好了。只是,容器……” 「なるほど。瓶ですね。ご希望なら、こちらで工房に発注して用意しましょう」 “原来如此。是瓶子吧。如果您需要的话,我们就向工房订购并准备吧” さすがディオラさん。話が早い。 不愧是迪奥拉。话说得快。 「良いの? 手間が掛かると思うけど」 “可以吗?我觉得会花点时间” 「これが手に入るなら、大した手間でもありません。普通の冒険者だと、運搬の利便性から革袋を使うので、臭いが付いたりするのですが、これにはそれが全くありません。高品質です。やはり、マジックバッグは素晴らしいですね」 “如果能买到这个的话,也不是什么大不了的麻烦。如果是普通的冒险者,因为搬运的便利性会使用皮袋,所以会有臭味,但是这个完全没有。品质很好。果然,魔术包很棒呢” 牛乳に臭いが付かないようなガラスや陶器の瓶は割れやすく、そんな物を冒険に持っていくのは少々非現実的。 不让牛奶沾上臭味的玻璃和陶器的瓶子容易碎,带那种东西去冒险有点不现实。 その上、上手いことストライク・オックスからミルクを搾ったとしても、それを持ち帰るための時間が必要になる。 而且,即使很好地从好球·牛克斯榨取了牛奶,也需要带回去的时间。 早くても常温で1日ほど、下手をすれば数日。 最快也要常温1天左右,弄不好要几天。 生乳の扱いとしてはかなりヤバいだろう。 作为生奶的处理相当危险吧。 その点、マジックバッグを使えば両方を解決できる。 在这一点上,如果使用魔术包的话,双方都能解决。 つまり、搾りたてで、臭いの付いていない高級牛乳。 也就是说,挤出来的,没有臭味的高级牛奶。 かなり価値は高いだろう。 价值相当高吧。 更に言えば、ハルカにかかれば冷却に殺菌まで可能なわけで。 更进一步说,如果牵扯到Haruka的话,冷却杀菌也是可能的。 ノンホモ低温殺菌牛乳なんて目じゃないね。 低温杀菌牛奶不是眼睛。 「後は、いくらで買い取るか、ですが……どうしましょうか?」 “还有,要花多少钱买呢……怎么办呢?” 「決まってるんじゃないの?」 “不是已经决定了吗?” 「標準的な価格はありますけど、これにそれを当てはめるのはさすがに問題がありますから。どのぐらいの量を売るのか、今後も供給されるのかなど、それらを総合的に考えて買い取り価格を決めたいですね」 “虽然有标准的价格,但是把它适用于这个确实有问题。卖多少量,今后还会供应等,我想综合考虑这些来决定收购价格” 規則通りなら、標準的な価格で安く買い叩き、高く売ればギルドが儲かるわけだが、ディオラさんとしては、さすがにそれは不義理、という事なのだろう。 如果按照规则的话,用标准价格低价买入,高价卖出的话行会赚钱,但是作为迪奥拉来说,这果然是不合理的吧。 「ちなみに、高く売るとすれば?」 “顺便说一下,如果卖得贵的话呢?” 「これなら、その瓶1本で金貨40枚ぐらいは出しますね、貴族なら」 “这样的话,一瓶就可以拿出40枚金币,如果是贵族的话。” 「ホントに? さすが貴族、半端ないわね」 “真的吗?不愧是贵族,真是不折不扣啊” コップ1杯2~3万円の牛乳……高すぎねぇ? 一杯2~3万日元的牛奶……太贵了吧? ――しかしよく考えたら、お店で売っているワインでも、高い物ならそれぐらい(1本10万円以上)する物はある。 ——但是仔细想想,即使是店里卖的葡萄酒,贵的也有(1瓶10万日元以上)的。 それを思えば、飲み物として異常に高すぎる、というわけでもない? 这么想的话,作为饮料也不是太贵了吗? 俺にはとても飲めなかった――そもそも未成年だったし――値段の飲み物ではあるが。 我怎么也喝不下去——原本是未成年人——虽然是价格昂贵的饮料。 「伯爵なら簡単に、子爵家でも少し裕福な家であれば、問題なく買いますよ、このくらいなら」 “如果是伯爵的话就很简单了,如果是子爵家也稍微富裕一点的话,就没问题地买了,这样的话。” 「ネーナス子爵は?」 “娜娜斯子爵呢?” 「あ~……あそこは買わないでしょうね、あまり余裕がありませんから」 “啊~……那里不买吧,没什么富余的。” 少し困ったような表情で笑みを浮かべ、ディオラさんは首を振る。 迪奥拉带着有些为难的表情笑着,摇着头。 確かに、先日ケルグで起こった争乱のこともある。美食に金を浪費している場合ではないだろう。 确实,也有前几天在科尔格发生的战乱。不是在美食上浪费金钱的时候吧。 「ただし、高く売る場合には多少問題もあります」 “但是,高价出售的话多少有点问题。” そう言ってディオラさんは、いくつかの問題点を挙げる。 这样说着,迪奥拉列举了几个问题点。 まずは販売先。 首先是销售方。 高く売ることが出来るとは言っても、その販売先には限りがある。 虽然说可以高价出售,但是那个销售商有限。 そのため、希望する量を買い取れるかどうかは判らないという事。 因此,不知道能不能买到希望的量。 もう1つは、高く売れるとなった場合、一攫千金を夢みて、避暑のダンジョンに入る冒険者が増えるという可能性。 另一个是,如果卖得很高的话,梦想着一大把千金,进入避暑地牢的冒险者会增加。 あそこのダンジョンに到達するには、それなりの腕が必要になるし、ストライク・オックスからミルクを搾る困難さ、更にマジックバッグ無しには運搬や保存が難しい点など、普通に考えればマネをしようなんて思わないのだろう。 要到达那里的地牢,就需要相应的技术,从好球·牛克斯榨取牛奶的困难,再加上如果没有魔术包的话,搬运和保存都很困难等,一般来说是不会去想模仿的吧。 だが、大金には無謀な挑戦に走らせる力がある。 但是,巨款有着鲁莽挑战的力量。 冒険者ギルドとしては無駄に死亡者が増えるのも困るし、俺たちからすれば、万が一ダンジョンに入ってこられて、先ほどディオラさんとの間で合意に至った、果物に関するなんやかやがダメになるのも悲しい。 作为冒险者行会的话,白白增加死亡者也很困扰,在我们看来,万一进了地牢,刚才和迪奥拉先生达成了一致,和水果相关的东西变得不行也很悲伤。 「安く売るなら?」 “如果卖得便宜的话?” 「えーっと、最低でも金貨5枚以上でしょうか。他への影響を考えるなら、10枚ぐらいにはして欲しいですね」 “嗯,至少5枚金币以上吧。如果考虑到对其他的影响的话,希望能做成10张左右” 一般的なギルドでの買い取り価格の範囲。 一般行会的买入价格范围。 その上限が金貨5枚ぐらい。 上限是5枚金币左右。 俺たちの牛乳はそれよりも明らかに品質が高いため、同レベルの価格だと色々と面倒らしい。 因为我们的牛奶品质明显比那个高,所以如果是同级别的价格的话会很麻烦。 当然と言えば当然か。 说是当然的吗。 高級肉と安物の肉が同じ値段で売っていたら、安物の肉は売れ残るか、値下げを要求されるに決まっている。 如果高级肉和便宜货的肉以同样的价格卖的话,便宜货的肉会卖剩下,或者会要求降价。 マジックバッグの数が限られるため、影響があるのは基本的に近場に限られるのだが、あまりに差が大きいと、マジックバッグ持ちの商人がやって来て買い占めてしまう、などという事もあり得るようだ。 因为魔术包的数量有限,所以受影响的基本上只限于近场,但是差太大的话,可能会有拿着魔术包的商人来抢购。 「なるほどね。じゃあ仮に金貨10枚として、どのくらいまでなら捌ける?」 “原来如此。那么假设10枚金币,能卖到多少?” 「そうですね……月に100本までは問題ないと思います。状況次第でもっと売れるようになる可能性はありますが、今のところは」 “是啊……我觉得一个月100瓶是没问题的。根据情况,有可能会卖得更好,但现在呢” 100本。ストライク・オックス30頭あまりか。 一百瓶。好球·奥克斯30头多吗。 1日で集められる量だな。 1天能收集到的量啊。 行き帰りの時間を無視すれば、1日で金貨千枚。1人あたり200枚。 如果无视往返的时间的话,一天就能得到一千枚金币。每人200张。 往復の時間を入れても、50枚ぐらいにはなるか? 加上往返的时间,也就是50张左右吗? うん、悪くない。 嗯,不错。 それに、俺たちとしても他の冒険者がダンジョンにくるのを阻止……までは行かずとも、可能性が下がる方が都合が良い。 而且,我们也阻止其他的冒险者来地下城……即使不去,可能性降低比较好。 「良いんじゃないか? そのぐらいなら負担にならないし、利益としても十分だろ」 “不是挺好的吗?那样的话就不会成为负担,作为利益也足够了吧” 「そうね。それじゃ、ディオラさん、それでお願い」 “是啊。那么,迪奥拉,就拜托你了” 「判りました。瓶の方、手配しておきます」 “我明白了。我会安排好瓶子的” 「後は魔石と……これもあったわね」 “之后是魔石……这个也有啊。” ハルカが取りだしたのは、再び牛乳瓶。 Haruka又拿出了牛奶瓶。 但し、その中身はレッド・ストライク・オックスのミルクである。 但是,里面是红·好球·牛克斯的牛奶。 俺たちにはあまり評価の高くなかった牛乳だが、トーヤ曰く、価値は高いらしい。 虽然牛奶对我们的评价不高,但托亚说它的价值很高。 とは言え、普通に考えれば普通のストライク・オックスのミルクとパイを奪い合うことになるわけで、苦労してあえてこちらを採取するほどの価値があるのかどうか……。 话虽如此,一般来说,这是为了争夺普通的好球·牛克斯的牛奶和馅饼,是否值得辛苦地硬着头皮采这个呢……。 「えっと、これは? 先ほどのミルクとは違うのですか?」 “呃,这个呢?和刚才的牛奶不一样吗?” ハルカがなぜ再び牛乳瓶を取り出したのか理解できない様子で、ディオラさんが首を捻る。 迪奥拉似乎无法理解Haruka为什么再次拿出牛奶瓶,于是扭头。 よく見比べれば違いが分かるのだろうが、俺の作っている瓶は似非ガラス瓶なので、あまり透明度は高くない。 仔细一看就知道区别了,但是我做的瓶子是伪玻璃瓶,透明度不高。 もっと上達すれば綺麗な石英ガラスが作れるのかもしれないが、実用上は問題ないし、それを目指すと魔力がガリガリと減っていくので、大量生産など到底無理。 如果再进步一点的话,也许可以制作出漂亮的石英玻璃,但是实用上没有问题,以那个为目标的话,魔力就会一下子减少,所以大量生产是无论如何也做不到的。 以前トライしたときは、グラス1つ作るだけでしばらく動けなくなってしまったほどである。 以前试过的时候,只做一个玻璃杯,一会儿就不能动了。 エルフの俺でそれなのだから、魔法使いがガラス工房の代わりを務めるというのは、あまり現実的では無さそうである。 妖精的我就是这样,魔法使代替玻璃工房似乎不太现实。 「瓶に入っていると判りにくけど、これ、レッド・ストライク・オックスのミルク」 “虽然很难判断是装在瓶子里,但是这个是红・好球・牛克斯的牛奶。” 「なんっ――!? ちょ、ちょっと待ってください」 “什么……”!?等一下” 声を上げかけたディオラさんは、慌てて自分の口を押さえ、気持ちを落ち着かせるように深呼吸を繰り返す。 发出声音的迪奥拉慌忙捂住自己的嘴,反复深呼吸让心情平静下来。 「失礼しました。――えっと、本当ですか?」 “对不起。——嗯,真的吗?” ディオラさんは、少し疑わしそうに瓶を眺める。 迪奥拉先生有些疑惑地眺望着瓶子。 まぁ、そのままだと判りにくいか。 嘛,这样的话很难判断吗。 「飲んでみますか? コップに入れれば色の違いが分かりますよ?」 “要喝吗?放进杯子里就能知道颜色的不同了吧?” 「いえいえいえ! 結構です! そんな高い物は!」 “不不不不不不不不不不不!”!可以!那么贵的东西!” 「……やっぱり、高いんですか?」 “……果然很贵吗?” 「えぇ、そりゃあ、もう! 普通の物と比べて、搾乳の難易度も全然違いますから」 「啊,那就,已经!和普通的东西相比,挤奶的难易度也完全不同” レッド・ストライク・オックスからミルクを搾るときに問題になるのは、その力は勿論として、一番のネックはやはりブレスだろう。 从红·好球·牛克斯榨取牛奶的时候成为问题,那个力量自不必说,最大的瓶颈还是手镯吧。 魔法の補助が無ければ、正面に立って押さえつけることができないのだから、それだけでも一気に難易度が上がる。 如果没有魔法的补助的话,就不能站在正面压制,光是这样就一下子提高了难度。 それに対応できるような冒険者であれば当然、普段の稼ぎも多く、つまりは時給が高い。 如果是能应对这些的冒险者的话,当然平时赚的钱也很多,也就是说时薪很高。 俺たちは魔法を上手く使って多少楽をしているが、忘れがちだが魔法使いというのはかなり希少な存在なのだ。そう簡単に、それも複数用意できるはずも無い。 我们使用魔法多少会有点轻松,但魔法使是非常稀少的存在。不可能那么简单就能准备好几个那个。 そんなわけで、レッド・ストライク・オックスのミルクの採取にかかるコストはかなり高くなってしまうのだ。 因此,红·好球·牛克斯的牛奶采集所花费的成本变得相当高。 「あとは、その効果ですよね。貴族の方にはとても人気がありますから」 “还有就是这个效果了。因为在贵族中很受欢迎” 「効果?」 “效果?” 「あ、ご存じありませんか? そうですか……」 “啊,你不知道吗?是吗……” ディオラさんは少し意外そうに目を瞬しばたたかせた後、少し言いづらそうに言葉を濁す。 迪奥拉先生有些意外地眨了一下眼睛,然后略显难以启齿地含糊其辞。 「えっと、何か問題があるの?」 “呃,有什么问题吗?” 「問題は、別に無いですよ? ただ、その……元気になるんです。これを飲むと。まるで荒ぶる牛のように」 “没什么问题?只是,那个……会变得精神。喝了这个的话。简直就像牛一样” 「…………あぁ。なるほどね。本当に効果あるの? 私たちも飲んでみたけど、別に」 “……啊。原来如此啊。真的有效果吗?我们也喝过,没什么” 「皆さんは若いですからね。それに、ハルカさんは女性ですし」 “大家都很年轻呢。而且,Haruka是女性” ん? 『女性ですし』? つまり、『男性が元気になる』? 嗯我是女性”?也就是说,“男性会变得精神”? ……あ、そっちか。元気になるって。いわゆる精力剤的に。 ……啊,是那边吗。说要打起精神。也就是所谓的精力剂。 ディオラさんが言いにくいのも理解できた。 我也理解了迪奥拉很难开口。 「やっぱりそう言うのって売れるんだな?」 “果然这样说很畅销啊?” 「はい。やはり、貴族は如何に子供を残すか、というところがありますから」 “是的。果然,贵族会如何留下孩子呢?” 少し感心したような表情でそんな事を言うトーヤに、ディオラさんも苦笑して頷く。 Toya带着一点佩服的表情说了这样的话,迪奥拉也苦笑着点了点头。 恐らく、科学的な意味での不妊治療なんて無いだろうし、家の存続が掛かる貴族としては、そっち方面もそれなりに切実なのかもしれない。 恐怕没有科学意义上的不孕症治疗,作为家里关系存续的贵族,这方面可能也是切肤之痛。 「それで、いくらぐらいなの?」 “那要多少钱?” 「売れる数は限られますが、少なくとも10倍は堅いですね」 “虽然能卖的数量有限,但至少能卖10倍。” 「そんなに!?」 “那么简单的结局?” 俺からすれば、『たかが精力剤に』と思わなくもないが、バイ○グラが人気だったことを考えると、必要な人にはやはり必要なのだろうか。 在我看来,也不是不能不认为只是“充其量的精力剂”,但是考虑到贝拉很受欢迎,对于必要的人来说还是必要的吧。 だがそれにしても、結婚の早いこの世界での不妊は、立つ、立たない以前の問題があると思うのだが……もしかすると、単なる精力剤以上の効果があるのだろうか? 但是即便如此,我觉得在这个结婚早的世界里不孕,存在着站不起来之前的问题……或许,这比单纯的精力剂更有效果吗? であるならば、少しは理解できる。 如果是这样的话,稍微能理解一点。 日本でも、不妊治療に大金を投じる人はいるのだから。 在日本,也有人在不孕治疗上投入巨资。 俺の親戚も普通の治療の他に、よく判らないサプリやら、健康食品やら、水やらにお金を使っていたし……これは効果があるのだろうか? 我的亲戚除了普通的治疗以外,还用不太清楚的营养补助食品、健康食品、水等……这个有效果吗? プラセボ的な物ではなく。 不是安慰剂性的东西。 「えっと、ディオラさん、これって本当に効果があるんですか?」 “呃,迪奥拉,这个真的有效果吗?” 「……ナオさん、その……機能に不安が?」 “……娜奥,那个……功能有点不安吗?” 「ありません! そうじゃなくて……できても、デキるとは限らないじゃないですか」 “没有!不是那样的……就算会了,也不一定能胜任不是吗?” ディオラさんに『その歳で……?』みたいな視線を向けられたので、強く否定しつつ、疑問に思ったことを聞く。 我问迪奥拉“那个年纪……?”这样的视线,强烈否定的同时,也询问了自己的疑问。 少しぼかした言い方ではあったが、ディオラさんは理解したらしく、軽く頷いて答える。 虽然是有点模糊的说法,但迪奥拉好像理解了,轻轻点头回答。 「さすがに百発百中とはいきませんが、効果を感じられるぐらいには違いがあるようですよ? ただ、ある程度の期間、飲み続けないとダメらしいので、かなりお金が掛かりますけど」 “虽然不能说是百发百中,但是感觉到效果还是有区别的?只是,在一定时期内,如果不持续饮用的话就不行,所以要花很多钱” 具体的には、夫婦共に最低でも1カ月。 具体来说,夫妇两人最少也要1个月。 貴族にとってみれば、それで跡継ぎが出来るなら安い物なのかもしれないが……家が建つな。 对于贵族来说,如果能继承下来的话,也许是便宜的东西……不要盖房子。 レッド・ストライク・オックスからミルクを搾るのはちょっと大変だが、それだけの価値はあるかもしれない。 从红·好球·牛克斯挤出牛奶有点难,不过,也许有只那个价值。 「うちのギルドとしては、是非販売して欲しいですね。頻繁に売れるものではありませんが、貴族相手の切り札、とまでは言わずとも、手札にはなりますので」 “作为我们的行会,请一定要销售。虽然不是能频繁卖出的东西,但就算不说是贵族对手的王牌,也是手牌” ギルドの庇護下にある俺たちとしては、ギルドにある程度の力があることは重要だし、高く売れるのだから拒否する理由も無い。 对于在行会的庇护下的我们来说,行会有一定程度的力量是很重要的,因为卖得很高所以没有拒绝的理由。 「わかりました。それではある程度の量、確保しておきます」 “我知道了。那么,我会确保一定量的” 「はい。よろしくお願いします」 “是的。请多关照” 頷いて採取を約束した俺に、ディオラさんは笑みを浮かべて頭を下げた。 迪奥拉微笑着向点头答应采集的我低头。