# 247 クレヴィリー (6) 247克里维里(6) 「ま、言ってても仕方ないから、やっていきましょ。小粒から順に炊いていけば、ほどよく時間も経つでしょ」 “嘛,说了也没办法,就做下去吧。从小粒开始按顺序煮的话,时间也会越长吧” 「はい。まずは洗って、浸水させておきましょう」 “是的。先洗一下,让它浸水吧” ここは高級宿だけあり、お付きの人向けと思われるこの部屋にも、簡単な台所……とまではいかないが、給湯室的な物が付属しているのだ。 这里只有高级旅馆,即使是面向随从人员的房间,也不能说是简单的厨房……,但是附带了热水室之类的东西。 俺も手伝い、そこでボールを使って、ちゃっちゃと米を洗う。 我也帮忙,在那里用球,哗啦哗啦地洗米。 ちなみに、使っているボールはトーヤ作である。 顺便说一下,使用的球是火炬制作的。 理由は単純。 理由很简单。 白鉄製のボールなんぞ、普通の店には売ってないから。高すぎて。 白铁球什么的,一般店里是不卖的。太贵了。 「なかなか綺麗にならないな?」 “怎么也不漂亮啊?” 「無洗米ほどじゃなくても、普段買うような市販の米はあまり糠が残ってないからね」 “即使没有洗米那么多,平时买的市面上卖的米也没有剩下多少米糠。” 「これは精米の仕方が雑ですからね。糠臭いと美味しくないですから、綺麗に洗ってくださいね」 “这是因为精米的做法很粗糙。米糠味的话不好吃,请洗干净” 「了解。……ちなみにこれ、『浄化』だと?」 “明白。……顺便说一下,这是‘净化’吗?” 「無理ね。食べ物は、ほぼ無理」 “不行啊。食物基本上不行” 色々便利な『浄化』ではあるが、“野菜に土が付いている”とかなら効果があるのだが、“魚から血抜きをする”とか“果物から皮だけを取り除く”みたいな事はできない。 虽然有各种各样便利的“净化”,但是如果说“蔬菜上沾了土”的话,就有效果了,但是不能做“从鱼上除去血”或者“从水果里只除去皮”这样的事。 それができるなら精米も容易なのだが、そこまで便利ではないのだ。 如果能做到这一点,精米也就容易了,但并不是那么方便。 だが、“服に付いた果物の汁や血液”、“皮膚に付いた自分の血”などには効果があるので、不思議と言えば不思議なのだが……魔法だしな。 但是,对“衣服上沾的水果汁和血液”、“沾在皮肤上的自己的血”等有效果,说不可思议的话是不可思议……不过是魔法。 「まぁ、お米を洗うぐらいは自分でしませんと。手料理なんですから」 “嘛,洗米这种事自己不做的话。因为是自己做的菜” 「そういう考え方もあるな」 “也有这种想法啊。” 俺としては、美味いなら別に無洗米でも、レンジでチンするサ○ウのご飯でも……いや、サ○ウのご飯は無しだな。 对我来说,如果好吃的话,不管是无洗米还是微波炉加热的米饭……不,没有萨○ウ的饭。 家で食事するなら、ご飯ぐらいは炊飯器で炊きたい。 如果在家吃饭的话,至少想用电饭锅做饭。 冷凍ご飯のレンチンは可。 冷冻饭的柠檬可以。 浸水に一時間ほど時間を取り、小粒の米から炊飯を始める。 在水里泡一个小时左右,从小粒米开始做饭。 もちろん小粒とは言っても、四種類の中では、というだけである。 当然,虽说是小粒,但也只是在四种中。 「炊飯時間に悩みますね。お水の量は、同じぐらいで大丈夫だと思いますが……」 “为做饭时间而烦恼呢。我觉得水的量差不多就可以了……” 「浸水さえできていれば、あまり気にする必要は無いんじゃない? そのへんはナツキの勘に任せるわ」 “只要有浸水,就没必要太在意了吧?这一点就交给我大枣的直觉了」 「責任重大ですね……失敗したら、次はハルカですからね?」 “责任重大啊……失败的话,接下来就是Haruka了吧?” 「……大丈夫。ナツキならできるわ!」 “……没关系。如果是枣的话就可以啦!” ジト目を向けられたハルカは、一瞬沈黙し、精米作業の大変さを思い浮かべたのか、良い笑顔でナツキの肩をポンと叩く。 被吉特盯上的春香,一瞬间沉默了下来,也许是想起了精米作业的辛苦,用灿烂的笑容拍着夏树的肩膀。 「まぁ、頑張ってみますけど……」 “嘛,我会努力的……” やや不安そうに調理を始め、三〇分ほど後。 稍稍有些不安地开始烹饪,大约三十分钟后。 さすがはナツキと言うべきか、ご飯特有の香りをさせて、しっかりと炊き上がっていた。 果然应该说是枣吧,让饭特有的香味,好好地煮好了。 ふっくらつやつや、『縮尺が微妙に違う?』と感じるだけで、見た目はしっかりと炊きたての白米だった。 胖乎乎的光泽,“缩尺有微妙的不同?”仅仅是这样的感觉,外观上是刚刚煮好的白米。 それをナツキがやや深めの器に盛り、テーブルの上に。 将其盛入稍深的容器中,放在桌子上。 トーヤとユキが早速スプーンを伸ばす。 Toya和yuki立刻伸出勺子。 「それじゃ、食べてみようぜ!」 “那就尝尝吧!” 「うん。見た目は美味しそうだよね」 “嗯。看起来很好吃呢” ということで、取りあえず食べてみた。 因此,先吃了一下。 味は間違いなく白米。 味道绝对是白米。 咀嚼した時の甘みが少なめで、ちょっと安めのお米っぽい味だが、十分に食べられる。 咀嚼时的甜味比较少,虽然有点像便宜的米的味道,但是可以吃得很饱。 ただ、一粒一粒が大きいので歯応えに違いがあり、少し気になるが……許容範囲か。 只是,因为一粒一粒地大,所以口感有差异,有点在意……是允许范围吗。 「問題なく食べられるわね。これなら買い込んでも良いんじゃないかしら?」 “没问题,可以吃。这样的话买进去不是也可以吗?” 「俺も同感。ベストとは言えないが、ベターだろ、これなら」 “我也有同感。虽然不能说是最好的,但是这样的话就更好了” 「メアリちゃんとミーティアちゃんは、どうですか?」 “玛丽和米蒂亚怎么样?” 「ちょっと変わった味ですが……美味しいですよ?」 “味道有点奇怪……很好吃吧?” 「味がしないの!」 “没有味道!” ナツキの問いに、メアリは気を使ったのか、少し疑問形ながら美味しいと答えたのだが、それに対し、ミーティアの感想は正直だった。 对于枣的问题,玛丽可能是顾虑到了,虽然有点疑问,但还是回答说很好吃。 「あぁ、そうですね。これだけだと美味しくは無いですね」 “啊,是啊。只有这些的话就不好吃了” 「パンみたいな、主食だからな」 “像面包一样,因为是主食。” 「納得なの……」 “你能接受吗……” 納得と言いながらも、ミーティアの眉は下がり、耳や尻尾はへにょりと残念そうである。 虽然说通了,但美蒂亚的眉毛却垂了下来,耳朵和尾巴都有些许遗憾。 「ナオ、トーヤ、そろそろお昼だし、広場に行って屋台で適当な物を買ってきて。ご飯のおかずになりそうな物」 「ナオ、トヤ、差不多该吃午饭了,去广场在路边摊买些合适的东西。可能会成为米饭的菜” 「らじゃ」 “我们” ハルカの言葉に俺たちが腰を上げると、それと同時にミーティアが、素早くシュバッと手を挙げた。 我们坐在Haruka的话上,与此同时Metia迅速地举起了手。 「ミーも行きたい!」 “我也想去!” 「それじゃ、ミーティアも連れて行って。メアリはどうする?」 「那么,带我去米蒂亚吧。玛丽怎么办?” ご飯を炊くのを見ていても暇なだけ、とすぐにハルカが許可を出し、メアリの方に視線を向けるが、メアリは僅かに迷ってから首を振った。 看着做饭也只是闲的时间,春香马上拿出许可,把视线转向了玛丽,玛丽稍微犹豫了一下,摇了摇头。 「わ、私は見てます。それ、今後の食事に使うんですよね?」 “哇,我在看。那个是今后吃饭时用的吧?” 屋台よりも、料理の手伝いができるようにならなければ、という意識の方が勝ったようだ。 比起路边摊,如果不能帮忙做饭的话,这种意识似乎更占优势。 行きたいと思っているのは、はっきりしているのだが、まぁ、この町の滞在はまだ四日もある。 我很清楚我想去,不过这个城市还有四天逗留。 また連れて行ってやれば良いだろう。 再带他去就好了吧。 ミーティアの方は――いつの間にやら、部屋の入口でドアノブに手を掛け、足踏みをしながら待っている。 米蒂亚一方——不知什么时候,在房间的入口把手上把手放在手上,一边跺脚一边等着。 俺とトーヤは顔を見合わせて苦笑すると、ミーティアを促して宿を出たのだった。 我和TOYA面对面苦笑着,催促Media离开了旅馆。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 俺たちが宿に戻ってくると、もう一種類の小粒は既に炊き終わり、中粒の米がちょうど炊き上がったところだった。 我们回到旅馆,另一种小粒已经煮熟了,中粒的米刚煮好。 「おかえり~。なんか美味しそうなのあった?」 “你回来啦。有什么好吃的吗?” 「ご飯があるからな。焼き鳥とか買ってきたぞ」 “因为有饭。我买了烤鸡肉串之类的” 串にサイコロ状の鶏肉を刺した、見た目はごく普通の、ただしオーク肉などよりも高価な焼き鳥。 在串上刺了骰子状的鸡肉,看起来很普通,但是比橡皮肉等更贵的烤鸡串。 タレは売ってなかったので、塩だが、それでも白米には合うだろう。 因为没有卖调味汁,所以是盐,但是还是适合白米吧。 更に、つくねを見つけたのでそれも買ってきた。 而且,我找到了个丸子,所以也买了那个。 丸いつくねが刺してあるわけでは無く、少し平たい串に巻き付けた、五平餅みたいなつくねである。 并不是用圆的丸子扎起来的,而是用稍微扁一点的串起来的,像五平饼一样的小圆。 ラファンではミンチを見かける事も無かったのだが、地域によって結構料理も違うものである。 虽然在拉宾没有看到过碎肉,但是根据地域的不同,料理也有很大的不同。 「あと、粉物があったからそれも。ご飯だけじゃ足りねぇからな」 “还有,因为有粉物,所以那个也是。只有米饭是不够的” トーヤが買ってきたのは、薄焼きのパンに野菜や肉を載せて丸めた物。 薄饼买来的是将蔬菜和肉放在薄煎饼上揉成团的东西。 オシャレに言うならタコスというか、ブリトーというか、そんな感じの物。 要说时尚的话,应该说是塔科斯,或者说是布里托,就是这种感觉的东西。 俺からすれば、食事タイプのクレープである。 在我看来,是吃饭类型的可丽饼。 「ミーはこれ買って貰ったの!」 “我买了这个!” ミーティアの方は、スペアリブ。 米蒂亚的是排骨。 でっかい骨が付いた肉が四本。 有四根大骨头的肉。 何の肉かは知らないが香りは良く、その屋台を見つめて動かなくなったミーティアに釣られ、トーヤの足まで止まったので、買い込んできたのだ。 虽然不知道是什么肉,但是香味很好,被盯着那个摊子不动了的米蒂亚钓到了,连火炬的脚都停了下来,所以就买来了。 ……ホント、美味そうな店が多いんだよな、この町。 ……这个城市真的有很多看起来很好吃的店呢。 「それじゃ、それをおかずに食べましょうか。ちょうど中粒も炊き上がった事だし」 「那么,把那个作为菜来吃吧。正好中粒也煮好了」 女性陣が手早くテーブルの上に皿を並べ、そこに俺たちが買ってきた物を盛り付ける。 女性们麻利地把盘子摆在桌子上,把我们买来的东西装盘。 骨付き肉に関しては、トーヤたち獣人の前に一本ずつ、他四人は残り一本を食べやすくカットし、皿に取り分ける。 关于带骨的肉,在烤面包机等兽人面前各切一根,其他四人容易吃剩下的一根,分为盘子。 「あとはご飯ですね。これも分けておきましょう」 “还有就是吃饭了。这个也分给你吧” 炊き上がったご飯は、鍋ごとマジックバッグに入れておいたようで、まだ熱々。 煮好的饭好像连同锅一起放到了魔术包里,还很热。 その鍋から、各自の前に置かれた皿の上にご飯が盛られ、中粒の方もユキによって、その隣に盛られる。 从那个锅里,饭被盛到各自前面的盘子上,中间的粒也被雪盛到旁边。 「では、いただきます」 “那我就不客气了。” 「「「いただきます」」」 “我开动了” なかなかに美味そうな昼食だが、俺は目的を忘れてはいない。 虽然午饭看起来很好吃,但我没有忘记目的。 まずは小粒のご飯から、パクリ。 首先从小粒的米饭开始山寨。 ……こっちはちょっと粘りが少ないな? ……这边的粘性有点小啊? 品種なのか、炊き方なのかは判らないが、同じ小粒でも今回の物は、表面の粘りが少なく、ちょっと歯応えがある。 虽然不知道是品种还是煮法,但是即使是同样的小粒,这次的东西表面的粘性很少,有点咬劲。 粒が大きいだけに少し硬くも感じるが、これはこれで悪くない。 因为粒很大,所以感觉有点硬,但是这样也不坏。 炊き込みご飯のような、混ぜご飯的な物に向いているんじゃないだろうか? 适合像煮进菜里的米饭那样的混合米饭吗? 口の中を焼き鳥と水でリセットして、次は中粒の方へ。 口中用烤鸡和水复位,接下来是中粒。 こちらは……明らかに表面が崩れてる。 这边……表面明显崩塌了。 炊くのに失敗って訳じゃないよな? 做饭不会失败吧? 口の中に入れると、やはり表面はかなり柔らかく、少しとろけたお粥のようになっている。それでいて中心部分には若干の歯応えがあり……。 放进嘴里,表面还是很软的,有点像融化了的粥。尽管如此,中心部分多少有嚼劲……。 味自体は悪くないので、完全にお粥にしてしまうのなら悪くないかもしれない。 因为味道本身并不坏,所以完全煮成粥的话也不坏。 普段食べるのには向かないが。 虽然不适合平时吃。 それとも、炊き方次第で改善されるのか? 还是说,根据烹饪方法的不同会有所改善呢? そのへんはハルカたちに期待しよう。 这一点让我们期待Haruka他们吧。 今度は骨付き肉と、ブリトーでインターミッション。 这次是带骨头的肉和蛋白的接口。 しばらく待って、炊飯途中だった最後の大粒が配られる。 等了一会儿,在做饭的途中,分发最后的大粒。 「これはまた……凄いな」 “这个又……好厉害啊。” 「もっちもっちだね。完全に一体化してるよ」 “真是太好了。完全一体化了” お皿に盛る時も、スプーンを二つ使わないと、引っ付いてしまって無理なほど。 盛到盘子里的时候,如果不使用两个勺子的话,就会粘在一起,太勉强了。 食べてみても、やはりもっちもっち……いや、ネトネト? 吃了之后,果然还是很好吃……不,是前菜? こういう物だと思えば、不味くはないのだが。 如果认为是这样的东西,也不是不好吃。 「完全に、ドロドロに溶けたお餅ね」 “完全是融化在粘稠中的年糕啊。” 「これを食べるなら、蒸さないとダメでしょうね。お餅が作れそうなのは朗報ですが」 “吃这个的话,不蒸是不行的吧。能做年糕是个好消息” ラストは残った料理を平らげて、試食会兼昼食は終了。 最后把剩下的菜吃光,试吃会兼午餐结束。 久しぶりの米はかなり嬉しかったが、量が量だけに物足りなかったなぁ。 隔了好久的米相当高兴,不过,量只是量不够啊。 そして、感動して涙を流すってほどでもない。 而且,还不至于感动得流泪。 日本を感じさせる料理は、普通にハルカたちが作ってくれるし。 能让人感受到日本的料理,一般都是Haruka他们做的。 ……もし、醤油っぽいインスピールソースが無ければ、また別だったかもしれないが。 ……如果没有像酱油一样的刺激酱汁的话,也许又是另外一回事了。 「結論としては、ご飯として食べるのは、やっぱり小粒までね」 “结论是,作为饭来吃的话,还是连小粒都没有。” 食後の片付けも終わり、のんびりとベッドで寛ぎながら、ハルカが口にしたのはそんな言葉だった。 吃完饭后收拾完毕,悠闲地躺在床上,Haruka一边说着这样的话。 そしてその結論に異議のある人はいないらしく、揃って頷く俺たち。 而且好像没有人对那个结论有异议,我们一起点头。 あ、メアリとミーティアは別な。 啊,玛丽和米蒂亚是两码事。 やはり二人はこちらの人間らしく、『出てきたら食べるけど、敢えて食べたいとは思わない』という程度の感想だった。 果然两个人还是很像这边的人,“出来了就吃,但并不一定想吃”这种程度的感想。 と言うか、肉があれば不満が無いって感じである。 或者说,如果有肉的话就没有不满的感觉。 「大粒はお餅用に確保かな? お正月はやっぱり食べたいし」 “大粒确保是年糕用的吗?正月还是想吃” 「同感です。ですが、中粒も使えるかもしれませんので、買っておきましょう。私がお金を出しても構いませんので」 “我有同感。但是,可能也可以使用中粒,所以还是买下来吧。我付钱也没关系” 「いえ、それは共通費から出せば良いと思うけど……ナオ、このお米って朝市で買ったのよね? 今はもう出てないわよね?」 “不,我觉得那个从共同费用中拿出来就好了……娜奥,这个米是在早市买的吧?现在已经不出来了吧?” 「売っている店はあるかもしれないけど、その露店は無くなっていたな」 “可能有卖的店,但是那个小摊没有了。” 先ほど、昼食を買った屋台があった広場、そこの周辺が朝市のあった場所なのだ。 刚才买了午饭的小摊所在的广场,那附近就是早市所在的地方。 露店の並んでいた道の両脇も、昼間は普通に店舗が営業しているので、当然露店を開いたままにはできない。 路边摆着小摊,白天店铺也照常营业,当然不能开小摊。 おそらくは朝限定で許可された商売なのだろう。 恐怕是只有早上才能被允许的生意吧。 「お店を探しても良いけど、そこまでする必要も無いわよね。同じ品種を買えた方が安心だし」 “可以找店,但是也没有必要做到那种程度。买同样的品种比较放心” 「そうですね。もう一度、手作業で精米するのは避けたいです」 “是啊。希望能避免再次手工精米” 「それじゃ、明日は早起きして買いに行きましょ。色々、珍しい香辛料とかもあったって話だし、楽しみね」 “那么,明天早起去买吧。听说有各种各样珍贵的香辛料,很期待呢” 「あー、ハルカにはその香辛料を使って、できればカレーを作って欲しいけど、無理か?」 “啊,Haruka用那个香辛料,如果可以的话想让她做咖喱,不行吗?” 俺の無茶振りに、ハルカは暫し沈黙。 我胡来的样子,让Haruka暂时沉默。 少し困ったように顎に手をやる。 把手放在下巴上有点为难。 「……缶入りのカレー粉を使う事はあっても、さすがにスパイスを混ぜてカレー粉を作った事は無いんだけど。知ってるのは、せいぜいターメリック、唐辛子、カルダモン……」 “……虽然用过罐装的咖喱粉,但确实没有和香料混合制作过咖喱粉。我知道的最多就是姜黄、辣椒、肉桂……” 「クミン、ガラムマサラもあるよね」 “久美,也有玻璃山沙拉吧。” ハルカが挙げていったスパイスに、ユキも付け加えるが、それをナツキが遮る。 在Haruka列举的香料中,加入了雪花果,但是却被枣子挡住了。 「あ、ユキ、ガラムマサラはスパイスミックスの事ですよ? ナツメグやクローブ、シナモン、胡椒など、中身は色々入ってますから」 “啊,yuki,加拉马萨拉是香料混合的事哦?肉豆蔻、丁香、肉桂、胡椒等,里面放了很多东西” 「え、ホントに? 知らなかった……」 “啊,真的吗?不知道……” 「チリパウダーなども数種類を混ぜたスパイスですね。逆にオールスパイスは、単独のスパイスですが」 “辣椒粉等也是混合了几种香料。相反,全香料是单独的香料” ナツキの豆知識に、ハルカとユキが「そうなんだ~」と頷いているが、そもそも詳しくない俺にはさっぱりである。 对于枣的豆知识,Haruka和yuki点头说“是这样啊”,但对原本就不太了解的我来说却很爽快。 「カルダモン以外はウチのキッチンにあったけど、難点は粉末になってるから、元の形が判らないところよね」 “虽然除了小豆蔻以外都在我们的厨房,但是难点是粉末,所以不知道原来的形状。” ちなみに、俺がまともに知っているのは胡椒と唐辛子ぐらいである。 顺便说一下,我真正知道的只有胡椒和辣椒。 あ、ターメリックはウコンだよな? それは知ってる。 啊,姜黄是姜黄吧?我知道那个。 『ウコン!』ってでっかい看板を掲げて、乾燥ウコンだけを売っているお店を見た事がある。 《姜黄!》我曾经看到过挂着大招牌只卖干燥姜黄的店。 あれって、商売として成り立っていたのだろうか……? 那个是作为生意成立的吗……? あとは……シナモンも、シナモンスティックを見た事あるか。 还有……肉桂也看过肉桂棒吗。 あのロール状の形からして、薄く剥いだ木か? 从那个卷状的形状来看,是削薄了的树吗? 「クローブは丁字とも言われ、特徴的ですから判りますよね?」 “衣帽间也被称为丁字,因为其特征很明显,所以很容易辨认吧?” 「あれはさすがにね」 “那真不愧是。” ナツキの言葉にハルカとユキが苦笑するが……なんで? 夏树的话让Haruka和yuki苦笑……为什么? と思って聞いてみたら、クローブは小さい釘みたいな形をしていて、食材にぶっ刺して使うらしい。 这么想着问了一下,发现衣帽是像小钉子一样的形状,好像是用在食材上。 マジか。 真的吗。 そんな雑な(?)香辛料があったとは。 那么杂乱(?)竟然有香辛料。 「ナツメグ、カルダモン、クミンは種ですから、匂いで判断するしか無いでしょう。と言うよりも、同じ物があるとは限らないので、似た匂いや味の香辛料を探す必要があるでしょうが」 “因为肉豆蔻、小豆蔻、小茴香是种子,所以只能靠味道来判断。与其这么说,倒不如说不一定有同样的东西,所以有必要寻找相似的味道和味道的香辛料” 「ま、カレーって案外いろんな味があるから、『どこどこのカレー!』って限定しなければ、それっぽい物は作れるんじゃないかな? 極論すれば、辛くてスパイスの香りがすればカレーでしょ?」 “嘛,咖喱意外的有很多味道,所以‘哪里的咖喱!’”如果不限定的话,不是就能做出那种东西吗?极端地说,如果有辣的、香辛调味料的香味的话,应该是咖喱吧?” 「極論っつーか、暴論って気もするが、あんま否定できねぇな」 “极端论啊,虽然我觉得是在辩论,但还是不能否定。” 「同意。懐が深いからなぁ」 “同意。因为很有胸怀啊” “カレーの構成要素って何?”と問われると、確かに“スパイシーである”以外に無いような気がする。 “咖喱的构成要素是什么?”被这么问的话,确实感觉除了“辛辣”以外没有其他的东西了。 日本だとおおよそ“カレーの香り”のイメージがあるが、インドだと各家庭で自由にスパイスをブレンドして作るらしいし、匂いも色々なんじゃないだろうか? 在日本大概有“咖喱的香味”的印象,但是在印度各个家庭都可以自由地混合香料来制作,味道也是各种各样的吧? 「美味しい話なのです?」 “是很好吃的话吗?” 俺たちの会話で、食べ物の話と判ったらしく、興味深そうに俺たちの会話に入ってきた。 在我们的对话中,好像明白了是食物的事情,很有兴趣地走进了我们的对话。 「美味しいかもしれない話ね。ちょっと辛いけど」 “可能很好吃的话呢。虽然有点辛苦” 「辛いのはダメなの!」 “不能吃辣!” ミーティアが手でバッテンを作り、首をフルフルと振る。 米蒂亚用手做了个缓冲区,摇了摇头。 たまに子供らしくないミーティアも味覚は子供のようで、昨日の夕食に出てきたピリ辛の魚、あれも結局は食べられなかったからなぁ。 偶尔不象孩子的肉饼,味道也像孩子一样,昨天晚饭里出现的辛辣的鱼,那个结果也没能吃。 「大丈夫よ、甘口のカレーもあるから」 “没关系,还有甜的咖喱。” 「甘いの? 甘いのは好きなの」 “甜吗?我喜欢甜的” 一転笑顔になるミーティアだが、甘口のカレーって、地味にコストが掛かるよな。 虽然米蒂亚突然露出了笑容,但是甜味的咖喱,成本也很低呢。 果物が高いから。 因为水果贵。 あ、でも俺たちの場合、自分で採取できるか。 啊,但是我们的话,可以自己采集吗。 ダンジョン以外にも、そろそろディンドルの季節だし。 除了地牢以外,也差不多到了黄金周的季节了。 「ま、いろんなスパイスを買い込んで、何種類も、好きに作ってみれば良いんじゃない? たくさん作れば、そのうち美味しいのもできるわよ」 “嘛,买了各种各样的香料,随便做几种不就好了吗?做很多的话,过几天也能做出好吃的哟” 「そうですね。幸い、そのぐらいの余裕はありますから」 “是啊。幸好,我还有那么多空闲” スパイスの値段は決して安くは無いのだが、“金に匹敵する”ってほどにはべらぼうでも無い。 香料的价格绝对不便宜,但也没有像“能和钱匹敌”那样难吃。 仮に毎食、材料費として金貨一枚以上使うとしても、カレーが食べられるようになるのなら無駄とは思わないし、むしろ俺が支払っても良いぐらい。 即使每顿饭都要用一枚以上金币作为材料费,如果能吃咖喱的话也不会觉得浪费,甚至可以由我来支付。 少なくともトーヤのように娼館に行って、数時間で数十枚の金貨を溶かすよりは有意義な使い方だと、俺は思う。 我觉得,至少像TOYA那样去妓院,比几个小时就能化开几十枚金币更有意义的使用方法。