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296 クライミング、再び。

296登山,再次。

パーティーの翌日、俺たちはロッククライミングの練習のため、前回俺とユキがレブライト鉱石を採掘した渓谷を訪れていた。

派对的第二天,我们为了练习攀岩,去了上次我和yuki采掘了雷布矿石的溪谷。

途中、昨日消費したキノコの補充をしつつ。

途中,一边补充昨天消费的蘑菇。

この時季しか採れないキノコ、多いからな。

因为只有这个季节才能采到的蘑菇有很多。

ちょっと時間は掛かったが、無視するなんてできようはずも無いし、メアリとミーティアも喜んでいたので、問題なし。

虽然花了点时间,但是不可能无视,梅阿里和米蒂亚也很高兴,所以没问题。

そんなわけで、実際にはパーティーの翌々日の朝、渓谷に辿り着いた俺たち。

因此,实际上在派对的第二天早上,我们终于到达了溪谷。

今回は前回の道具に加え、縄梯子や杭なども用意されている。

这次除了上次的道具之外,还准备了绳梯和桩等。

ただし、あの時壊れた器具に関しては、安全性と信頼性優先で不採用となったらしい。

但是,当时损坏的器具,由于安全性和可靠性优先而不被采用。

「ここが、前回ナオたちが使った場所か。オレなら、ロープを使わなくても登れそうじゃね?」

“这里是上次娜奥他们使用的地方吗?”。如果是我的话,不用绳子也能上去吧?”

「ここならな。だが、目的は道具の使い方に慣れることだからな。いきなり危険な場所でやるわけにもいかないだろ?」

“这里的话。但是,目的是要习惯工具的使用方法。也不能突然在危险的地方做吧?”

落下の恐怖を克服できるなら、各種器具を使わずとも登れそうなのがこの辺りの岩壁。

如果能克服掉下来的恐怖的话,不用各种器具也能爬上去的就是这附近的岩壁。

だが、万が一を考えれば、命綱無しで登るのはリスクが高い。

但是,考虑到万一的话,没有救生索上去的风险很高。

「なるほど、ここは練習ステージと」

“原来如此,这里是练习舞台。”

「そういう事だ。それじゃトーヤ、一番上の所にロープを引っかけてきてくれるか?」

“就是这么回事。那Toya,能把绳子挂在最上面吗?”

「……どこだ?」

“……在哪里?”

「あそこ」

“那里”

俺が指さした先を目を細めて見上げたトーヤは、少しマジな顔で俺の方を振り返る。

看着我指的前方眯着眼睛抬头看的TOYA,用稍微认真的表情回头看我。

「あそこまでフリークライミング? かなり高いぞ? 落ちたら死ぬよな?」

“到那里是自由登山吗?相当贵哦?掉下去的话会死吧?”

「あぁ、問題なく死ねるな。地面も固い岩盤層だし」

“啊,别死得没问题。地面也是坚硬的岩盘层”

「………」

「………」

「いや、トーヤがロープ無しで登れるって言うから」

“不,因为他说火炬可以不用绳子爬上去。”

とても非難がましい視線を向けられたので、一応言い訳。

因为被人投来了极为非难的目光,所以姑且找了个借口。

危険な場所と安全な場所、同じ行為を同じようにできるとは限らないんですよ?

危险的地方和安全的地方,不一定能同样的行为哟?

高さ五〇センチの平均台と、高さ五〇メートルの平均台、同じように歩ける人がいたら、その人はかなりアレである。精神面が。

如果有高五十厘米的平均木和高五十米的平均木,同样能走路的人的话,那个人就相当不一样了。精神方面。

「冗談言ってないで、ナオが行ってきて。無意味に危険な行為をする必要は無いんだから」

“别开玩笑了,娜奥去一下。没有必要做无谓的危险行为”

「そうだよー。さすがにトーヤが降ってきたら、受け止められないからね」

“是啊。如果真的下起了火炬,就无法接住了”

「ですね、トーヤくんの体格だと……。あ、もしかして、空中で回転して、足から着地できたり?」

“是啊,托亚君的体格……。啊,难道可以在空中旋转,从脚开始着地吗?”

「いや、オレは猫じゃねぇよ!? ……不可能とも言えないが」

“不,我不是猫……也不能说不可能”

できるのかよ。

能做到吗。

そして猫と言えば、メアリとミーティア。

然后说到猫的话,就是玛丽和米蒂亚。

彼女たちならもしかして……?

她们的话……?

「――? 何ですか、ナオさん?」

「――? 什么?娜奥?”

「ナオお兄ちゃん、なに?」

“那奥哥哥,什么事?”

「いや、何でも無い」

“不,没什么。”

ちょっとやってみて、とはさすがに言えない。

稍微做一下,就不能说了。

「それじゃ、行ってくる」

“那我走了。”

ハーネスやロープをしっかりと身に付け、俺は途中の金具も利用しつつ、一番上の金具にしっかりとロープを固定。

我一边利用中途的金属零件,一边把绳子牢牢地固定在最上面的金属零件上。

ここ数日で破損したりしていないのも確認。

这几天也确认没有破损。

その金具から少し離れた場所に土魔法で穴を空け、接着剤を注入、杭を打ち込み、そこにもロープを固定。

在离金属零件稍远的地方用土魔法打洞,注入粘合剂,打进木桩,在那里也固定绳子。

こっちは保険。もし金具が壊れても、こっちで耐えてくれると期待して。

这是保险。期待着如果金属零件坏了,在这边也能忍耐。

もう一度、どちらも問題なく固定されているのを確認し、俺はロープを伝ってスルスルと岩壁を降りた。

再一次确认了两个都没有问题地被固定了下来,我沿着绳子嗖的一声从岩壁上下来了。

「よし、オッケー。誰から行く?」

「好的,可以。谁先去?”

「オレからやろう。ナオはもう一カ所、練習できるような場所を作ったらどうだ?」

“由我来做吧。娜奥再找一个可以练习的地方怎么样?”

「そうね、一カ所だけじゃ効率が悪いし。お願いできる?」

“是啊,只有一个地方效率很差。可以拜托你吗?”

「了解。少し離れた場所、もう少し高い物を作るとするか」

“明白。要做稍微远一点的地方,再高一点的东西吗?”

「あ、それじゃあたしがサポートするよ。前回もあたしたちのペアでやったし」

“啊,那我来支持你。上次也是我们一组做的”

シュバッと手を上げたユキに、ハルカが何か言いたそうな表情を見せたが、トーヤやナツキたちの顔を見回し、ため息をついて頷いた。

面对舒巴地举起手的雪,春香露出好像在说什么的表情,环视着火炬和枣树们的脸,叹着气点了点头。

「トーヤの体重を考えると、私とナツキはいた方が良さそうよね」

“考虑到Toya的体重,我和枣在一起比较好。”

うん、ユキ、メアリ、ミーティアの三人だと、トーヤの体重に重力加速度が付けば、普通に持ち上げられそうだしな。

嗯,雪,玛丽,米蒂亚三个人的话,托亚的体重加上重力加速度的话,好像一般都能举起来。

「解ったわ。気を付けて」

“我明白了。小心点!”

「うん、任せて! こういう時、あたしは真面目だよ!」

“嗯,交给我吧!这种时候,我是认真的!”

ユキは笑顔で胸を叩いた。

雪用笑容敲打着胸口。

でもできれば、パーティーの夜も真面目でいて欲しかったなぁ。

但是如果可以的话,希望在晚会的晚上也能认真对待。

◇ ◇ ◇

◇ ◇ ◇

もう一カ所作った練習場所は、最初の所のおよそ二倍の高さ。

另一个练习场所的高度大约是最初的地方的两倍。

ほぼ渓谷の頂辺付近である。

几乎在溪谷的山顶附近。

その半分ぐらいまでは最初の所と同じような感じなのだが、それ以降は段々と傾斜がキツくなり、最後四分の一ほどは完全な垂直。

到那个一半左右是与最初的地方同样的感觉,不过,此后慢慢倾斜变得严厉,最后四分之一左右是完全的垂直。

手がかりも少なく、杭を打ち込まずに登るのはほぼ不可能。

线索也很少,不打进桩子爬上去几乎是不可能的。

少なくとも今の俺たちには。

至少对于现在的我们。

ちなみに、俺の提案したボルダリングのホールド風な物も用意はしてきているのだが、今回に関しては、取り付ける練習をするだけで、実際には使わない予定。

顺便说一下,我提议的波尔达林的保持风的东西也准备好了,但是关于这次,只是进行安装练习,实际不打算使用。

登るのが目的では無く、技術を身に付けるのが目的なので。

目的不是为了攀登,而是为了掌握技术。

二人が登り、残りはサポート。

两个人一起攀登,剩下的就是支持。

そんな感じに練習を繰り返し、身体能力の高さ故か、一日目の終わりには、全員がある程度問題なく登れるようになっていた。――ユキ以外は。

像这样反复练习,不知是不是因为身体能力的高低,在第一天结束的时候,大家都能毫无问题地登上去了除了雪以外。

やはり、俺にスキルが生えるのを期待しているらしい。

果然,我还是期待着能在我身上长出技能。

練習しないユキに、メアリとミーティアがとても素直に『何で練習しないの?』と訊ねていたのだが、ユキの返答は『あたしは問題なく登れるからね!』という、非常に苦しい物。

面对不练习的雪,玛丽和米蒂亚非常坦率地说:“为什么不练习呢?”但是,yuki的回答是非常痛苦的东西。

お前、コピーしたら比較的すぐに覚えられるとはいっても、最初は下手なんだぞ?

你虽然说复印后会比较快记住,但一开始是很差的?

それを理解しているのか?

你理解那个吗?

……まぁ、その時になって恥をかくがいい。

……嘛,到时候丢脸比较好。

楽をするんだから、それぐらいは許容範囲だよな?

因为是享受快乐的,所以这种程度是可以容许的吧?

二日目は、もう少し険しい場所に練習場所を移す。

第二天,把练习场所移到更陡的地方。

最初から垂直の壁で、最後の辺りは微妙にオーバーハング気味。

从一开始就是垂直的墙壁,最后的附近有微妙的突出感。

パーティーメンバーの中では一番経験が長い俺が最初に登って、杭などを打ち込み、安全を確保。

在派对成员中经验最长的我第一个登上去,打进桩子等,确保安全。

オーバーハングしているところはどうなる物かと思ったが……案外何とかなるもんだな?

我还以为突出的部分会怎么样呢……没想到会有什么办法呢?

指一本で身体を支える、なんて事はできないが、片手の指三本ほど掛かっていれば問題ない自分の身体能力に震える。

一个手指支撑着身体,这样的事是做不到的,但是如果一只手上挂着三个手指的话,就不会有问题,会因为自己的身体能力而颤抖。

これって絶対、筋力と筋肉量、それに体重が比例していないからこそ、である。

这绝对是因为肌肉力量和肌肉量以及体重没有比例。

簡単に言えば、『魔力って凄いね!』って話だ。

简单来说,“魔力真厉害啊!”这样的话。

で、まぁ、オーバーハングの壁をフリークライミング(もちろん、命綱を付けているけど)できるようになった頃、ついに俺のステータスに【登攀 Lv.1】が追加された。

然后,嘛,当我能够自由攀登高墙(当然是带着救生索的)的时候,我的地位终于增加了【攀登Lv.1】。

……いや、レベル1の基準、高すぎません?

……不,等级1的基准太高了吧?

器具を頼っちゃダメですか?

不能依赖器具吗?

取得できたから良いけどさ。

能取得就好了。

さて。

那么。

「(ユキ、取れたぞ、スキル)」

“(雪,我拿到了,技能)”

「(ホント!? コピーしてもいい?)」

“(真的是一种病!?可以复印吗?”

「(ああ。だが、結局練習は――)」

「(啊。但是,最后练习是——”

「ねぇ! あたしとナオはちょっと、レブライト鉱石を回収してくるから、みんなはここで練習を続けてて!」

“喂!我和娜奥会去回收雷布赖特矿石的,大家在这里继续练习吧!”

おっと、さすがユキ。ズルい。その手できたか。

哎呀,不愧是雪。狡猾。是用那种方法来的吗。

まぁ、メアリとミーティア以外は気付いているわけだが。

嘛,除了玛丽和米蒂亚以外都注意到了。

「……そう。気を付けてね?」

“……是的。要小心哦?”

「うん。ま、すぐだと思うよ?」

“嗯。嗯,我觉得很快?”

ハルカから少しだけ呆れたような視線を向けられつつも、ユキは平然と頷き、最初の場所に。

虽然被遥投来了有些目瞪口呆的目光,但雪还是平静地点了点头,来到了最初的地方。

ただし、最初に採掘した場所では無く、二倍の高さの所。

但是,不是最初开采的地方,而是两倍高的地方。

少しはスリルを味わわせてやらないとな。せっかくロッククライミングをやるんだし?

必须要让他稍微尝一点刺激感。好不容易去攀岩了?

「命綱はしっかりと結んだな? それじゃ、ロープや金具は使わずに、上まで登ってみようか」

“你的救生索系好了吗?那就不要用绳子和金属零件,上去看看吧”

「……え、いきなり?」

“……呃,突然?”

「大丈夫、大丈夫。落ちても、フォローするから!」

“没关系,没关系。就算掉下去,我也会关注的!”

「本当にお願いね? ちょっとぐらい長く落ちた方が、スリルがあっても面白いかも、とか思わなくて良いからね?」

“真的拜托你了吗?稍微长一点掉下去的话,就算有刺激感也会很有趣吧?”

「……おう。もちろん」

“……哦。当然”

「その『もちろん』って、すぐに引っ張ってくれるって意味だよねっ!? 信じて良いよね!?」

“‘当然’是指很快就会引领我的意思吧!?可以相信吧

下までは落下しない程度に、少しだけ余裕を持ってロープを持っておこうかと思ったんだが……うん、ユキが涙目になっているから、止めておこう。

为了不落到下面,我想稍微留出点富余时间带上绳子……嗯,雪变成了泪眼,所以就停下来吧。

「はいはい、ちゃんとやるから、登ってこい」

“好的好的,我会好好做的,上去吧。”

「お願いねっ! 本当に! ナオやハルカみたいに、高い場所、平気じゃないんだから!」

“拜托了!真的!像nao和Haruka那样高的地方,我不在乎!”

俺も木の上以外だと、そこまで平気じゃないんだが。

我除了树上以外,也没什么大不了的。

不思議だよな、ディンドルの木では、この崖よりも何倍も高い場所に登ってるってのに。

不可思议的是,在丁当树上,爬到了比这个悬崖还要高几倍的地方。

「大丈夫だから。ほら!」

“没关系。瞧!”

「ううぅ、信じて良いのかなぁ?」

“嗯,可以相信吗?”

「安心しろ。お前が先日ハルカに誓った、『二度と覗かない』という言葉ぐらいには信じて良いから」

“放心吧。你前几天向Haruka发誓,至少可以相信“再也不看了”这样的话”

「それは、全然信じられない!」

“那完全无法相信!”

「やっぱりか! ……いや、まぁ、俺はちゃんとやるから。ほらほら!」

“果然是这样啊……不,嘛,我会好好做的。瞧!”

俺に背中を押され、ユキはチラチラとこちらを振り返りながら岩壁に向かう。

被我推着背,小雪一边回头看这边一边向岩壁走去。

そして岩壁に取り付き、俺のアドバイス通り、金具には手を掛けずに登っていく。

然后跟着岩壁,按照我的建议,我不想伸手去拿金属零件,而是爬上去。

俺はその速度に合わせてロープを引き、弛まないように調整。

我按照那个速度拉绳子,为了不松弛而调整。

足を滑らせた時に、ガクンと落ちると、マジで心臓が止まりそうになるから。

脚一滑,扑通一声掉下去,心脏真的会停止跳动。

大丈夫だとは解っていても。

虽然知道没关系。

「大丈夫か?」

“没事吧?”

「うん~、この辺りは、前と同じぐらいだから~」

“嗯,这附近和以前差不多。”

レブライト鉱石を採掘する時、一応はユキも登ってるんだよな。

采掘雷布赖特矿石的时候,雪也算是爬上去了吧。

問題は、垂直になるあたり。

问题是垂直。

そこからはユキの速度も落ちて、かなり慎重に手がかり、足がかりを探して登っていく。

从那里雪的速度也下降了,非常慎重地寻找线索、脚手架上去。

まだややぎこちないが、ずっと俺たちが登るのを見ていたからか、結構しっかりと場所を見極めて、失敗をしない。

虽然还有些笨拙,但也许是因为一直看着我们爬上去的缘故吧,所以要好好地看清地方,不失败。

……いや、別に失敗して欲しいわけじゃないが。

……不,我并不是希望你失败。

決して、地上数十メートルで宙ぶらりんになる経験をして欲しいとか、思ってないから。

我绝对不想让你有在地面数十米处悬空飞行的经验。

俺のドキドキ体験を共有して欲しいとか、思ってないから。

我不想让你分享我心跳的体验。

でも、同じ体験をすると、連帯感、高まるよな?

但是,做同样的体验的话,连带感,会变高吧?

「もうちょい、もうちょい……」

“再多一点……”

微かにユキの声が聞こえてくる。

隐约听到雪的声音。

そしてその言葉通り、もう少しでロープが固定されている場所へと到達する。

然后就如那句话所说的那样,再过一会儿就到达了绳子固定的地方。

「……良し! ナオ~、着いた!」

“……好!娜奥~到了!”

「ちっ。――おめでとう。それじゃ、今度はそのまま降りてこい。下りの方が難しいから」

“呃。——恭喜。那么,这次就这样下去吧。因为往下走比较难”

こちらを振り返り手を振るユキに応えつつ、次の課題を与える。

一边回应回头挥手的雪,一边给予下一个课题。

「うへ~、フリークライミングで下りとか、すっごく怖いんだけど……頑張る」

“嗯~,虽然在自由滑下很恐怖……但是我会努力的。”

すぐに下り始めたユキに合わせ、今度はロープを緩めていく。

配合马上开始下降的雪,这次放松绳子。

なかなか足下が確認できない状態で、ロープも使わずに降りるのって、かなり困難なんだが……やっぱり失敗しないな?

在脚下很难确认的状态下,不使用绳子就下车,真的很困难……果然不会失败吧?

これ、もうすでにスキルが付いてないか?

这个已经没有技能了吗?

「――ふぃぃぃ。到・着! やったね! 落ちずにすんだよ!」

“——呼。到了!太好了!没掉下来哦!”

「おめー」

“恭喜”

「心こもってない!」

“不用心!”

投げやりな俺の祝福にユキが頬を膨らませるが、仕方ないだろう?

我的祝福让雪的脸鼓起,这也是没办法的吧?

俺は結構苦労したのに……やっぱり微妙に理不尽。

我明明很辛苦……果然还是有点不讲理。

「で、スキルは有効化されたか?」

“那么,技能有效化了吗?”

「あ、そうだね。……うん。してる、ありがとう、ナオ」

“啊,是啊。……嗯。谢谢你,娜奥”

「どういたしまして。俺のこのやるせない気持ちは、時間の有効活用と納得する」

“不客气。我这种郁闷的心情,可以理解是有效利用时间”

「あはは……ゴメンね?」

“啊哈哈……对不起吧?”

片目を瞑って手を合わせるユキに、俺は肩をすくめて苦笑する。

面对闭着一只眼睛双手合十的雪,我缩肩苦笑。

そのかわいさに免じて、許してやろう。

看在你的可爱上,原谅你吧。

「ま、良いさ。――さて、ハルカたちの方はどんな感じだろうな? そろそろスキルを得られたか」

“嘛,好吧。——那么,Haruka他们是什么感觉呢?差不多该学会技能了吗?”

「そうだね。戻ろっか」

“是啊。返回”

ハルカたちの方へ戻ってみると、無事に全員が【登攀 Lv.1】を身に付けていた。

回到Haruka他们那边一看,大家都平安无事地掌握了【攀登LV.1】。

ここを離れる時に『フリークライミングをするのが良いかも』と言っておいたのだが、実際にそれをメインにすることで、比較的すぐにスキルとして表示されたらしい。

离开这里的时候说了“也许去自由登山比较好”,但实际上主要是以这个为主,所以比较快就被作为技能来表示了。

残念ながらメアリとミーティアのステータスが見られないが、ハルカたちと同じレベルで上り下りができるようになったみたいなので、問題は無いだろう。

很遗憾,看不到玛丽和米蒂亚的状态,但是好像和Haruka他们在同一水平上可以上下,所以没问题吧。

「これでとりあえずは、目標達成か」

“这样的话,先达成目标吧。”

ホッと一息ついた俺に、ハルカは首を振る。

对于松了一口气的我,Haruka摇了摇头。

「いいえ。まだ縄梯子を使う練習があるわ」

“没有。还有使用绳梯的练习”

「ん? 縄梯子って、練習が必要な物か?」

“嗯?绳梯是需要练习的东西吗?”

「ナオ、使った事あるの?」

“娜奥,你用过吗?”

「……無いけど」

“……没有。”

だけど、梯子だぞ?

但是,是梯子哦?

ロープだけで上り下りするより、ずっと簡単だろ?

比起只用绳子上下,简单多了吧?

「普通の梯子とは違うからね、縄梯子って。ブラブラ揺れる縄梯子を素早く上り下りするのって、難しいと思うわよ?」

“因为和普通的梯子不一样,所以说绳梯。在摇摇晃晃的绳梯上快速上上下下,我觉得很难啊?”

「……そう言われると、練習が必要な気がしてくるな?」

“……这么说的话,感觉需要练习吗?”

一理ある。

有一理。

何事も経験せずに安易に考えるのは、よろしくない。

什么事都不经历就随便想,不好。

と言うことで、渓谷の頂辺まで登り、そこから縄梯子を垂らしてみる。

因此,登上溪谷的山顶,从那里垂下绳梯。

かなり長い縄梯子はきちんと底まで到達したし、ワイヤーを使って作られたそれは、強度面でもまったく問題は無かったのだが……うん、かなり使いづらい。

相当长的绳梯很好地到达了底部,用钢丝做的那个,强度方面也完全没有问题……嗯,相当难使用。

最初のうちは良いのだが、下に降りるにつれてブラブラと揺れが大きくなるし、普通の梯子とは違って、左右の棒を持って素早く降りる、なんて事はできない。

一开始的时候还好,但是随着往下走,摇晃就会变大,和普通的梯子不同,不能拿着左右的棍子快速下来。

その上、あまり壁際に垂らすと、手足を掛ける時に壁にぶつかる。

而且,如果太过滴在墙角的话,手脚搭在墙上的时候会撞到。

正直、降りる事に関して言えば、ロープを使う方が速いかもしれない。

说实话,如果说要下车的话,用绳子可能会比较快。

ただ、やはり登りに関しては縄梯子の方が便利だったので、俺たちは全員がそれなりに慣れるまで、縄梯子の上り下りを繰り返すのだった。

只是,关于登山,绳梯还是比较方便的,所以我们在大家适应之前,都会反复爬绳梯。