053 お金を稼ごう/賺錢吧
前回のあらすじ ------------------------------------------------------
上一次的梗概
ディオラさんから紹介された最後の物件も見るが、そこも条件に合わない。
我看了迪奥拉先生介绍的最后的房子,但是那个也不符合条件。
そのため、しばらくは宿暮らしを続け、土地を購入して家を建てる方向に。
因此,暂时继续住宿生活,购买土地建造房子。
「さて、そんなわけで、金策が必要になりました」
“那么,正因如此,現在必需要籌錢。”
ギルドの仕事があるディオラさんと別れ、俺たちは宿屋へと戻ってきていた。
告別還有公會事情要處理的ディオラ小姐後,我们回到了旅館房間。
方針としては、しばらくは今のままここで暮らし、お金を貯めることになるだろう。
作为方针,暂时就以往一樣在这里生活,努力存钱吧。
「まぁ、金策と言っても、私たちにできるのはギルドで仕事を受けるだけだけど。元の世界と違って借金なんてできないし」
“嘛,虽然說要籌錢,我们能做的也只是在公会接受工作而已。和原来的世界不同,沒辦法借钱之類”
「正確に言えば、安全にはできないだよね。騙される可能性もあるし、下手したら奴隷行き。自己破産なんて都合の良い物は無いから」
“正确地说,是安全性不夠吧。有被骗的可能性,弄不好的话就變成奴隶。因为聲請破產這類方便的東西是不存在的” (法律)自己破産(日文):聲請破產,一種法律手段,藉由向法院提出自身財務狀況,以進行對債務清償和免除債務,債務人有機會回歸正常生活。
ハルカの言葉に、ユキが補足する。そういえば、ユキも【異世界の常識】持ちだったか。
ユキ补充了ハルカ的话。这么说来,ユキ也有【异世界的常识】。
「あれ? 以前、奴隷は禁止されていると言ってなかったか?」
“咦?之前不是说奴隶是被禁止的吗?”
「ユキが言っているのは、実質的な奴隷ね。懲役の酷いヤツみたいな。一応、死にはしないように配慮されるみたいだけど……日本みたいに温ぬるくはないわね」
“ユキ说的是实质上的奴隶。比較像是服監勞動。姑且是不用擔心會死的樣子……但不像日本那样溫和”
監視された状態で働かされ続け、借金分はもちろん、管理費として何割かピンハネされてしまうので、普通に働いて返すよりもよほど大変らしい。
被监视著不斷地工作,借的部分不用说,還會被抽個幾成作为管理费,比起普通地工作來還錢還要更不容易的樣子。
日本だと懲役で働いた場合、その分の給料は出所時に渡されるが、その給料から食費などはもちろん、刑務所の維持費や看守の給料なども天引きされるようなイメージだろうか。仕事の方も当然キツい物なのだろう。
就好比在日本,勞動役工作的情況,那部分的工资会在出狱时轉交,但伙食费等不用說,监狱的维持费、看守的工资等都會從工资裡扣除。像這個樣子的話,工作者当然會很辛苦吧。
「うん。借金、ダメ、絶対」
“嗯。借钱.绝对.不行”
奴隷とか、嫌すぎる。当たり前だけど。
奴隶什么的,太讨厌了。雖然是理所當然的。
「させる気は無いわよ。危ないのは、騙されたときだから、ナオだけじゃなく、全員、報告、連絡、相談。忘れないでね」
“我没有要让你做的意思。危险的是被骗的时候,所以不只是ナオ,全員都要报告、联络、商量。不要忘记啊」
「そうですね。何事も落ち着いて第三者に相談ですね。詐欺行為は相手を焦らせて平常心を失わせるのが常套手段ですから」
“說的沒錯。什么事都要冷静下来和第三者商量。欺诈行为通常是让对方焦躁不安、失去冷靜”
「この世界特有の詐欺とかもあるかもしれないから、気をつけようね。みんな、お互いに」
“可能有这个世界特有的欺诈行为,所以要相互多加注意”
ユキのその言葉に、俺たちは揃って頷いた。
对于ユキ的话,我们一齐点了点头。
「ところで、少し話は変わるのですが、ディオラさんって、乾燥ディンドルが好きなんですか?」
“话说回来,稍微改變一下話題,ディオラ小姐喜欢ディンドル乾吗?”
「『乾燥』だけじゃなくて、ディンドル自体に目がないみたいよ」
“不光是‘干燥的’,就连ディンドル本身也很喜歡。”
俺たちが売ったディンドルも、微妙に職権乱用っぽいことをして手に入れてるしな。『問題ない!』とは強弁してたけど。
我们卖的ディンドル也是,為了得到做了像是濫用职权般微妙的事情。虽然一直强辩著說‘没问题!’。
「高い上に季節物であまり市場にも出回らないから、交渉事には便利よね」
“不仅价格昂贵,又是季节性商品,也不怎么在市场上出現,所以交涉起来很方便。”
「乾燥ディンドルって美味しいんですか?」
“ディンドル乾好吃吗?”
「そういえば、ナツキとユキは食べたことなかったわね。食べてみる?」
“这么说来,我还没吃过ナツキ和ユキ呢。要尝尝吗?”
「良いんですか?」
“可以吗?”
「食べたい!」
“想要吃!”
「良いわよ。ちょっと待ってね……はい、どうぞ」
“可以喲。请稍等一下……好,請用”
ハルカが部屋の隅で箱に入れて保存してある乾燥ディンドルを取り出し、2人に1つずつ手渡す。
ハルカ從房间角落拿出放在箱子里保存的ディンドル乾,交给两人各一个。
受け取った2人は乾燥ディンドルを少し訝しげに観察する。
收到的两个人有些惊讶地观察了ディンドル乾。
「これって、このまま食べるの?」
“这个,就这样吃吗?”
「ええ、がぶっと。別に切っても良いけどね」
「嗯,咔喥(大口咬段聲)。另外剪斷也可以啊”
乾燥ディンドルが一般的なドライフルーツと違うのは、大きいサイズのまま、まるごと干してあるところだ。
ディンドル乾和一般的果乾不同的是,保持原本的大尺寸完整晒干。
まるごと干してあるドライフルーツは、精々アプリコットぐらいまでのサイズで、それ以上となればスライスしてから干すのが一般的。
全部晒干的果乾,最多也就杏鲍菇左右的大小,如果超过这个大小的话,一般会切片后晒干。
それを考えれば、大きさも厚みもある乾燥ディンドルは少し奇異に映ることだろう。
考虑到这一点,既有大小又有厚度的ディンドル乾会显得有些怪异吧。
でも美味いから。
但是很好吃。
さぁ食え、という俺たちの視線に促され齧り付く2人。
被我们的视线催促着吃吧,两个人咬了起来。
そして、すぐに目を丸くして声を上げる。
然后,马上瞪圆眼睛大声说。
「こ、これ、美味しい! 甘みが強くて、それでいて酸味もあって……。皮の部分まで美味しいし!」
“这、这个很好吃!好甜又帶點酸……。连皮的部分都很好吃!”
「ええ、ここまでのドライフルーツは初めて食べます」
“是的,第一次吃到这里的果乾。”
そうなんだよ。
是啊。
乾燥させることで甘みは強くなるし、生だと捨てる皮の部分まで食べられるようになるから、少しお得感もある。
干燥后甜度会變得更甜,直接吃要去掉的皮也能吃,稍微有点划算。
残念ながら爽やかな酸味は減るから、そこも好きな俺としては生で食べるのもまた捨てがたいんだけど。
遗憾的是清爽的酸味会减少,对于喜欢这一点的我来说直接吃也很难舍弃。
「確かにこれなら……ちなみに、いくらぐらいするんですか?」
“确实,这个的话……顺便问一下,大概多少钱?”
「そうね、市場価格なら、1,000レアは下らないでしょうね」
“是啊,如果是市场价格的话,1000 雷亞應該是沒問題。”
「金貨1枚以上!? たっか!」
“一枚金币以上!?啊!”
「そういえば、在庫を全部売れば、土地代ぐらいは払えるのよねぇ」
“这么说来,如果把库存全部卖了的话,大概能支付土地费吧。”
「それは反対! 貴重な甘味は残すべき!」
“反对那樣做!应该保留贵重的甜味!”
「私たちの成果じゃないので言いづらいですが、どちらかと言えば私も……」
“因为不是我们的成果,很难發表意見,但要说起来我也是……”
そんなハルカの言葉にすぐさま反対したのはユキ。そして、ナツキも消極的ながら否定的である。
对Haruka的话立刻反對的是ユキ。而ナツキ也消极的抱持否定意見。
「私もどちらかと言えばそうだけど、ナオとトーヤは?」
“我也要说的话就是这样,ナオ和トーヤ呢?”
「俺は半分ぐらいなら売っても……」
“我的話,只卖一半的话……”
「「え……」」
“诶……”
「いや、やっぱり残すべきだな」
“不,还是应该留下吧。”
「ああ、そうだな、美味いもんな!」
“啊,沒錯,畢竟很好吃呢!”
ユキとナツキの悲しそうな顔に、すぐさま意見を翻す俺と、同調するトーヤ。
面对ユキ和ナツキ悲伤的表情,我马上改变了意见,和トーヤ一同赞同。
どうせ家の代金は稼がないといけないのだから、女性陣を悲しませてまで急ぐ必要は無いよな。
反正家里的钱要挣,所以没有必要急着让女性们伤心吧。
「ドライフルーツは遠征するときの食料にも役立つから、私も残すのに賛成かな? 他の安いドライフルーツも買うつもりだけどね」
“果乾有助于远征时的食物,我也赞成剩下吗?我还打算买其他便宜的果乾”
価格重量比なら、他のドライフルーツは数分の1で買えるのだ。ディンドルだけを食べるのは贅沢という物だろう。
如果是價重比的话,其他的果乾只需几分之一就可以买到。只吃ディンドル是一种奢侈吧。
いくらたくさんあっても、全員で毎日1、2個ずつ食べれば春までは保もたないだろうし。
不管有多少,如果全部人每天都吃一两个的话,是留不到春天的。
「でも、金貨400枚なんて短期間で稼げるかな?」
“但是能在短时间内赚到400枚金币左右吗?”
「そうね、高そうには思うけど、2人の鎖帷子の代金の1.5倍に過ぎないと思えば、少し気軽じゃない?」
“是呢,虽然觉得很多,但只不过是两人鎖子甲的1.5倍,如果這樣想的話,會比較轻松點吧?”
ユキに対してハルカがそんな事を言うが、ユキの方は逆に、『え!?』という顔になる。
ハルカ對ユキ说出了這樣的事情,而ユキ却反过露出『耶!?』那樣被嚇到的表情。
「……いや、そう言われると逆に、鎖帷子を着るのが怖くなったんだけど」
“……不,被你这么一说,反而會害怕穿鎖子甲。”
「まぁ、日本円なら100万以上の服(?)だからなぁ」
“嘛,換算日元的话,100萬以上的衣服(?)啊”
「そう考えると、結構高いわよね、鎖帷子」
“这么想的话,鎖子甲相当贵啊”
トーヤの鎖帷子とか、車が普通に買える。
像トーヤ的鎖子甲之類的,一般都能買車了。
「でもよく考えたら、昔の大鎧とか2~3,000万円ぐらいかかったって話だし、そうおかしくはないのかな?」
“但是仔细想想的話,据说以前的武士铠甲之類的要花 2~3000 萬日元左右呢,那樣不是很奇怪吗?”
「え、マジで?」
“耶,真的吗?”
「うん。昔の武士は大変だったみたいだよ。屋敷を建てるようなコストを掛けて、鎧を仕立てないといけなかったから」
“嗯。以前的武士好像很辛苦。就如支出蓋大樓般的成本那樣,不做鎧甲是不行的呢”
「うわ……やっぱ手作業だけに、手間賃が高いんだろうなぁ。鎖帷子も面倒くさそうだし」
“哇啊……果然因为是純手工製,工钱很贵啊。鎖子甲看起来也很麻烦”
手作業で細かい鎖を作るのなんて、考えるだけで嫌になる。
用手工製作细緻的锁链,光是想到就覺得讨厌。
「手間がかかるのは確かだが、どうもそれに使っている白鉄というのが高いみたいだぞ?」
“确实是很费事费时,但总觉的是用了白铁才會很贵的樣子吧?”
そう言ったのはトーヤ。
那样说的是トーヤ。
ガンツさんのところでショベルを作った際、色々聞いてきたらしい。
在GANTZ先生那里制作挖掘机的时候,听说了很多的樣子。
「そうなのか?」
“是這樣吗?”
「ああ。それって錆びない上に軽いだろ?」
「啊。那个不仅不会生锈而且很轻吧?”
「錆びない、かどうかはまだ解らないが、確かに鉄を使っているにしては軽い気がするな」
“虽然还不知道是否生锈,确实就使用了铁來說覺得有點轻。”
「同じ大きさの普通の鉄の塊と持ち比べればすぐに解るぐらい軽いんだよ。一瞬、アルミかと思うぐらいに。鉄の半分ぐらいじゃないか? オレの感覚だが。それでいて、強度は2、3倍」
“和同样大小的正常铁块相比,轻得可以马上分辨出来。一時會以為是铝呢。雖然只是我的感覺,這不是才铁的一半左右吗?。尽管如此,强度是2、3倍”
「そりゃ凄い。確かに高いだろうな、そりゃ」
“那樣太厉害了。那樣的話确实會很贵啊,”
「えー、そのへん知らずに買ってたの? このめちゃ高い防具を?」
“耶,你什么都不知道就买了吗?这个超貴的防具?”
そう言いながら、俺がそのへんに置いておいた鎖帷子を持ち上げるユキ。彼女が軽く片手で持ち上げているあたり、その軽さがよく解る。
ユキ一边这么说着,一边拿起我事先放在那里的鎖子甲。她轻鬆地用單手就拿了起来時,就可以理解有多麼輕。
「そのへんはガンツさん――武器屋の親父に任せたからな。素人が知識も無いのに口を出すより良いだろ?」
“那些就交给ガンツ先生——武器店的老爺子了。外行人连知识都没有,还不如插嘴好吧?”
「確かに、それも一つの方法ではあるよね。信用できる相手なら」
“确实呢,这也是一个方法。如果是可以信任的对象的话”
「ちなみに、素材の値段は鉄の10倍はするらしいぞ? 加工性も圧倒的に悪いらしいし。俺のイメージだと、ステンレスだな」
“顺便一題,材料的价格好像是铁的10倍哦?加工性也压倒性地差,就我對不鏽鋼的印象呢”
「そりゃ、日本で手作業で作業したら、多分100万どころの話じゃないな」
“那是因为在日本人工製造的话,大概是100万日元左右吧。”
ステンレスってめちゃ硬いんだよなぁ。そんなに太くないステンレスの針金を切るだけでも、安物のニッパーとかだとかなり苦労するぐらいに。
不锈钢非常硬啊。用廉价的钳子光是要剪掉沒有很粗的不锈钢絲,就相当辛苦了。
それを機械を使わずに針金から作ると考えたら、どれぐらいのコストがかかるか……。
如果完全不用機器,用鋼絲直接做的话,不知道要花多少錢呢……。
「でも、金貨400枚と言うと多い気がするけど、毎日猪を狩ってきたら、2ヶ月かからずに貯まるのよね」
“但是,雖然觉得說 400 枚金币很多,但如果每天都去獵野猪的话,不到两个月就可以存到了。”
「凄い……いや、凄くない? 基準が解りづらいなぁ」
“好厉害……不,不厉害嗎?标准很难判斷啊”
首をかしげるユキ。
歪着头的ユキ。
猪を狩る手間や危険度も考えないといけないし、通貨の価値も何を基準にするかで違うから、換算はしづらい。
必须要考虑猎猪的时间和危险度,货币的价值也會以什為基準而不同,所以很难比較。
一応、普段は1レア10円ぐらいで考えているのだが、それは主食のパンをベースに考えただけで、果物や宿泊費をベースに考えるとイマイチ合わなかったりする。
姑且是以 1 雷亞換 10 日元來估算,但那是以作為主食的麵包來考慮,如果以水果和住宿費為基準來考慮的話,就不太合适了。
「単純に日本円に換算すると、40万レアで、日本円で400万。5人で割ると、月収40万。結構稼げるな?」
“单纯换算成日元的话,40万雷亞就是400万日元。5 人分的话,月收入40万。相當賺不是嗎?”
トーヤは単純に計算してそう言った。
トーヤ简单地计算了一下然后這麼说了。
高卒――いや、中退で月給40万はないな。物価もバラバラだし単純比較に意味が無いことは分かっているが、何となく嬉しい。
高中毕业——不,中途退学的話,月薪是没有40万的。虽然知道物价等等的单纯比较是没有意义的,不管怎樣還是很开心。
「ボーナス込みで年収480万ですか。税金や社会保険料、経費などがすべて自己負担と考えれば、さほど高くないですね。それらを考えれば、実質はその半分240万ぐらいでしょうか」
“包括奖金在内年收入480万吗。如果考慮到税金、社会保险费、经费等全部都自己负担的话,就沒有那么多了。如果考虑这些的话,实际上是一半,240 万左右吧”
「命の危険があるのに保険も危険手当もないしね!」
“明明有生命危险,却没有保险和危险津贴呢!”
そう言ったのは、ナツキとユキ。
说这些话的是ナツキ和ユキ。
いきなり夢がなくなった。何となく悲しい。
突然間變得没有梦想了。总觉得很悲伤。
「いやいや、猪以外でも稼げるし? 上手く行けば2頭以上狩れるし?」
“不不,除了猪以外也能赚钱喔?顺利的话可以猎到 2 头以上喔?”
トーヤがそう言って反論するが、ハルカは一部同意しつつも、別の部分で疑問を挟む。
トーヤ这样反驳著,ハルカ雖然有一部分同意,但其他部分却抱持疑问。
「そうね、薬草なんかでも稼いでるけど……問題はいつまで猪が獲れるかよね。今は時期が良いから数も多く出てくるし、太ってるけど、冬になると減っていって痩せても来るでしょうね」
“是啊,虽然药草之类的也能赚钱……问题是猪能捕到什么时候呢。现在是好时期,所以数量也很多很肥,但是到了冬天就会减少,就算有也是瘦下来的”
「そうなると、収入、激減ですね」
“这样的话,收入就会锐减了。”
「鹿とか居ないのか? 日本みたいに増えすぎて困っているなら、遠慮無くドンドン狩れるだろ?」
“没有鹿吗?如果像日本那样因为增加太多而感到困扰的话,就可以毫無顧慮大打出手了吧?”
日本の鹿の頭数は危険な水準で、このまま増え続けるとかなりヤバいことになるらしい。
日本的野鹿數量是在一個危险等級,如果就这样持续增加的话,會變得相当不妙的樣子。
駆除もされているらしいが、猟銃を持つ人が少なく、撃ったところで利益が出るものでも無い。困ったものである。こっちに鹿が転移してきたら、狩ってやるんだが。
雖然也有讓人去驅趕的樣子,但持有獵槍的人很少,僅是驅趕也不会有利益。也有令人為難的地方呢。如果野鹿转移到这里的话,就會去狩獵了。
「日本の鹿は狼が居なくなったのが原因だからねぇ。この世界の場合、魔物もいるから、普通の動物が増えすぎることは無いんじゃないかしら?」
“日本的野鹿是因為狼不在了這個原因呢。這邊世界的狀況,因为有魔物,所以一般动物不会增加太多吧?”
「逆に魔物が増えて氾濫することはあるけどね!」
“反过来說,也会有魔物暴增泛滥的可能!”
ハルカとユキ曰く、動物が増えるとそれよりは強い魔物がその動物を狩り、結果、魔物の数が増える。
ハルカ和ユキ說出了,比起动物增加,更強的魔物會去狩猎那些动物,结果魔物的數量就增加了。
増えた魔物は動物を狩り続けるが、ある一定数を超えて増えてしまうと、それまでの縄張りでは食を賄うことができなくなる。
增加的魔物会持續狩猎动物,但是如果超过一定数量增加的话,以往的地盤就會變得無法提供足夠的食物了。
そうなるとその縄張りの外へと溢れだし、側に人の集落があればそこを襲う。これが氾濫である。
那样的话就会溢出那个势力范围外,如果旁边有人的村落就会袭击那里。这是泛滥的。變成那樣的話,就會從地盤開始往周邊溢出,如果周邊有人類的聚落就会袭击那裡。這就是氾濫。
「魔物が動物の天敵として存在しているのか……あまり嬉しくないな」
“魔物是作为动物天敌般的存在吗……不怎麼令人高兴呢。”
どうせ増えるなら、ゴブリンなんかよりも猪や鹿の方が食べられるだけマシである。
反正要增加的话,比起哥布林,不如增加猪和鹿就好了,至少還能吃。
一部には食べられる魔物もいるらしいが、少なくとも俺はゴブリンを食べたくはない。
雖然有一部分的魔物可以吃的樣子,但至少我不想吃哥布林。
「猪の数が減ったら、ゴブリンの魔石、取るしかないかしら? 心理的抵抗を除外しても、あんまり効率が良くないんだけど」
“野猪数量减少的话,就只能收集哥布林的魔石了吗?排除心理上的抗拒,效率也不怎么好”
頭をかち割って、250レアだからなぁ。それを考えると――
一想到要打破頭顱才有 250 雷亞就——
「ディンドルは、エルフに対するボーナスアイテムだったよな」
“畢竟ディンドル就像是给精灵的奖勵项目呢。”
手を伸ばして実をもぐだけで、1ゴブリンである。
只需要要伸手去摘果實,就有相當一隻哥布林的價值。
とても効率が良い。
效率相當的好。
「あれだけ割が良いと、エルフ以外も取りに行きそうだけどなぁ」
“那样比较好,精灵以外的好像也会去摘呢。”
「いやいや、トーヤは上に登ってないから。俺が人間だったら、多分無理だな」
“不不,因为トーヤ没有爬到上面過。如果我是人類的话,大概不行的吧”
「そうよね。それに、時々真似をした冒険者の転落事故も起きてるみたいだから」
“是啊。而且有时也会发生仿效冒险者的坠落意外”
アエラさんなんか俺以上に気軽に登っていたが、樹高50メートルはあるような大木なのだ。
艾拉小姐虽然比我更轻松地爬上去了,但那卻是一棵高达 50 公尺的大树。
その先端に吹く風はかなり強い。
樹梢上的風吹得相当強。
そこで枝の上に立って実の収穫。そして実の詰まった袋を持っての降下。
還要站在树枝上採集果实。接著還要拿着装满果实的袋子下降。
はっきり言って登るときより下りるときの方が危ない。
坦白說,比起爬上去的時候,往下降這邊更是危险。
今ならともかく、最初の頃は命綱がなければ多分、落ちていたんじゃないだろうか。
现在姑且不论,一开始的时候如果没有救生索的话,大概會掉下来吧。
それに、ディンドルの木までの道のりも決して安全とは言えない。
而且到ディンドル树的路徑也不能说是绝对安全的。
【索敵】である程度避けることができる俺たちや冒険者であればそこまで危険ではないが、一般人にとってはタスク・ボアーやゴブリンはやはりある程度リスクのある相手なのだ。
【索敌】在某种程度上可以避开的我们和冒险者的话就没有那么危险了,但是对于普通人来说塔斯克・鲍尔和戈布林果然是有一定风险的对手。
「う~む、高いには理由があるんだな、やっぱり」
“嗯,贵是有理由的,果然。”
「そりゃそうだ。それが経済原理」
“那倒是。这就是经济原理”
「さっき、ハルカが『薬草』って言ってたけど、そっちはどれくらい利益があるの?」
“刚才Haruka说‘草药’,你那里有多少利益?”
「普通ならそんなに儲からないと思うけど、私たちの場合、【ヘルプ】と【鑑定】があるから、結構儲かるわね」
“一般情况下不会赚钱,但是我们有‘帮助’和‘鉴定’,所以能赚很多钱。”
最初にギルドに納品したときも、ディオラさんが驚いていたからな。
因为最初交付给行会的时候,迪奥拉先生也很吃惊。
「そうなの?」
“是吗?”
「普通なら薬草の種類をきっちり覚えて、見分け方も勉強した上でたくさんの草の中から探さないといけないと思うけど、スキルがあると簡単に見分けられるのよ」
“一般情况下,要好好记住药草的种类,在学习了辨别方法的基础上,必须要从很多草中找出来,但是如果有技能的话,就能简单地分辨出来。”
「ある意味、地雷が多いスキルの中ではかなり便利だよな。チートとは言わなくても、ボーナススキルと言って良いんじゃないか?」
“从某种意义上来说,地雷多的技能中相当方便。就算不说是作弊,也可以说是奖金技能吧?”
「【鑑定】とか取るヤツ、多そうだし、邪神の慈悲かもな?」
“说是‘鉴定’的人好像很多,可能是邪神的慈悲吧?”
【ヘルプ】、【鑑定】、【看破】は他のスキルとちょっと違う部分が多いんだよな、俺たちが把握している中では。
【帮助】、【鉴定】、【看破】和其他技能有很多不同的地方,在我们掌握的过程中。
何か意味があるのか、それともトーヤが言ったように邪神さんからのサポートなのか。解るときが来るのだろうか?
是有什么意义呢,还是像TOYA说的那样来自邪神的支持呢。明白的时候会到来吗?
「でも、私たちの中で【鑑定】を持っているのはトーヤくんだけなんですよね。私は【ヘルプ】を持っていますが……」
“但是,我们当中只有TOYA君有‘鉴定’吧。我有【帮助】…”
ナツキはそう言ってチラリとユキに視線を向ける。
夏树这样说着,瞥了一眼雪。
「そうですね! あたしだけ【鑑定】も【ヘルプ】も持っていませんね! トーヤ、あたしに【鑑定】を教えて! それってレベルあったよね?」
“是啊!只有我没有【鉴定】和【帮助】呢!Toya,请告诉我【鉴定】!那是有水平的吧?”
「いや、確かにレベルはあるが、これってどうやって教えれば良いんだ?」
“不,的确是有水平的,但是这个怎么教才好呢?”
レベルのあるスキルなのでコピーはできるはずだが、ある意味、一番教え方の解らないスキルと言えるかも知れない。
因为是有水平的技能所以应该可以复印,但是从某种意义上来说,也许可以说是最不懂教法的技能。
「それは……試してみるしかないよ!」
“那只能……试试看了!”
「だが、上手く教えられなかったら、取得できなくなるんだろ?」
“但是,如果不能很好地教的话,就不能取得了吧?”
「そうだけど、大丈夫だよ。そもそも取得できるようなスキルじゃ無さそうだし!」
“是啊,不过没关系。本来就不是能取得的技能!”
それは確かに。
那的确是。
後から取得できるようなスキルじゃない気はするな。
不要觉得这不是之后就能取得的技能。
「それじゃ……試してみるか? オレ、責任は取れないぞ?」
“那……要不要试试?我可不负责任啊?”
「うん、失敗しても文句は言わないから」
“嗯,就算失败了我也不会抱怨的。”
「ならやるか。鑑定のレベルは2な」
“那就做吧。鉴定的等级是2”
「了解。……うん、コピーはできた」
“明白。……嗯,复印好了”
「えーっと、それじゃ……あれでいいか」
“嗯,那就……那样可以吗?”
トーヤは乾燥ディンドルを持ってきて、ユキに差し出す。
托亚拿着干燥的丁元递给雪。
「これを見て、『これが何か知りたい』と考える。するとウィンドウが表示されて、『乾燥ディンドル ディンドルを乾燥させてドライフルーツにしたもの』と見える」
“看到这个,我想‘我想知道这是什么’。于是窗口就显示出来了,看起来像是“干燥丁美元把它晒干做成果乾”
「…………見えないよ?」
“……看不见啊?”
やはりそう簡単にはいかないか。
果然不那么简单吗。
「ユキ、これまでのスキルだって1時間以上かかってるでしょ。1回ぐらいじゃ上手く行かないわよ」
“小雪,至今为止的技能也花了1小时以上吧。一次左右的话是做不好的”
「え、つまりこれを1時間以上見つめながら、『これが何か知りたい』と考え続けろと?」
“嗯,也就是说,一边盯着这个看1个多小时,一边想着‘想知道这是什么’?”
「そうね、教える必要があるんだから、トーヤもそれに付き合う必要があるかも?」
“是啊,我有必要告诉你,也许托亚也有必要交往吗?”
「え、マジで?」
“啊,真的吗?”
揃って『そんなっ!』みたいな表情を浮かべるユキとトーヤ。
集合在一起“就是那样!”雪和TOYA脸上浮现出类似的表情。
うん、頑張れ。
嗯,加油。
「いつでもできるんですから、空いた時間に少しずつやってみたらどうですか? 上手く行けば御の字、ぐらいのつもりで」
“什么时候都可以,空着的时候一点点做怎么样?如果能顺利进行的话,大概就是“御の字”这样的意思”
「うぅ……そうするしか無いかなぁ。薬草採取に行く前に物にしたかったんだけど」
“嗯……只能这么做了吧。去采集草药之前,我想把它弄到手”
「大丈夫よ、ユキ。仕事に行くのは明日からだから」
“没关系,小雪。因为明天开始要去工作”
「……明日までに物にしろ、と?」
“……说什么明天之前拿出来?”
「さて、そろそろアエラさんのお店を見に行きましょうか」
“那么,差不多该去看阿伊拉的店了吧。”
ユキの言葉には応えず、そう言って立ち上がるハルカ。
春香没有回应雪的话,就这样站了起来。
「おーい」
“喂”
そんな風に不満を表明するユキを尻目に、俺たちも立ち上がる。
我们也站起来,无视对这样表达不满的雪。
「そうですね。ランチタイム、お客さんが入っていると良いんですが」
“是啊。午饭时间,要是有客人进来就好了”
「大丈夫だろ。少なくともあの看板があれば、客がゼロということは無いと思うぜ?」
“没关系吧。至少有那个招牌的话,客人不会是零吧?”
「え、無視? 無視なの?」
“诶,无视?无视?”
「オレも腹が減ったから、早く行こうぜ」
“我也饿了,快走吧。”
「あれ、トーヤもなの? 待って、待って! あたしも行くから!」
“咦,也有烤面包吗?等一下,等一下!我也去!”
慌てて追いかけてきたユキと共に、俺たちはアエラさんのお店へと向かったのだった。
和慌慌张张追来的雪一起,我们去了阿埃拉的店。