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242 クレヴィリー (1) 243克里维里(2)

「ところでアーリンさん、何か用事があったのでは?」

“话说阿玲,你有什么事吗?”

暗くなった気持ちを変えるように、ユキがパンと手を叩き、少し明るい声でそう訊ねる。

为了改变心情,小雪拍了拍手,用稍微明快的声音问。

「え? あぁ、そうでした。これからの予定をお話ししに来たのでした。食事は各部屋に用意されます。ハルカさんとナツキさんは、暇な時間はイリアス様の部屋で待機して頂けると助かります。メアリちゃんとミーティアちゃんは、『自由に遊びに来てください』との事です」

“啊?啊,是的。我是来谈今后的计划的。饭在各个房间里都准备好了。Haruka先生和夏树先生,如果您能在伊利亚斯先生的房间里等我的话就太好了。玛丽和米蒂亚说:“请自由地来玩。”

「解りました」

“我明白了。”

「解ったの!」

“我明白了!”

「明日の朝、川を渡り、クレヴィリーへと出発します。危険度は下がると思いますが、引き続き、護衛をよろしくお願いします」

“明天早上,渡河,出发去克里维里。虽然危险度会下降,但是请继续做护卫工作”

◇ ◇ ◇

◇ ◇ ◇

翌朝、宿を出発した俺たちは、無事に川を渡り、クレヴィリーへの街道を東へと進んでいた。

第二天早上,从旅馆出发的我们顺利地渡过了河川,沿着通往克里维利的街道向东行进。

ミジャーラ、クレヴィリー間の交通は、船を使った運搬が主体なようだが、街道もきちんと整備されていて、ピニング、ミジャーラ間に比べて移動速度はアップ。

米泽拉和克里维利之间的交通,虽然主要是用船搬运,但是街道也很整齐,和比宁、米吉拉之间移动速度要高。

盗賊や魔物も現れる事が無く、俺たちは予定通り、三日目にはクレヴィリーの門をくぐっていた。

盗贼和魔物也没有出现,我们按照计划,第三天就穿过了克里维利的门。

そうして、これからしばらくの間、厄介になる宿へと腰を落ち着けたのだが、そこまでの道中で見たクレヴィリーの街は、アーリンさんに聞いていたとおり、“綺麗”だった。

然后,在这之后的一段时间里,我坐在了麻烦的旅馆里,在去那里的路上看到的克里维利的街道,正如阿林先生所听到的那样,“很漂亮”。

スラムなどは一切無く、ラファンで俺たちが住んでいるエリアのような、少し治安の悪そうな場所も見当たらない。

完全没有贫民窟,像拉斐尔我们居住的地区一样,也找不到治安稍微不好的地方。

良く言えば、とても整備された発展した町。

好的说,是一个非常完善发展的城市。

だが、ミジャーラのスラムを見た後では、綺麗な街並みが、なんだか醜悪な物にすら感じられてしまう。

但是,看了米吉拉的贫民窟后,美丽的街道,总觉得连丑陋的东西都感觉到了。

もちろん、俺たちが気にしたところでどうしようも無いので、割り切るしか無いのだが。

当然,我们在意的地方也没有办法,所以只能作罢了。

「とりあえず、仕事の半分は終わったな。予定では五日滞在して、帰還だよな?」

“总之,工作的一半已经结束了。预定停留五天就回来了吧?”

「そうね。四日後に結婚式、翌日が帰還準備で、六日目の朝にこの町を出発する予定ね」

“是啊。四天后举行婚礼,第二天准备返回,预定第六天早上从这个城市出发”

「それまでオレたちは自由時間かぁ。気分を変えて、街に繰り出してみるか?」

“在那之前我们都是自由时间啊。换个心情,去街上看看吧?”

「うん。せっかく、他の町に来たんだしね……」

“嗯。好不容易来到了其他城镇……”

部屋に籠もっていたところで何ら生産的な事も無く、気分もあまり良くない。

即使在房间里呆着也没有什么生产性的事情,心情也不太好。

俺たちはトーヤの提案を受け入れ、適当に分かれて街の散策に出る。

我们接受了TOYA的提案,适当地分开去街上散步。

そうして、クレヴィリーを見て回ったわけだが……。

然后,我去看看克里维里……。

ダイアス男爵の領民に対する扱いには眉をひそめる物があるが、単純に悪徳領主とか、無能とかいうわけではないらしい。

对戴斯男爵的领民的处理虽然有令人皱眉的东西,但并不是单纯的缺德领主或无能。

背後にあるなんやかやを横に置けば、クレヴィリーの町は総じて治安が良く、清潔であり、栄えている。

如果把背后的什么东西放在旁边的话,克里维里的街道总体上治安良好、干净、繁荣。

日が落ちた後でも、女性一人で街中を歩けるぐらいには安全で、商売もしやすく、多くの商人が集まっている。

即使太阳落山之后,也能一个女人在街上走,安全、容易做生意,聚集了很多商人。

領民から搾取して領主だけが肥え太っている、そんな解りやすい悪徳領主でもないため、町中から怨嗟の声が、なんてこともない。

从领民那里榨取,只有领主肥大,也不是那么容易理解的缺德领主,所以街上也不会有怨声。

ピニングとクレヴィリーを比較すれば、確実にクレヴィリーの方が発展している。

如果比较pinning和克里维里的话,克里维里确实在发展。

それは間違いない。

那个没错。

間違いないのだが……。

没错……。

「国王が領主を替えれば解決、とか、そんな簡単な話じゃないよな、やっぱ」

“国王如果换了领主就解决了,果然不是那么简单的事啊。”

「うん……悪徳領主を成敗してハッピーエンド、なら良いんだけどね」

“嗯……如果是战胜了缺德领主的大团圆结局就好了。”

俺とペアで町を歩いているのはユキ。

和我一起在街上走的是小雪。

住民の明るい表情を見て、複雑そうな表情を浮かべている。

看着居民明朗的表情,脸上浮现出复杂的表情。

お金が無限に湧いてくる物があるなら簡単……でもないか。

如果有无限涌出钱的东西的话,不是很简单吗。

インフレが起きて滅茶苦茶になるだけだな。

只会因为通货膨胀而变得乱七八糟。

“湧いてくる物”を持っている人はまだ良いが、周囲は壊滅、確実に戦争になる。

拥有“涌出来的东西”的人还不错,但是周围的人会毁灭,确实会发生战争。

「とても賛成はできないが、ある意味では、成功はしてるんだよなぁ」

“我不能完全赞同,但从某种意义上说,我已经成功了。”

「領民を“人”と考えないなら、正しいのかも? 日本の戦国時代とか、そんな感じだったらしいし」

“如果不把领民当做‘人’的话,或许是正确的?日本的战国时代,好像就是这种感觉”

「『適当に増えるだろ』的な感じか。人権、無いなぁ」

“感觉‘会适当增加吧’。没有人权啊”

“人権”は生まれながらに持っているとかなんとか言ったところで、結局、それを担保する力が無ければ何の意味も無い。

不管怎么说“人权”天生就有的,结果,如果没有保证它的力量的话,就没有任何意义了。

「結局人権も、普遍的じゃなくて、社会契約的な物だよね……。あ~、気分変えるために出てきたのに、また暗い話になってる。考えても仕方ない事は忘れて、楽しもうよ! ナオと二人で歩く事なんて、あんまり無いんだし」

“说到底人权也不是普遍的,而是社会契约性的东西……。啊,明明是为了改变心情才出来的,却又变成了阴暗的话题。忘记那些想都没办法的事情,享受吧!和娜奥两个人走的事,基本上没有”

「そうだな。どこか行きたいところは? ――っても、判らないか」

“是啊。有想去的地方吗?——但是,不知道吗?”

この町に危険は無いという事で、グー、チョキ、パーで分かれた結果、俺たち以外はトーヤとナツキ、ハルカとメアリ、ミーティアで組になり、適当に歩いてみよう、となっている。

因为这个城市没有危险,所以用石头、剪刀、布分开的结果是,除了我们以外的人都是托雅、枣树、Haruka和玛丽、米蒂亚组成一组,随便走走看。

宿を出てからは全員で別々の方向に歩き出したのだが、俺たちが選んだ方向も何かしらの意図があったわけでも無い。

出了旅馆之后大家都朝着不同的方向走去,但是我们选择的方向也没有什么意图。

「んー、とりあえず、お昼ご飯、食べようか?」

“嗯,先吃午饭吧?”

「だな。今回は、トーヤの鼻は無いわけだが……」

“是啊。这次应该没有火炬的鼻子……”

商業が盛んな町らしく、食事処には事欠かない。

这是一个商业繁盛的城市,是一个吃饭的地方。

俺たちの歩いている道の両側にも、何軒もの店が並んでいるのだが、その割に屋台が無いのが不思議と言えば不思議である。

我们走的路的两侧也有好几家店,但是没有货摊子很不可思议。

「あたしはどこでも良いよ? ナオの直感で選んじゃって!」

“我哪里都可以哦?用娜奥的直觉来选择!”

「そう言われると、責任重大なような……じゃ、あそこで」

“这么说来,好像责任重大……那就在那里。”

俺の直感、ではなく、【鷹の目】が捉えた、ウェイトレスが運んでいる何となく美味そうな料理。

不是我的直觉,而是【鹰眼】捕捉到的,服务员端来的看起来很好吃的料理。

その料理を出している店を指さす。

我指的是那家料理店。

「あそこ? うん。それなりに盛況みたいだし、良いんじゃないかな? それじゃ入ろ!」

“那里?嗯。好像盛况空前,不是很好吗?那就进去吧!”

軽い足取りで先を歩くユキを追い、俺も店へと入る。

我追着迈着轻快步子走在前面的雪,也进了店里。

その途端に香ってくる美味そうな匂い。

那一瞬间散发出香味的香味。

これは、アタリかもしれない。

这可能是理所当然的。

「らっしゃい。お客さん、初めてだよね? ウチはオタルカの専門店だよ。構わないかい?」

“路上小心。客人,是第一次吧?我们是OTAKU的专卖店。没关系吗?”

俺たちが店に入ると同時に声を掛けてきたのは、典型的食堂のおばちゃん的な、少し……いや、かなりふくよかなおばちゃん。

我们进店的同时打招呼的是典型食堂的阿姨,有点……不,是相当丰满的阿姨。

汗をふきふき言われた聞き慣れない名前の料理に、俺は首を捻り、近くのテーブルで客が食べている料理を指さす。

我歪着头,在附近的桌子上指着客人吃的菜。

「オタルカというのは、あれですよね? どんな料理なんですか?」

“所谓OTAKU,就是那个吧?是什么样的菜?”

「オーク肉の細切りと芋の薄切りをソースで絡めてから焼いた料理だね。美味しいから是非食べてっとくれ!」

“这是将橡皮肉的细条和芋头的薄片用调味汁拌在一起后烤的料理。很好吃,一定要吃!”

おばちゃんの言うとおり、近くで見てもやはり美味そう。

正如阿姨所说,在附近看也很好吃。

ユキを見ると、彼女もまた笑顔で頷いていたので、俺はおばちゃんに了承を伝え、席に着く。

看到小雪,她也笑着点了点头,我向阿姨传达了谅解,就坐了。

そして、店内を見回せば、専門店と言うだけあってメニューは少ないようで、ソースの種類が三種類だけ書いてある。

然后,环视一下店内,不愧是专卖店,菜单上好像很少,上面只写了三种调味汁。

「えーっと、トマト、チーズ、塩か……ん? トマト!?」

“呃,番茄、奶酪、盐吗……嗯?番茄汁

「ナ、ナオ、トマトがあるよ、トマト!」

“那,那头,有西红柿哦,西红柿!”

「あ、あぁ。トマトだな。うん。生、か?」

“啊,啊。西红柿啊。嗯。生,吗?”

客の注文を見ていた時、確かに赤い物があるな、とは思っていたのだが、まさかトマトだったとは。

看客人点菜的时候,我以为确实有红色的东西,没想到竟然是西红柿。

ラファンでも乾燥トマトは手に入るのだが、少々高いし、あまりメジャーでないのか、食堂などで出てきた事は無い。

即使是拉风机也能买到干燥的西红柿,但是价格有点贵,可能是不是太大了,在食堂等地方从来没有卖过。

もっとも、あまり食堂を利用しないので、俺たちが知らないだけという可能性もあるのだが。

不过,因为不怎么去食堂,所以也有可能只是我们不知道而已。

「あたしとしては、トマト&チーズが一番美味しそうな気がするんだけど、単独なんだね?」

“我觉得番茄和芝士是最好吃的,是单独的吧?”

「確かに、トマトベースにチーズが載っているのは美味そうだが、ソースって言ってたし、ホワイトソース的な感じじゃないか?」

“确实,番茄酱上放芝士看起来很好吃,但是有人说是茄子,感觉像是白色酱汁。”

その場合、混ぜてしまうとちょっと微妙な感じになりそうである。

这种情况下,混合后会有微妙的感觉。

ややまろやかな、トマトのハヤシライス的に、それはそれで美味いかもしれないが。

对稍微醇厚的西红柿的牛肉烩饭来说,那个也许很好吃。

「そっかー、それだとちょっとイメージとは違うよね」

“这样啊,这样的话和印象有点不一样呢。”

少し残念そうにユキが首を振る。

雪有些遗憾地摇了摇头。

俺は……ここはやはりトマトか? チーズはチーズで美味そうだが……いや、大穴的に塩も美味いのか?

我……这里果然是番茄吗?芝士看起来很好吃……不,大坑里的盐也很好吃吗?

トマト、チーズと来て、塩。

西红柿,奶酪,盐。

その落差が怪しい。

那个落差很奇怪。

少なくとも同等ぐらいには美味しくないと、レギュラー落ちするだろ。

至少同等程度的不好吃的话,会掉常规的。

つまり、塩という名前からは想像できないほど美味い……?

也就是说,盐这个名字是无法想象的美味……?

うむ、なかなかに迷わせるじゃないか。

嗯,这不是很容易让人迷惑吗。

「注文は決まったかい!」

“决定点餐了吗?”

おっと、おばちゃんがやってきた。

哦,阿姨来了。

ちょっと急かされる感じではあるが、この世界では普通。

虽然有点被催促的感觉,但在这个世界上很普通。

のんびりと席を占有する事は許されない。

不允许随便占座位。

「あ~、トマトソースを基本に、その上にちょろっとチーズを掛ける事ってできます?」

“啊~以番茄酱为基础,在上面稍微撒上芝士可以吗?”

「うん? そりゃ構わないけど、美味くなくても知らないよ?」

“嗯?那倒没关系,不过就算不好吃也不知道啊?”

俺の質問に、あっさりとオーケーしつつ、不思議そうな表情を浮かべるおばちゃん。

对于我的问题,阿姨很爽快地答应了,脸上浮现出不可思议的表情。

俺の想像する味とは違う可能性もあるわけだから、不味くなる可能性もゼロでは無い。

可能和我想象的味道不一样,不好吃的可能性也不是零。

だが、ここは挑戦するべきだろ。

但是,这里应该挑战一下吧。

「はい。構いません。できるならそれで」

“是的。没关系。如果可以的话”

「じゃ、じゃあ、あたしもそれで」

“那么,那我也要那个。”

頷く俺に、ユキも少し慌てたように追従。

对点头的我,雪也稍微有些慌张地追随着。

コイツもチャレンジャーである。

这家伙也是挑战者。

「あいよ。サイズはどうするんだい?」

「爱啊。尺寸怎么办?”

「サイズ?」

“尺寸?”

「大、中、小から選べるよ。普通は中かね。あの大きささ」

“可以从大、中、小中选择。一般是中间吧。那个大小”

おばちゃんが指さした方を見ると、ちょうどウェイトレスがオタルカの入った器を持って運んでいるのだが――。

看了阿姨指的方向,服务员正拿着装有渥太华的器皿来搬运。

「デカっ!」

“好大!”

器の大きさは深さ五センチほど。

容器的大小大约五厘米深。

直径は……二五センチぐらいはあるか?

直径……有25厘米左右吗?

器の縁、ギリギリまで入っているわけではないが、アレが芋と肉の塊なら、ちょっと食えない。

容器的边缘,并不是勉强放进去,但如果是芋头和肉块的话,就有点吃不下去了。

イメージ的にはMサイズのピザを一人で二、三枚、平らげるようなものである。

印象中,一个人能吃两三张M码的披萨。

「……小でお願いします」

“……请给我小一点的。”

「あ、あたしも……」

“啊,我也是……”

「そうかい? やっぱ、エルフは小食なんだねぇ」

“是吗?果然,精灵是小食啊”

少し不思議そうにそんな事を言いつつ、テーブルを離れていくおばちゃんだが……いや、エルフ関係ないだろ。

有点不可思议地说着这样的话,离开桌子的阿姨……不对,这和精灵没关系吧。

トーヤなら食えるだろうが、正直、『普通って何?』ってレベルである。

说实话,“普通是什么?”的水平。

「この辺の人って大食いなのかな?」

“这附近的人吃得多吗?”

「いや、どうだろうな……シェアして食ってる人もいるみたいだが」

“不,怎么样呢……好像也有人一起吃。”

おそらく『大』サイズのオタルカ。

恐怕是“大”号的宅卡。

直径四〇センチぐらいはありそうな、ウェイトレスが一人で運ぶのに苦労するほどの物を、数人で分けて食べているテーブルもある。

还有一张桌子,几个人分着吃直径大约有四十厘米左右的、服务员一个人搬运起来很辛苦的东西。

さすがにアレを一人で食べる人はいないだろう。

果然没有一个人吃那个的人吧。

「それより、同じのにする必要は無かったんじゃないか?」

“比起那个,没有必要要同样的吗?”

「えー、せっかく美味しそうなのに?」

“啊,好不容易看起来很好吃啊?”

「美味しくないかも、と言ってただろ? それに、分けて食べるって方法もあっただろ?」

“你不是说不好吃吗?而且,也有分开吃的方法吧?”

具体的には、塩も食ってみたかった。

具体来说,我也想尝一下盐。

ユキが迷うようなら勧めてみるつもりだったのだが、すぐに決めてしまったので、残念ながら言えなかったが。

如果雪犹豫的话,我想推荐一下,但是马上就决定了,很遗憾没能说出来。

「あぁ、そうだよね。一つの料理を分けて食べるのもカップルっぽいよね?」

“啊,是啊。把一道菜分开吃也很像情侣吧?”

「いや、カップルじゃねーけど」

“不,不是情侣。”

悪戯っぽく笑うユキの言葉は、しっかりと否定しておく。

恶作剧般笑着的雪的话,要好好否定。

一つの皿から食べたら確かにそれっぽいが、頼めば取り皿ぐらい出してくれるだろ。

从一个盘子里吃确实有点那个味道,点的话至少会拿出盘子来吧。

ハルカ相手なら、あんまり気にしないんだが。

如果对方是春佳的话,我就不太在意了。

「つれないなぁ。良いんだよ? ハルカ一人に絞らなくても。この世界なら」

“真没出息。可以吗?不必一个人绞尽脑汁。如果是这个世界的话」

「俺とハルカは別に――」

“我和Haruka没什么关系——”

「いや、そのへんはもう良いから。確定なのは判ってるから。面倒くさいやり取りは無し」

「不,这一点已经够了。我知道是确定的。没有麻烦的对话”

「面倒くさい言うなし!」

“别说麻烦的话!”

「だって、いつ一線を越えるかだけの話でしょ? 日本にいる時は、トーヤにワンチャンあるかと思ってたけど、どうもそんな感じじゃないし?」

“因为,只是什么时候越过那条线而已吧?在日本的时候,我以为TOYA会有小狗,但总觉得不是那样的感觉吧?”

「うぐ……うん、まぁ……」

“唔……嗯,嘛……”

トーヤも幼馴染みではあるんだが、家が近い俺の方が、心的距離も近かったという事なんだろう。

虽然Toya也是青梅竹马,但是家近的我,心理距离也比较近吧。

トーヤの方もそんなハルカの気持ちが分かっていたのか、微妙に一線を引いている部分があったようにも感じるし。

托亚也能感受到春香的心情,感觉到她有着微妙的划分线。

「あ、言っとくけど、早く一線越えろ、とかそんなつもりは無いからね? むしろ計画的に? ハルカが産休に入ると困るから」

“啊,我告诉你,你没有想快点越过那条线之类的想法吧?不如说是有计划地?因为Haruka要是休产假的话就麻烦了”

「ぶっちゃけるなぁ、おい……」

“说实话,喂……”

「避妊具があればむしろ背中を押す所なんだけど……。そうすれば、あたしたちもやりやすくなるし」

“如果有避孕器具的话,倒不如说是在推背……。这样的话,我们也会变得容易做”

「……やりやすくって、何だよ?」

“……这么容易做,是什么?”

「え? ナオへのアプローチ?」

“啊?去娜奥的方法?”

「ぶっちゃけすぎだろ! 俺、ハルカ以外と結婚するつもり無いぞ!?」

“老实说太过分了吧!我没打算和Haruka以外的人结婚

『何言ってるの?』とばかりに、平然と応えたユキに、俺は思わず口走る。

“你在说什么?”我不由得脱口而出。

「あ、ハルカとはするつもりあるんだね」

“啊,你是打算和Haruka交往的吧。”

「ぐっ……」

“咕……”

……まぁ、したいと思っているのは否定できない。

……嘛,我不能否定你想做的事。

なんだかんだ言っても、その……好きだし?

不管怎么说,那个……喜欢吗?

「う~ん、男の子って、案外結婚に夢を見てるよね」

“嗯,男孩子,意外地对结婚做梦呢。”

「えぇ!? ダメなのか?」

“啊,我的直觉!”!?不行吗?”

「ダメじゃないけど、現実も重要。安全に、裕福に、心穏やかに生活できるなら、ある程度のことは妥協できるの」

“虽然不是不行,但现实也很重要。如果能安全、富裕、心平气和地生活的话,某种程度上可以妥协”

「……妥協してまで結婚するのか?」

“……要妥协结婚吗?”

妥協が必要なら、結婚しなくても良いと思うのは、俺だけだろうか?

如果需要妥协的话,不结婚也可以的,只有我吗?

「愛さえあれば貧乏でも、なんて、ナンセンス。お金さえあれば、多少は愛が目減りしても許容できるよ? 結婚に利があるなら」

“只要有爱,即使贫穷,也没什么意义。只要有钱,即使爱少了也能原谅哦?如果结婚有好处的话”

「“利”で結婚するのかよ……」

“是以‘利’结婚吗……”

「大切だよ? “利”は。家族って結局、最小単位の社会。暗黙も含めた諾成契約に基づく、相互利益を追求する集団。“利”が無ければ契約は成り立たないし、その契約を第三者に示すための一形態として結婚という儀礼があるんだよ。――あたしは普通に好きだしね」

“重要啊?”利”是指。家庭最终还是以最小为单位的社会。这是一个基于隐含的承诺合同,追求相互利益的集团如果没有“利”的话,契约就不能成立,为了向第三者表示这个契约,有一种结婚的礼仪我只是普通的喜欢而已”

「んん? なんか小難しい事を言ってるが、つまりは?」

“嗯?说了些什么难懂的话,也就是说呢?”

「日本ならともかく、ここで一人で生きていくのは辛い! 寄らば大樹の陰。安全に稼げる集団に所属すべき!」

“日本的话暂且不说,一个人在这里生活很痛苦!近则大树荫。应该属于能安全赚钱的团体!”

「理解した」

“我理解了”

そう言われると、ユキの言っている事は間違っていない気がしてくる。

被那样说的话,我觉得小雪说的事情没有错。

理解はしたが、それで俺が結婚というのも――。

虽然理解了,但是我结婚也是——。