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304 一時帰還へ (1)

304暂时返回(1)

轟音を立てて岩棚の上に落下する岩塊。

巨响后落在岩架上的岩石。

響くハルカの叫び声。

回响着Haruka的呼喊声。

そして落下していく、ナオとナツキ。

然后落下,娜奥和夏树。

それらがほぼ同時に起こった。

那些几乎同时发生了。

崖の崩落時、岩棚の内側の庇状になっている通路側に避難して、難を逃れたハルカたちだったが、それはナオから、そして落下するナツキから距離を取る事でもあった。

山崖崩塌时,哈尔卡他们在岩架内侧的屋檐状通道边避难,逃过了灾难,但那是从那奥和落下的海枣之间的距离。

「ナ、ナオお兄ちゃんが、落ちちゃったの!」

“娜奥,娜奥哥哥掉下去了!”

「わ、わわ、ど、どうしましょう!?」

“哇,哇,怎么,怎么办呢?”

血の気の引いた青い顔で、あわあわと慌てた様子を見せるメアリたちに、ハルカはフッと息を吐くと、静かに答える。

面对脸色发红、慌慌张张的玛丽们,Haruka呼了一口气,静静地回答。

「落ち着いて。ナオは落ちたわけじゃないわ。自分で跳んだの」

“冷静点。那奥并没有掉下去。是自己跳的”

「……何も考えずに跳んだりはしない?」

“……要不要什么都不想就跳?”

「えぇ。ナオは考え無しじゃない。それぐらいは信頼できるわ」

“诶。娜奥不是没有考虑过吗。这点我可以信赖”

声色こそ落ち着いて聞こえるものの、そんなハルカの顔色は悪く、その手は強く握りしめられている。

虽然声音听起来很平静,但是春香的脸色很差,紧紧地握着她的手。

そして、崩落した岩壁による土煙が晴れると同時に、岩棚の縁に駆け寄ると、下を覗き込んだ。

然后,在崩塌的岩壁上的土烟散开的同时,跑到岩架的边缘,向下看。

だが、そこに見えるのは白い水煙のみ。

但是,那里能看到的只有白水烟。

ナオとナツキの姿はまったく見えない。

根本看不到娜娜和枣的身影。

解っていた事だろうが、改めて現実を見せつけられ、ハルカがより強く拳を握る。

虽然这是已经明白的事情,但再次展现了现实,Haruka更加用力地握着拳头。

そんなハルカの拳を、隣に立ったユキがそっと握り、力を緩めるように撫でると、ハルカは首を軽く振って深呼吸すると、ユキの手を握り返した。

站在旁边的雪轻轻握着春香的拳头,像放松了一样地抚摸着,春香轻轻地摇了摇头,深呼吸后,握回了雪的手。

「落ち着いて、ね?」

“冷静点,对吧?”

「えぇ、解ってるわ。解ってる……」

“啊,我知道。我知道……”

ユキよりもむしろ自分に言い聞かせるように繰り返すハルカに、後ろから声が掛かった。

比起雪,更像是对自己说的那样反复的遥,从后面传来了声音。

「どうだ?」

“怎么样?”

その声にハルカが振り返ると、そこにはいつの間にか降りてきていたトーヤが立っていた。

听到这个声音,春香回头一看,不知什么时候下来的火炬就站在那里。

「トーヤ……早かったわね」

“早啊。”

「そりゃな。あんな状況だからな。即座に降りて来たさ。縄梯子は、あの下だがな」

“那是当然的。因为是那样的状况啊。我马上就下来了。绳梯在那下面”

困ったように背後を指さしたトーヤは、深くため息をつく。

困惑地指向背后的火炬,深深地叹了一口气。

先ほど崩落したのは、縄梯子を固定していた部分であり、そこがそのまま落下すれば、縄梯子がその下敷きになるのは当然だろう。

刚才塌落的是固定绳梯的部分,如果那里就那样落下的话,绳梯就成为其下面的铺垫也是理所当然的吧。

もちろん、一部は見えているのだが、回収するためにはトーヤの身長よりも高い岩塊をどかせる必要がある。

当然,虽然能看到一部分,但是为了回收的话,必须要搬开比Toya的身高还要高的岩石块。

「どうする? 一番長いロープを使って、オレが一気に降りてみようか?」

“怎么办?用最长的绳子,我一口气下来看看吧?”

「それは……」

“那是……”

真剣なトーヤの顔と崖下を見比べ、暫し瞑目したハルカはゆっくりと首を振った。

与认真的TOYA的脸和崖下相比,暂时闭上眼睛的Haruka慢慢地摇了摇头。

「ナオがいない状況で、それはすべきじゃないわね。【索敵】の方はトーヤもできると思うけど、フライング・ガー、それに未知の敵。リスクが高すぎる」

“在娜奥不在的情况下,那是不应该的我想索敌也可以进行TOYA,但是飞行手,还有未知的敌人。风险太高了”

「そうか。――落ち着いているな?」

“这样啊。——冷静吗?”

「それが私の役目と自認してるから。ここで取り乱すようじゃ、ナオにも顔向けできないわ」

“我自认为那是我的职责。如果在这里慌乱的话,我也没脸面对娜奥”

そう言いながら、ハルカは気を落ち着かせるように自分の左手、その薬指のあたりを撫でる。

一边这样说着,春香一边平静地抚摸着自己的左手和无名指。

「あたしとしては、多少は良いと思うけどね。それでハルカ、ナオは考えがあって行動した、と言ってたけど……?」

“对我来说,多少有点好。然后春佳,娜娜说是有想法才行动的……?”

「えぇ。この階層がこんな状況だと解った時点で、私とナオは、かなり力を入れて『空中歩行ウォーク・オン・エア』の練習をしてたの。まだ不完全だけど、落下速度を緩めるぐらいの事はできるはずよ。――私の方が得意だから、本当は私が跳ぶべきだったんだけど」

“诶。在知道这个阶层是这样的情况的时候,我和那奥相当努力地练习了《空中步行》。虽然还不完全,但是应该可以减缓下落速度的。——因为我比较擅长,所以其实我应该跳”

「場所が悪かったよね。それにハルカ、ナツキの二人と、それ以外とに分かれると、バランスが悪いから、ナオが行って正解じゃないかな?」

“地方不好啊。而且,如果分成Haruka、natsuki两个人和除此之外的两个部分的话,因为平衡感不好,所以nao去了不是正解吗?”

「そうだよな。時空魔法使いと光魔法使い、ちょうど二人ずつに分かれたわけだろ? 不幸中の幸いってヤツだろ。ナオの転移魔法ですぐに戻ってこられるんじゃねぇ? 生きていれば」

“是啊。时空魔法使和光魔法使,正好分成了两个人吧?这就是不幸中的幸福吧。娜奥的转移魔法不是马上就能回来吗?如果活着的话”

「トーヤお兄ちゃん!!」

“托亚哥哥

「トーヤさん、酷いです!」

“Toya先生,太过分了!”

「うぐっ!」

“好痛!”

不必要な言葉を付け足したトーヤに、即座に年少組二人から抗議が入った。

在加上了不必要的话的TOYA,立刻遭到了两个年轻组的抗议。

言葉だけじゃなく、物理的にも。

不仅是语言,物理上也。

子供のパンチと言うにはちょっと力強いその威力に、トーヤは少しうめき声を漏らし、腹を押さえる。

对于孩子的拳头有点强大的威力,Toya发出了一点呻吟,压住了肚子。

鎖帷子だけに、衝撃に対してはそこまで強くないのだ。

正因为是锁子,所以对冲击没那么强。

「まぁまぁ、二人とも。トーヤも悪気は無いんだから……無いわよね?」

“嘛,两个人都是。Toya也没有恶意……没有吧?”

ちろり、とハルカから視線を向けられ、トーヤはブンブンと頭を高速で上下に振る。

小罗,小遥把视线投向了小遥,小塔砰的一声,头高速上下摆动。

「まったく。トーヤはタイミングが悪いんだから。……とりあえず、ここに転移ポイントを埋めておこうかな。もしかしたら、入口の方へ戻ってくるかもしれないけど」

“真是的。因为火炬时机不好。……总之,先把转移点埋在这里吧。也许会回到入口”

「そうね。一先ずはここで待ってみましょう」

“是啊。暂且先在这里等一下吧”

「そいじゃ、オレは縄梯子を掘り起こすかぁ。壊れてなければ良いんだが……」

“那我就挖起绳梯来。要是没坏就好了……”

「チェックは必要でしょうね、ワイヤーとは言っても、岩の下敷きになってるわけだし」

“检查是必要的吧,虽说是钢丝,也应该是岩石的垫。”

「トーヤ、頼める? 本当は、あたしの魔法を使うのが良いんだろうけど……」

“托亚,可以拜托你吗?其实,使用我的魔法比较好……”

「任せろ。魔力は温存しないとな。一番デカい岩は厳しいが……砕けなかったらその時は頼む」

“交给我吧。魔力必须保存。最大的岩石虽然很严峻……如果不碎的话就拜托你了”

「了解」

“了解”

「ミーも手伝うの」

“我也帮忙。”

「私も手伝います」

“我也来帮忙。”

「おう。それじゃ、手を詰めたりしないように気を付けてやっていこうな」

“哦。那就注意不要把手塞住了”

崩れてきた大きな岩は幅一メートル、高さ二メートルほどもあるが、大半は一抱えほどの岩。

崩塌的大石头宽一米,高两米左右,大部分是一抱左右的岩石。

そんな岩でも、バランスが崩れて手足の上に落ちれば、骨折は免れない。

即使是那样的岩石,如果失去平衡掉在手脚上的话,也免不了骨折。

まずは全体を見て、どこから手を付けるべきか、と考えるトーヤに、ハルカから声が掛かった。

首先看全体,从哪里开始着手考虑的Toya,从Haruka那里得到了声音。

「トーヤ、間違ってもその岩、下に投げたりしないようにね?」

“Toya,就算弄错了也不要把那块岩石扔下去吧?”

「――おっと、そうだったな。うん。もちろん解っているぞ?」

“——哦,是啊。嗯。当然知道啦?”

そうだった、とか言いながら、解っているも無いと思うが、ハルカはその事にツッコミはせず、腕を組んだままじっと崖の下を見ている。

虽然说是这样,但我想也不是很清楚,Haruka对这件事不吐槽,而是抱着胳膊一直盯着悬崖下看。

そんなハルカの様子に、トーヤとユキは顔を見合わせ、無言で肩をすくめると、メアリたちと手分けして、岩を通路の方へと移動させていく。

面对这样的春香,托亚和小雪面面相觑,默默地耸起肩膀,和玛丽他们分开,让岩石向通道移动。

そして一番大きな岩に関しては、トーヤが蹴り倒した事で二つに割れ、何とか魔法を使わずに対処する事ができた。

而且关于最大的岩石,因为Toya踢倒了,所以分成了两块,总算不用魔法就能对付了。

そうやって回収した縄梯子ではあったが……。

虽然是这样回收的绳梯……。

「少し、怪しいか?」

“有点奇怪吗?”

「うん。これに命を預けるのは、ちょっとだけ不安かも?」

“嗯。把命存在这里,可能有点不安?”

左右のワイヤーが切れていたりはしないのだが、足を乗せる金属製の横木、これが何カ所か曲がり、ワイヤーにも傷が付いているため、安全性に関しては少々疑問がある状態になっていた。

左右的电线虽然不会断开,但是放在脚上的金属横木,有好几处弯曲,电线也有损伤,所以在安全性方面多少有些疑问。

「これは補修――」

“这是修补——”

「しっ!」

“嘘!”

縄梯子を検分していたユキとトーヤの会話を、ハルカが口に指を当て、鋭く制す。

春香用手指指着检查绳梯的雪和TOYA的对话,锐意制止。

ピーーッ、ピーーッ。

皮、皮。

「来た!」

“来了!”

聞こえてきたのは甲高い笛の音。

听到了尖锐的笛声。

「二回。無事みたいだね!」

“两次。好像没事吧!”

ユキがほっと息を吐き、ハルカの険しい顔も少し緩む。

雪舒了一口气,Haruka险峻的脸也稍微松弛了。

「ええ。笛、役に立ったわね」

“是的。笛子,很有用呢”

「ナオが提案した時は、使わねぇと思ったんだけどなぁ……」

“nao提议的时候,我以为不会用……”

ナオの提案によって、万が一にはぐれた場合に備え、各自が持っている笛。

根据直人的提议,为了以防万一,各自拿着笛子。

それを鳴らす数によって、意思疎通が図れるようにハルカたちは事前に合図を決めていたのだ。

根据鸣响的数量,为了能实现意思的沟通,Haruka他们事先决定了信号。

原始的にも思えるが、通信魔法なんて便利な物は無いので、実のところ、笛というのは案外優秀な通信手段である。

虽然也可以认为是原始的,但是没有通信魔法之类便利的东西,实际上,笛子是意想不到的优秀的通信手段。

キロ単位で音が届く上に、きちんとした物を作ればかなり音が響く。

不仅能以千公里为单位听到声音,而且如果能制作出像样的东西的话,声音会很大。

今も滝の轟音が聞こえる中で、しっかりと届いているのだから、その機能性は十分と言える。

现在也能听到瀑布的轰鸣声,能够很好地传达到瀑布,所以可以说其功能性非常好。

ちなみに、彼女たちが決めていた合図は、三回がSOSの要救助、二回が無事を知らせる合図、一回がただの合図。

顺便说一下,她们所决定的信号是三次SOS的要救助,两次是安全通知的信号,一次只是信号。

それ以外、モールス符号のように長短で何種類か決めている合図もあるのだが、それをある程度でも覚えているのはハルカぐらいで、ナツキやユキですら対応表を見なければさっぱり解らないという状態である。

除此之外,虽然也有像摩斯符号那样长短决定了几种的信号,但在某种程度上也能记住的只有Haruka(Haruka),就连枣树和雪(yuki)如果不看对应表的话就完全不明白。

「でも、良かったの!」

“但是,太好了!”

「はい! ――あ、返答しないと!」

“是!——啊,不回答的话!”

「そうね! えっと……トーヤ、お願いできる?」

“是啊!嗯……托亚,可以拜托你吗?”

「おう。二回で良いんだよな?」

“哦。两次就可以了吧?”

「えぇ」

“诶?”

笛を取りだしたトーヤがそれを手に、ハルカに確認を取ると、彼女はすぐに頷いた。

取出笛子的火炬手拿着,向Haruka确认后,她马上点了点头。

「それじゃ……」

“那么……”

トーヤが大きく息を吸い込み、聞こえてきた笛の音と同様、二回大きく吹き鳴らす。

火炬大口吸气,和听到的笛声一样,大吹两次。

「ふぅ……。これでしばらくすれば、戻ってくるか」

“呼……。这样过一会儿,会回来吗?”

「たぶんね! 笛が聞こえる距離なんだから、ナオならナツキを連れて転移できるはずだもん」

“大概吧!因为是能听到笛子的距离,所以如果是直人的话应该可以带着枣树转移的”

力強く言ったユキに、ハルカも少し安心したように息をついたわけだが……。

对强有力地说了的yuki,Haruka也应该稍微放心地呼吸了……。

「来ないじゃない!」

“你不是不来吗!”

「いや、それをあたしに言われても困るんだけど……」

“不,就算我这么说我也不好办……”

最初の一、二分は機嫌良さそうに待っていたハルカだったが、それを過ぎると少し焦燥感を浮かべて足を動かし始め、五分を過ぎてついに我慢が切れた。

最初的一、二分看起来心情很好地等着的Haruka,过了那个之后稍微浮现焦躁感开始动脚,过了五分钟终于忍耐断了。

「どういう事? もしかして、ナオの魔力不足……?」

“怎么回事?难道说,娜奥的魔力不足……?”

「それもあり得るかもね。『空中歩行ウォーク・オン・エア』ってまだ不完全なんでしょ? 魔力消費もバカにならないよね」

“这也是可能的。”空中步行街还不完全吧?魔力消费也不可小看啊”

分不相応の魔法を使うと、しばらく動けなくなるほど魔力を消費してしまう事は、魔法使い組には良く知れた事。

如果使用了与己不相称的魔法,就会暂时无法动弹,消耗了魔力,这在魔法使组里是很清楚的事情。

その事をハルカも思い出す。

我也想起了那件事。

「なら、当分は戻って来られない……?」

“那暂时回不来了……?”

「ハルカさん、笛で二回の合図があったんです。そこまで心配しなくても大丈夫では?」

“Haruka,笛子发出了两次信号。不必那么担心吧?”

「ナオお兄ちゃんとナツキお姉ちゃんなら、きっと大丈夫なの! トーヤお兄ちゃんとは違うの!」

“娜奥哥哥和夏琪姐姐的话,一定没问题的!和Toya哥哥不一样!”

「……そうよね」

“……是啊。”

年少組に諭され、再び落ち着きを取り戻すハルカに対し、トーヤは愕然と顎を落とす。

面对被少年组教诲,再次恢复平静的Haruka,Toya愕然地垂下了下巴。

「何という逆の信頼感! オレってそんな扱い!?」

“真是完全相反的信赖感!我就是那样的待遇

「魔法が使えるかどうかって事でだよ。ね、ミーティア?」

“要看能不能使用魔法。喂,米蒂亚?”

「え? ……う、うん! そうなの!」

“诶……嗯,嗯!是吗!”

ユキに訊ねられ、慌てたようにミーティアが頷く。

被雪问到,米蒂亚慌张地点了点头。

きちんと空気が読める幼女。さすがである。

能很好地察言观色的幼女。不愧是。

「絶対違うし!」

“绝对不对!”

だが、残念ながらトーヤには通じなかったらしい。

但是,很遗憾,好像没有通到Toya。

当たり前である。

理所当然。

「……まぁ、オレが落ちるよりも、確実に生存確率は高いと思うけどよ~」

“……嘛,我觉得比起我的堕落,确实生存概率更高呢~”

少し不満そうながら、冷静さや状況判断に関して、ナツキたちに勝っているとの自信は無いのか、トーヤはぼやきつつも、それ以上は言わず、崖の上を見上げた。

虽然有点不满,但是关于冷静和状况判断,没有自信能战胜夏树他们吗?托亚一边发牢骚,一边不说更多的话,一边仰望着悬崖。

「ナオたち、もしかして、入口の方へ戻ったんじゃないか? これを終えたら、二〇層に戻るって話してただろ?」

“娜奥他们,难道不是回到入口了吗?”?你不是说过结束后会回到二十层吗?”

「その可能性もあるわね。ユキ、お願いできる?」

“也有这种可能性。小雪,可以拜托你吗?”

ハルカは『できる?』と質問の形式を取っているが、その視線はむしろ『できないとは言わせない』である。

Haruka说“可以吗?”虽然采取了这样的提问形式,但其视线反而是“不能说不行”。

そんな視線を向けられたユキは、コクコクと頷き、肯定するのみ。

面对这样的目光,雪只能深深地点头,肯定。

「が、頑張る! 魔力は少ないけど!」

“但是,加油!虽然魔力很少!”

すぐにユキの周りに全員が集まり、ユキが魔法を発動させようと、目を瞑り、意識を集中する。

全体成员马上聚集在雪的周围,雪为了发动魔法,闭上眼睛,集中意识。

だが――。

但是——。

「……あれ?」

“……咦?”

「どうしたの?」

“怎么了?”

目を開けて不思議そうに、そして少し焦ったように小首を傾げたユキに、不安そうに眉を寄せたハルカが訊ねる。

看着睁着眼睛不可思议地,然后有点着急似的微微歪着头的雪,不安地皱起眉头的遥问。

「えっと……転移、できない、かも?」

“嗯……转移,可能不行?”

乾いた笑いを浮かべて、ユキはそう答えた。

浮起干燥的笑容,雪这样回答。