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@ -1,6 +1,6 @@
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養蜂家の青年は、蜜薬師の娘に出会う |
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山を登るのに杖を渡されたが、これはただの杖ではなかった。 |
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荷棒にんぼうと呼ばれ、ひと休みをするときに背負子の下に入れて荷物を支えるのだという。つまり、座らずに立ったまま休憩するようだ。 |
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荷棒(にんぼう)と呼ばれ、ひと休みをするときに背負子の下に入れて荷物を支えるのだという。つまり、座らずに立ったまま休憩するようだ。 |
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「背負子を下ろしたら、再び持ち上げるのが困難なときがある。よって、なるべく短い休憩時間のときは、下ろさないようにするのだ」 |
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「なるほど」 |
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@ -20,7 +20,7 @@
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「しばし休もう」 |
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木々が生い茂り、獣しか通らないような道である。休憩するような場所ではない。 |
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しかしながら、膝の力が抜けてその場に頽くずおれる。 |
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しかしながら、膝の力が抜けてその場に頽(くずお)れる。 |
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すぐにマクシミリニャンが体を支え、何か口に押し込んできた。 |
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甘い――すぐに、蜂蜜のキャラメルであることに気付く。 |
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@ -51,7 +51,7 @@
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「暇を見つけて、リブチェフ・ラズの医者にかかったほうがいいのかな?」 |
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「リブチェフ・ラズには、医者はおらぬ」 |
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「え、そうなの!? このまま治りが遅かったら、どうしよう」 |
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「安心せい。アニャは、“蜜薬師みつくすし”である」 |
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「安心せい。アニャは、“蜜薬師(みつくすし)”である」 |
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「蜜薬師?」 |
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初めて聞く言葉だったので、思わず聞き返してしまう。 |
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