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# 289 クライミング! (2) |
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289登山!(2) |
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「「あ……」」 |
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“啊……” |
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漏れた声はほぼ同時。 |
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泄漏的声音几乎同时。 |
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ふわりと空中に浮く俺の身体。 |
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轻轻浮在空中的我的身体。 |
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体勢を整える間もなく、すぐさま重力に捕まり落下し……。 |
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调整姿势不久,马上被重力抓住落下……。 |
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「にょわっとぉぉ!」 |
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“好嘞!” |
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来るだろう衝撃に咄嗟に身体を丸めた俺だったが、襲ってきた衝撃は思ったよりも小さかった。 |
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我被冲击一下子蜷着身体,袭击过来的冲击比想象的要小。 |
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「ナイスキャッチ! とは言えないけど、ナイスセーブ?」 |
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“好棒的接球!虽然不能这么说,但是很好的保存?” |
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「……すまん、助かった」 |
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“……对不起,得救了。” |
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俺は後頭部をユキの胸に抱えられるような状態で地面に尻餅をつき、ユキもまた同じような状態で尻餅をついていた。 |
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我的后脑勺像是被雪树抱在怀里一样,在地上捣了屁股饼,雪树也以同样的状态捣了屁股饼。 |
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無理に支えようとせずに地面に転がる事で、頭だけを守って衝撃を逃がした、と言ったところか。 |
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也就是说,不想勉强支撑它,而是倒在地上,只保护头部,让冲击逃走了。 |
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なかなかに器用である。 |
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手巧。 |
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「いやぁ、さすがにこの硬い地面に、頭から落ちると危ないからね。ナオなら、受け身をとれたかもしれないけど」 |
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“哎呀,真不愧是在这块坚硬的地面上,从头上掉下来很危险呢。如果是娜奥的话,可能是被动的” |
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「いや、無理に体重を掛けた時だったから、ちょっと危なかった」 |
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“不,因为是勉强体重的时候,所以有点危险。” |
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普通に落下したわけでは無く、意図的に加速度を付けて引っ張った状態だったものだから、バランス的には最悪。 |
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因为不是普通地落下,而是有意识地加上加速度拉扯的状态,所以平衡性最差。 |
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頭をぶつける事は避けられても、足から着地、なんて事はできなかっただろう。 |
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虽然避开了碰头的事情,但是从脚开始着地之类的事情是做不到的吧。 |
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「まさか壊れちゃうとは……えっと、これか」 |
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“怎么会坏掉……咦,是这个吗?” |
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立ち上がったユキは、壁面から外れて落下した金具を拾い上げ、困ったような表情でその状態を確認する。 |
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站起来的雪树捡起了从墙面掉下来的金属零件,用困惑的表情确认了那个状态。 |
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「あぁ、ピンが折れちゃってる。実験した時は大丈夫だったんだけど……変な力の掛かり方をしたかな? ナオ、折れたピン、どこかに無いかな?」 |
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“啊,销断了。实验的时候没问题……是不是用了奇怪的力量?那奥,折断的别针在哪里没有吗?” |
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「えっと……」 |
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“呃……” |
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あそこに取り付けて、この辺に落ちてきたから……。 |
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安装在那里,掉到了这附近……。 |
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岩の隙間に転がり込んだかと思ったが、丹念に地面を調べると、折れたピンが落ちているのが見つかった。 |
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本以为是滚进了岩石的缝隙里,但仔细地检查了一下地面,发现了折断的别针掉落在地上。 |
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「これだな」 |
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“是这个吧。” |
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「どれどれ……う~ん、はっきりとは言えないけど、遊びがあったのがマズかった? 入れやすいようにと思ってたけど……」 |
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“哪一个……嗯,虽然不能说清楚,但是有游戏不好吗?我觉得很容易放进去……” |
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「俺には良く判らんが、少なくともこのままじゃ、危なくて使えないな」 |
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“我不太清楚,至少这样的话,很危险,不能用了。” |
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「うん、フィードバックして、修正するよ――トミーが」 |
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“嗯,我会反馈并修改的——汤米。” |
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トミーがかよっ! |
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托米卡耶! |
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……まぁ、専門家に任せるのは当然か。金は払ってるんだろうし。 |
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……嘛,当然交给专家了。钱也付了吧。 |
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「それに、もう一つ、本命もあるしね」 |
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“而且,还有一个真命天子呢。” |
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「本命?」 |
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“本命?” |
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「岩に穴を開けて、そこに杭を打ち込む方法。これはまだ準備できてないから、今回は持ってきてないけど」 |
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“在岩石上开个洞,把桩子打进石头里的方法。这个还没有准备好,所以这次没带来” |
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「ドリルで、ガガガッと?」 |
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“钻头,嘎嘎地?” |
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「そう。ガガガッと。あたしたちの場合、穴開けはドリルじゃなくて、魔法を使う予定だけど」 |
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“是的。嘎嘎地。对于我们来说,开洞不是钻头,而是使用魔法” |
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テレビで見るロッククライミングでは、岩壁にロープを付けるためのフックみたいなのが埋め込まれているが、あれは当然、以前登った人が取り付けた物。 |
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在电视上看到的攀岩中,岩壁上嵌入了安装绳子的挂钩,那当然是以前登山者安装的东西。 |
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あまり一般的では無いようだが、この世界でも同様に、壁面に杭を打ち込む事はあるらしい。 |
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虽然不是很普遍,但是在这个世界上也有同样的情况,将桩子打入墙面。 |
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ただ、電動ドリルみたいな物は無いので、普通は手作業で穴を開け、そこに特殊な樹脂を流し込んだ上で、杭をハンマーで打ち込む、という作業工程になるようだ。 |
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只是,因为没有电动钻头那样的东西,所以一般是手工钻孔,在那里注入特殊的树脂之后,用锤子打进木桩这样的工作工序。 |
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「その樹脂がラファンだと売ってないんだよね。錬金術で作る物だから、素材さえあれば作れるんだけど、その素材も売ってないし」 |
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“那个树脂是拉风机的话就不卖了吧。因为是用炼金术做的东西,所以只要有素材就能做出来,但是那个素材也不卖” |
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そして、その素材を探す過程でユキは、『アジャスト』に必要な素材も売っていない事に気付き、今回、ここに取りに来る事になったらしい。 |
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并且,在寻找那个素材的过程中,雪注意到了『调节器』中也没有卖必要的素材,所以这次来这里取。 |
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「錬金術師には、ちょっとやりづらい町だよね、ラファンって」 |
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“对于炼金术师来说,是个有点难搞的城市呢,拉斐尔。” |
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「人口が少ないからな。ちなみに、そっちの樹脂の方は?」 |
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“因为人口很少。顺便问一下,那边的树脂呢?” |
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「ハルカたちが取りに行ったよ。幸い、南の森の奥に行けばあるみたいだから」 |
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“Haruka他们去拿了。幸好,去南方森林的深处好像有” |
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ユキは「需要が無いから、採りに行く冒険者もいないみたいだけどね」と付け加え、肩をすくめる。 |
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雪加上“因为没有需要,所以好像也没有去采的冒险者”,耸了耸肩。 |
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「面倒ではあるが、必要な物が無事に揃いそうなのは良かったな」 |
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“虽然很麻烦,但是必要的东西能顺利地摆放在一起真是太好了。” |
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「うん。この器具の不具合も、事前に判ったしね」 |
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“嗯。这个器具的故障也事先知道了” |
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壊れた器具を掲げて苦笑を浮かべたユキは、それと折れたピンを袋に入れ、マジックバッグの中に戻す。 |
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举着损坏的器具露出苦笑的雪树,把折好的发卡放进袋子里,放回了魔术包里。 |
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「登るのは、これが無くても大丈夫、だよね?」 |
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“攀登的话,没有这个也没关系吧?” |
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「もう一つのもあるし、そもそもミスさえしなければ、道具なしでも登れそうな感じだからな」 |
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“还有一个,因为本来只要不出错,就算没有道具也能上去的感觉。” |
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安全性を考えれば、きっちりとロープを使いたいところだが、それらを使わないフリークライミングでも何とかなりそうなのがここの岩壁。 |
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如果考虑到安全性的话,虽然想好好地使用绳子,但是不使用这些的自由登山也是相当不错的。 |
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フリークライミングとか絶対に無理そうだった、ダンジョン二一層の岩壁とは違う。 |
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和自由登山绝对不行的地牢两层岩壁不同。 |
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とは言え、所詮それは原・理・的・に・は・、である。 |
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话虽如此,毕竟那是原、理、的、。 |
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イメージ的には、一〇階のマンションの屋上から安全帯無しにぶら下がれ、と言われるようなものである。 |
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从印象上来说,可以说是在没有安全带的情况下从十楼公寓的屋顶上下来。 |
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同じ事をやるにしても、高さ二メートルと二〇メートルでは、心理的な面では全然、全く、別のお話。 |
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即使做同样的事情,高2米和20米的话,在心理上完全是另一回事。 |
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俺には絶対に無理。 |
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我绝对不行。 |
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怖すぎ。 |
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太可怕了。 |
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やはり、補助道具は重要である。 |
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果然辅助工具很重要。 |
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「それじゃ、行ってみますか」 |
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“那你去看看吗?” |
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「ガンバレ、ナオ!」 |
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“加油,娜奥!” |
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ユキの声援を受け、俺は再び岩壁に取り付く。 |
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在雪的声援下,我再次跟着岩壁。 |
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器具の性能試験が目的だった先ほどとは違い、今回は登る事が目的。 |
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和刚才以器具性能测试为目的的不同,这次的目的是爬上去。 |
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俺はあまりロープに頼らないよう、しかし、万が一落ちた時のために、やや多めに金具を引っかけつつ、崖を登っていく。 |
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我不怎么依赖绳索,但是,为了以防万一掉下来的时候,我会稍微多挂一些金属零件,攀登悬崖。 |
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普通なら、持ち運べる金具の量を考慮して使うのかもしれないが、それに関しては心配する必要がない分、かなり有利である。 |
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一般来说,可能是考虑到能随身携带的金属零件的量来使用,但在这方面没有必要担心,所以非常有利。 |
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金属製の金具はもちろん、ロープも長くなれば何十キロもの重さになる。 |
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金属制的金属零件自不必说,如果绳子变长的话,会有几十公斤重。 |
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それを抱えて登っていかないといけないのだから、ロッククライミングはなかなかに過酷だ。 |
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因为必须要抱着这个爬上去,所以攀岩相当残酷。 |
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……いや、そう言えば、テレビで見た映像では、ロープを別途袋に入れて、途中で引っ張り上げたりとかしてたな? |
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……不,这么说来,在电视上看到的影像里,把绳子放在另外的袋子里,在中途拉上去是不是就这样了? |
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なるほど、あれはそんな理由があったのか。 |
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原来如此,那是有那样的理由的吗。 |
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普段の生活で、重さを感じるほどのロープを持つ機会なんて無いからなぁ。 |
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因为在平时的生活中,没有机会拥有能感受到重量的绳子啊。 |
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運動会の綱引きのロープぐらい? あれは太さからして全然違うが。 |
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运动会拔河的绳子左右?那个从粗细来看完全不一样。 |
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「しかし、異世界に来てロッククライミングを体験する事になるとは。得難い経験だな」 |
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“但是,来到异世界体验攀岩是怎么回事呢。真是难得的经验啊” |
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これもまた楽しい、と言えなくも無い。 |
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也不能说这也很开心。 |
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日本にいたら、たぶん、一生経験する事も無かっただろうし。 |
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在日本的话,大概一辈子都没有经历过吧。 |
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「三点支持だよな」 |
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“支持三点。” |
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ボルダリングを体験した時に習った。 |
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我体验了攀岩时学的。 |
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三点、つまり、両手・両足のうち、三つは常に壁に付けておくというやり方。 |
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三点,也就是说,双手、双脚中的三个经常贴在墙上的做法。 |
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時間はかかるが、安全性重視である。 |
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虽然很花时间,但是很重视安全性。 |
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そうやって登り続ける事、暫し。 |
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就这样继续攀登,暂时。 |
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下で見守るユキから声が掛かった。 |
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从在下面注视着的雪那里传来了声音。 |
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「ナオ~。たぶんそのへんだと思う。なんか、違う感じの岩がないかな?」 |
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“娜奥~。我想大概是这样吧。有没有感觉不一样的岩石呢?” |
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「違う感じって、曖昧だなぁ……」 |
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“不同的感觉很暧昧啊……” |
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少しドキドキしつつも、ロープに体重を預けて岩壁から身体を離し、周囲を見回す。 |
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虽然有点忐忑不安,但还是把体重放在绳子上,将身体从岩壁上放开,环视周围。 |
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「少し白銀っぽい鉱脈が露出してるって話だった!」 |
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“据说露出了一点银白色的矿脉!” |
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「白銀の鉱脈……あれ、か?」 |
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“白银的矿脉……咦?” |
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「見つかった?」 |
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“找到了吗?” |
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「見てみる。ちょっと待て」 |
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“我看看。稍等一下” |
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「脆いみたいだから気を付けて!」 |
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“好像很脆弱,小心点!” |
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俺は了解、と手を上げて、金具を取り付けつつその場所へ移動。 |
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我明白了,举起手,一边安装金属零件一边移动到那个地方。 |
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近づいて確認してみれば、岩の表面に幅二〇センチほどの白っぽい層があり、それが四、五メートルほど左右に伸びている。 |
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走近一看,岩石表面有一层宽约20厘米左右的白色层,约4、5米左右伸展。 |
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その色合いは、どちらかと言えば石灰石にも近く、白銀と言うのはちょっと厳しい感じだが――。 |
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那个颜色,要说起来接近石灰石,白银是稍微严厉的感觉——。 |
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「……お、これなら白銀か?」 |
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“……哦,这个是白银吗?” |
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ピックでその場所を擦ってみれば、表面が削れて何となく白銀に見えない事も無い。 |
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用拨子试着摩擦那个地方的话,表面会被削掉,也不会总觉得像白银一样。 |
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ただ、ユキが言ったとおり、その周辺の岩は脆く、ピックで叩くと簡単に崩れるので、下手にこの辺りに金具を取り付けるのは危険だろう。 |
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只是,正如yuki所说的那样,周边的岩石很脆,用拨子敲打的话很容易崩塌,所以不小心在这附近安装金属零件是很危险的。 |
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「あったっぽい!」 |
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“好像有!” |
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「あたしも上がるから、ロープ下ろして!」 |
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“我也上去,把绳子放下来!” |
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「了~解~」 |
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“完了~解~” |
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脆そうな場所を避け、鉱脈がある場所の少し上に移動する。 |
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避开好像很脆弱的地方,往有矿脉的地方稍微往上移动。 |
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そこにしっかりと金具を固定、新たなロープを引っかけてユキの所へと垂らす。 |
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在那里好好地固定金属零件,挂上新的绳子垂到雪的地方。 |
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しかし、こうして下を見ると……なかなかに高いな。 |
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但是,这样往下看的话……很贵啊。 |
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ユキの事が小さく見える、とまでは言わないが、ちょっと足がすくむ高さである。 |
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虽然不能说雪看起来很小,但它的高度有点缩腿。 |
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その高さをあまり意識しないよう、ユキの方を注視していると、ユキもあまりロープに頼らず、比較的短時間で俺の所まで上がってきた。 |
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为了不太在意这个高度,我注视着雪,雪也不怎么依赖绳子,而是在比较短的时间内爬到了我这里。 |
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「どれどれ~。うん、これがレブライト鉱石、間違いないね。これを削って持ち帰るよ」 |
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「哪一个~。嗯,这是雷布矿石,没错吧。我会把这个削掉带回去的” |
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「どれぐらいの量、必要なんだ?」 |
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“需要多少量?” |
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「指輪一個に一掴みぐらいあれば足りるとは思うけど、採れるだけ採って帰ろう。失敗するかもしれないし、たくさんあっても腐るわけじゃないからね」 |
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“我觉得一个戒指一把就够了,不过还是拿多少回去吧。可能会失败,就算有很多也不会腐烂” |
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無機物の鉱石だしな。 |
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是无机矿石。 |
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いや、マジックバッグを持つ俺たちの場合、食べ物でも数年程度では腐らないのだが。 |
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不,对于拿着魔术包的我们来说,食物几年左右也不会腐烂。 |
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「それじゃ、ユキはそっち側から削ってくれ。俺はこっちから行くから」 |
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「那么,雪就从那边削吧。我从这边过去」 |
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「ほいほーい」 |
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“真是太棒了” |
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