Browse Source

add 253 jp and sc text

PR/S015
pcnick 4 years ago
parent
commit
4a7a7f76cc
  1. 531
      253js.md

531
253js.md

@ -0,0 +1,531 @@
253 貴族の婚礼 (6)
253贵族婚礼(6)
「……とりあえず、少し食べておきましょうか」
“……总之,先吃一点吧。”
「この状況で? 心臓、強いな、ハルカ」
“在这种情况下?心脏好强大啊,Haruka”
「ナツキに聞いておいたのよ。相手の情報が全くない時にどうするか」
「我已经问过海枣了。完全没有对方的信息的时候怎么办?”
曰く、『その場に出ている料理や飲み物、それらを話題にするのが良い』らしい。
曰:“将当时出现的料理、饮料等作为话题比较好”。
と言うよりも、一番安全なんだとか。
与其这么说,不如说是最安全的。
下手に『ご結婚は?』とか、『お子さんは?』とか、『健康的ですね』とか、“一般的な”事を口にしてしまうと、地雷を踏む可能性があるらしい。
拙劣地问“你结婚了吗?”或者,“您的孩子呢?”或者说“很健康啊”、“一般”的话,可能会踩地雷。
この世界では、容姿を褒めただけで『セクハラだ!』などと言われる事は無いだろうが、無難が一番である。
在这个世界上,仅仅是夸奖了容貌就觉得“是性骚扰!”虽然不会被说成是这样,但最好的还是无灾无难。
「イリアス様は、どうされますか?」
“伊利亚斯先生,您要怎么做?”
「そうですね。私も少し食べておきましょうか。当家では、滅多に食べられない物もあるようですし」
“是啊。我也吃一点吧。在我们家,好像也有不怎么能吃的东西”
少し年相応の笑みを見せたイリアス様の視線は、美味しそうなお菓子に向いている。
看到了与年龄相称的微笑的伊莉丝大人的视线,朝向着看起来很好吃的点心。
「それでは、お取りしますね」
“那我就收下了。”
ハルカがイリアス様と自分に、そのケーキのようなお菓子をとりわけ、俺は近くにあった肉を給仕に切り分けてもらう。
Haruka让伊利亚斯大人和自己,特别是像那个蛋糕一样的点心,我把附近的肉分给了服务员。
ケーキにも興味はあるが、少々腹が減っていたので、まずは肉。
虽然对蛋糕也有兴趣,但是肚子有点饿,所以首先是肉。
薄切りにした肉がローストビーフに似ていたから、ちょっと気になっていたのだ。
因为切成薄片的肉和烤牛肉很像,所以有点在意。
「どれどれ――ウマッ!」
“哪个——好吃!”
思わず声が漏れる。
不禁失声。
ほどよい塩味と柑橘系の酸味、それに硬すぎない歯応え。
恰到好处的咸味和柑橘类的酸味,还有不太硬的口感。
確かな歯応えはあるのだが、口に残るほどではなく、肉の味が強く感じられる。
确实有嚼劲,但还没到能留在嘴里的程度,肉的味道很强烈。
正直、ガッツリと齧りつきたい気分だが、そんな事ができるわけも無い。
说实话,我想好好咬一口,但是那样的事是不可能做到的。
そして、マナー的に、お替わりも難しい。
而且,从礼仪上来说,更换也很难。
くそっ、面倒くさいマナーを考えやがって!
可恶,考虑到麻烦的礼仪!
こんなことならもっと厚めに切って……いや、そんな注文もできるわけねぇ。
这样的话就切得厚一点……不,那样的订单也不可能。
顔で笑って心で泣いて、俺は使った皿をテーブルに置くと、新しいお皿を持つ。
脸上笑着,心里哭着,我把用过的盘子放在桌子上,拿着新的盘子。
大丈夫、まだ美味そうな料理はある――ん?
没关系,还有看起来很好吃的料理——嗯?
そっと俺の腕に手を置いたハルカに、微笑まれた。
被轻轻把手放在我手臂上的Haruka微笑了。
「……あ」
“……啊”
おっと危ない。
噢,危险。
お仕事を忘れるところだった。
差点忘了工作。
既に忘れていたって?
已经忘记了吗?
うん、否定できない。
嗯,不能否定。
だが、そんな事は顔に出さず、イリアス様が皿を置くのにあわせて俺も使ってもいない皿をテーブルに置く。
但是,那样的事不在脸上露出来,伊利亚特大人放盘子的同时,我也没用过的盘子放在桌子上。
いくら何でも、主人が食べていない状態で従者が食べているとか、あり得ないから。
因为不管怎么说,在主人没有吃的状态下,随从者是不可能吃的。
そしてそれを待っていたかのように――いや、事実待っていたのだろう。笑顔で近づいてきた若い男が声を掛けてきた。
然后像是在等着那个一样——不,是在等着事实吧。笑着接近的年轻男子打了招呼。
「お初にお目に掛かります。イリアス・ネーナス子爵令嬢。私わたくし、トラダート子爵の三男、ザス・トラダートと申します」
“初次见面。伊莉亚·内那斯子爵千金。我是虎打子爵的三男,我叫萨斯.特拉达特”
「これはご丁寧に。イリアス・ネーナスです」
“这个请小心。我是伊莉亚·奈纳斯”
胸に手を当てて挨拶をした男に、イリアス様もまた、スカートに軽く手を添えて挨拶を返す。
对着把手贴在胸前打招呼的男人,伊利亚斯大人也会轻轻地把手放在裙子上回招呼。
「少し、お時間を頂いても?」
“能给我点时间吗?”
「えぇ、かまいませんわ」
“啊,没关系。”
「ありがとうございます。しかし、今回は災難でしたね。こちらに来る途中で襲われたとか。お怪我はありませんでしたか?」
“谢谢。但是,这次是灾难呢。来这里的途中被袭击了之类的。没有受伤吗?”
この貴族も、賊の事は聞いて知っていたのだろう。
这个贵族也应该知道贼的事情吧。
いきなりその事を話題に出してくる。
突然提起那件事来。
しかし、言っている事は心配そうなのに、全く心配そうに感じられないのは逆に凄いかもしれない。
但是,虽然说的话看起来很担心,但是完全没有担心的感觉反而很厉害。
「ご心配ありがとうございます。幸いな事に、私を含め、誰が怪我をする事も無く撃退する事ができました」
“谢谢您的担心。幸运的是,包括我在内,谁都没有受伤就可以击退他了”
「それは重畳。短・い・距・離・でしたのに、運が悪かったですね。盗賊の討伐などに苦労されているのでは?」
“那是叠加。虽然是短、远、离,但是运气不好。你在讨伐盗贼等方面很辛苦吧?”
「いえいえ。全く問題ありませんわ。襲われた場所も、当家とダイアス男爵領との境、微妙な場所でしたからね。兵を出す難しさ、貴族であればお解りでしょう?」
“不不不不。完全没有问题。被袭击的地方也是本家和戴斯男爵领的交界处,是个微妙的地方。出兵难,贵族的话就明白了吧?”
「えぇえぇ、そうですね。領境はなかなか難しい物です。しかし、ネーナス子爵家の領兵の皆様はあまりそう言ったお仕事が得意でないというお話を耳にしまして。少々不躾かとは思ったのですが、老婆心ながらお声がけした次第で」
“啊,是啊。领地是相当难的东西。但是,听说纳纳斯子爵家的领兵们都不太擅长这样的工作。虽然我觉得有点不礼貌,但因为我是一个老婆婆,所以没有说话”
イリアス様、そしてザス・トラダート、共に笑顔なのに、ちっとも友好的に見えない。
伊莉亚斯大人,还有萨斯·特拉德,明明都是笑脸,却一点也不友好。
なんとも貴族らしい、心配している風なのに、まったく心温まらない会話である。
明明是很贵族的、很担心的风,却一点也不暖心。
「大丈夫ですわ。我が領には腕の良い冒険者がいますからね」
“没关系。因为我的领地里有很好的冒险者呢”
「ほう、そちらが? 噂はお聞きしましたが……」
“哦,那边呢?听说过……”
ザス・トラダートの視線がチラリと俺たちの方に向いたので、軽く会釈をしておいたが、その視線は明らかに疑っているように見える。
萨斯·特拉德的视线突然转向我们,我轻轻地打了个招呼,但他的视线明显地让人怀疑。
エルフ故に年齢的な問題ではなく、おそらくは、これまで全く噂になっていなかったからだろう。
因为是精灵所以不是年龄上的问题,恐怕是因为到现在为止完全没有成为传言吧。
「ええ、とても優秀な冒険者です。どのようなお噂を耳にされたのかは存じませんが、きっとそう間違ってはいないはずですわ」
“是的,是非常优秀的冒险者。我不知道你听到了什么样的传闻,但是应该没有错”
ケトラさんが流した噂だからな!
因为这是凯特拉先生流传的谣言啊!
だが、イリアス様はそんな事はおくびにも出さずに、微笑むのみ。
但是,伊利亚斯大人并没有把那种事放在脖子上,只是微笑。
「それは少し興味がありますね。確か、ダンジョンを発見したとか?」
“我有点兴趣。确实,你发现了迷宫吗?”
そんな二人に割り込んできたのは、エルフの貴族。
挤进这两个人的是妖精的贵族。
外見的には三〇前に見えるが、実年齢は不明。
外表看起来是三十前,但实际年龄不明。
外見は例によって美形なのだが、やや怜悧さを感じる、そんな面立ち。
外表根据例子是很美的,但是稍微有点伶俐的感觉。
「これは、アーランディ・スライヴィーヤ様。はい、本当ですよ。そのおかげで、当家は大変潤っております」
“这是阿兰迪·史莱维雅先生。是的,是真的。多亏了这个,我们家很滋润”
どう考えても、大変潤っているは言い過ぎだろ。
不管怎么想,都说得太滋润了吧。
多少は貢献しているにしても。
即使多少有贡献。
もちろん、何も言わないが。
当然,我什么都不说。
「それは大変羨ましいな。どうだ? その方ら、スライヴィーヤ伯爵領に拠点を移すつもりはないか? 見ての通り、エルフ族である当家が治めている。エルフも多く、過ごしやすいと思うが?」
“那真让人羡慕啊。怎么样?那些人,不打算把据点转移到史莱维亚伯爵领吗?正如所见,精灵族的本家统治着。精灵也很多,你觉得过得好吗?”
「おいおい、聞いた話では、獣人もいるってことだろ? ウチだって決して悪くねぇぞ。ネーナスの所じゃ、結婚相手を探すにも苦労してねぇか? 仲間のために決断しても良いんじゃねぇか?」
“喂喂,听你说,也有兽人吧?我们家也绝对不坏。在妮纳斯的地方,找结婚对象也很辛苦吧?可以为伙伴们做出决断吗?”
更に割り込んで来やがった。
又加塞进来了。
今度は、さっき俺たちが見ていた(暫定)熊の獣人。
这次是刚才我们看到的(暂定)熊的兽人。
そしてやっぱり、種族の事を前に出して勧めてくる。
然后,果然还是推荐在种族面前出现。
やはり、治める貴族の種族によるバラツキという物が存在するのだろう。
果然还是存在着可以统治的贵族种族的偏差吧。
だがしかし、あまり顔を近づけてくるのはやめて欲しい。
但是,希望你不要太接近我的脸。
エルフ的に綺麗な顔も、獣耳が付いた顔も、相手が男だと全く嬉しくないし、妙な迫力がありすぎ。相手が貴族だと、下手に押し返せないし。
精灵般漂亮的脸,带着野兽耳朵的脸,对方是男人的话完全不开心,太有了奇妙的魄力。如果对方是贵族的话,就不能很好的还击了。
ハルカなど、完全に俺の後ろに隠れているぞ?
像Haruka之类的,完全藏在我身后哦?
ケトラさん、どんだけ尾ひれを付けて噂を流したんだよ。
凯特拉,你尾随了多少谣言啊。
「お二人とも、少々マナー違反では? 彼らは当家の庇護下にあります。まずは父に話を通してから声を掛けるべきでしょう?」
“两位都有点违反礼仪吧?他们在本人家的庇护下。首先应该先跟父亲说一下再打招呼吧?”
小さい身体を割り込ませるように主張したイリアス様に、二人の大人は顔を見合わせる。
两个大人面对着主张要让小小的身体挤进去的伊利亚斯大人。
「ふむ。それもそうですね」
“嗯。那也是呢”
「お嬢ちゃんの顔を立ててここは引こうか」
“站在你女儿的脸上,离开这里吧。”
若干微笑ましい物を見たような笑みを浮かべながら、頷きあう大人たち。
带着仿佛看到了多少令人微笑的东西般的笑容,互相点头的大人们。
「そちらのお二人も、何か困った事があれば――」
“如果你们两位也有什么困难的话——”
「スライヴィーヤ様?」
“史莱维亚大人?”
「余計な一言でしたね。それでは、イリアス嬢、いずれまた」
“这是多余的一句话。那么,伊利亚特小姐,改天再见”
「またな、お嬢ちゃん」
“再见,小姐。”
軽く手を挙げて去って行くエルフと獣人に、俺とハルカも軽く頭を下げ、イリアス様はホッと一息つく。
我和Haruka也轻轻地向轻轻举起手离开的精灵和兽人低头,伊莉亚斯大人松了一口气。
……そういえば、最初に話していたザスなんとかは、いつの間にかいなくなってるな?
……这么说来,最初说的那件事,什么时候消失了呢?
伯爵が出てきて、ビビったのだろうか?
伯爵出来了,害怕了吗?
獣人の方は爵位を口にしなかったが、対等以上に話していたところを見れば、そういう事なのだろうし。
兽人虽然没有说爵位,但如果看他说的是对等以上的话,应该就是这样的吧。
「なんとか乗り切りましたね」
“总算突破了呢。”
「お疲れ様です、イリアス様」
“辛苦了,伊利亚斯先生。”
「いえ、お二人も精神的に疲れたでしょう? さ、早く料理を取りましょう」
“不,你们两位精神上也很累吧?”?那么,快点上菜吧”
「はい」
“是的。”
俺たちの労いに、イリアス様は頬を緩ませて、お皿を手に取る。
为了我们的辛劳,伊利亚斯大人放松了脸颊,拿起了盘子。
これで一息はつけるが、もうしばらくしたら、主役の相手も必要なんだよな……。
这样就可以喘口气了,再过一会儿,主角的对手也需要啊……。
ガンバレ、イリアス様。
加油,伊利亚特大人。
俺たちは先ほど同様、置物になっているから。
我们和刚才一样都是摆设。
しかし、襲撃の事から視線を逸らせるという意味では、十分に役に立っている気もするが、逆に他の面倒事が増えているようにも思えるのだが。
但是,从将视线从袭击的事情移开这层意义上来说,虽然觉得十分有用,但反而觉得其他的麻烦事增加了。
そう思ったのは俺だけでは無かったようで、ハルカがイリアス様に尋ねる。
这样想的好像不只我一个人,Haruka问伊利亚斯大人。
「イリアス様、私たちの噂を流した事、逆効果になっているのでは?」
“伊利亚斯大人,你是不是把我们的传言传出去了,起到了反效果了?”
「いえ、当初の予定通りです。当家が侮られる事に比べれば、ハルカさんたちに引き抜きの声が掛かる事は、ずっと良い結果です」
“不,和当初的计划一样。比起家里被欺负的事情,Haruka他们被挖角的声音,是更好的结果”
簡単に言えば、“襲撃を受けるほど弱い貴族”よりも、“引き抜きの声が掛かるほど、有能な冒険者を抱えた貴族”というイメージを前に出す、という事らしい。
简单来说,比起“越是受到袭击越是软弱的贵族”,“越是有着拔刀的声音,越是有能力的冒险者的贵族”这样的形象出现在了大家面前。
強い冒険者がいても、貴族家自体が強いわけではないのだが、そんな冒険者が居を定める領地というブランド、もしもの時に依頼を出せる立場、というのは俺たちが思う以上に有効らしい。
虽然有很强的冒险者,但贵族家本身并不是很强,但是冒险者所居住的领地这一品牌,如果当时能提出委托的立场,似乎比我们想象的要有效。
――もちろん、それが本当に高ランクの冒険者であればだが。
——当然,如果那真的是高等级的冒险者的话。
どう考えても今の俺たちでは、役者不足である。
怎么想都觉得现在的我们演员不够。
正直、実際に引き抜きの声が掛かると困ってしまう。
说实话,如果真的有人说要拔出来的话会很困扰。
「あ、もちろん、ご迷惑はおかけしませんので、ご安心ください。面倒事は当家の方で引き受けますので」
“啊,当然不会给您添麻烦,请放心。麻烦的事情由本人来承担”
そんな俺の心配を察したのか、イリアス様がニッコリと微笑む。
也许是察觉到了我的担心,伊莉亚斯大人微笑着。
さすがは小さくとも貴族、先ほどの対応を見ても、とても俺では敵わない。
不愧是小贵族,即使看了刚才的应对,也根本敌不过我。
「しかし、あのお二人が声を掛けてきてくださったのは、正直助かりました。あのおかげで、かなりの面倒事が省けましたから」
“但是,那两位跟我打招呼,说实话帮了我大忙。多亏了那个,我省去了很多麻烦事”
「お二人というのは、アーランディ・スライヴィーヤ様と獣人の方ですよね? あの方は?」
“你们俩是亚兰迪・斯莱维雅和兽人吧?那位呢?”
「彼はランバー・マーモント侯爵です」
“他是兰巴·马蒙特侯爵。”
「……え? 侯爵本人? 当主ですか?」
“……诶?侯爵本人?你是户主吗?”
侯爵の何番目の息子、と続くと思って聞いていたのに、侯爵で言葉が切れた。
我还以为是侯爵的第几个儿子,就这样听着,可是侯爵的话中断了。
まさかと思って聞き返したのだが、イリアス様は無言で頷くのみ。
我以为不会吧,就反问了一下,伊利亚斯大人只是默默点头。
本当に本人らしい。
真像本人。
「あの、イリアス様。男爵家の婚礼に、なぜ侯爵家の当主がお越しになっているのですか? 普通、ありえないことですよね?」
“那个,伊利亚斯大人。为什么侯爵家的户主会来参加男爵家的婚礼呢?一般来说是不可能的吧?”
ハルカの当然の疑問に、イリアス様は少し困った表情になる。
对于Haruka理所当然的疑问,伊莉亚斯大人表情有些为难。
「……先ほどの事を見ても判るとおり、あの方は少々、型破りな方ですから。私など小さい頃、初対面で抱き上げられた事がありますよ?」
“……正如刚才看到的事情也能明白的那样,那个人有点破天荒。我小时候,第一次见面就被抱起来过哦?”
「イリアス様を、ですか?」
“是伊利亚斯大人吗?”
「えぇ。数年前の事になりますが」
“诶。这是几年前的事了”
近所のおじちゃん、おばちゃんレベルならともかく、普通の貴族が、他家の子供を抱き上げる事などまずあり得ない。
如果是附近的大叔、大妈级别的话就另当别论了,一般的贵族根本不可能抱起别人家的孩子。
血縁関係にあり、とても親しい家であればともかく、侯爵家と子爵家、当主と嫡子、その関係で抱き上げるなど、普通に問題になる。
如果是有血缘关系,关系很亲密的家庭则另当别论,比如侯爵家和子爵家、户主和嫡子,由于这种关系抱在怀里等等,一般都会成为问题。
だが、彼の場合、そういうキャラクターと知られており、本人に全く悪気が無いため、イリアス様の時も特に問題にはならなかったらしい。
但是,他被知道是那样的角色,本人完全没有恶意,所以在伊利亚斯的时候也没有什么特别的问题。
「きっと今回も、『ダイアス男爵家なら美味しい料理が出る』とか思って、来られたんじゃないでしょうか? ほら」
“这次一定也是想着‘戴斯男爵家的话会做出好吃的料理’才来的吧?瞧!”
イリアス様が視線で示す方向を見れば、そこにはガッツリと皿に肉を盛って、むさぼり食っている獣人がいた。
一看伊利亚斯大人用视线表示的方向,那里有一个猛地往盘子里盛肉,狼吞虎咽的兽人。
俺が涙をのんで諦めたあの肉も、しっかりと注文を付けて、ぶ厚く切り分けてもらっている。
我咽下眼泪放弃了的那块肉,也好好地点了菜,切成了厚厚的一块。
くっ、羨ましいじゃないか!
啊,好羡慕啊!
「恐らく、お二人は助け船を出してくださったのだと思います。お二人が引いた以上、他の方は同じ事ができにくいですから」
“恐怕你们两位是伸出援手的。既然两位拉过了,其他人就很难做同样的事”
侯爵家の当主が声を掛け、イリアス様が拒絶、ネーナス子爵本人を通してくれと言って、それを受け入れる。
侯爵家的户主打了招呼,伊利亚斯大人拒绝了,说让妮纳斯子爵本人过去,然后接受了。
ここで他の貴族が直接イリアス様に話を持っていくと、『侯爵家の当主も受け入れているのに』となる。
在这里其他贵族直接和伊利亚斯大人说话的话,就会变成“明明也接受了侯爵家的户主”。
より爵位が上の貴族であれば、話は別だが、当然と言うべきか、この場に侯爵家当主以上の貴族が来ているはずもない。
如果爵位是贵族的话,那就另当别论了,但是应该说是理所当然的吗。
また、俺たちがエルフである事から、『同族故に』と声を掛けてくる場合もあるようだが、こちらもまた、先ほど声を掛けてきた二人がエルフと獣人であるから、潰される。
另外,因为我们是精灵,所以也有可能会向我们打招呼说‘因为同族’,但我也是,因为刚才打招呼的两个人是精灵和兽人,所以被击溃了。
引き際の良さや対応から見ても、まだ幼いとも言えるイリアス様に配慮して、そのような対応をした可能性が高いようだ。
从退出时的好处和对应来看,考虑到还年幼的伊利亚斯大人,做出那样的对应的可能性很高。
実はイリアス様、マーモント侯爵に抱き上げられた実績もある事だし、さりげなく愛されキャラなのかもしれない。
实际上伊利亚斯大人,也有被玛蒙特侯爵抱起来的实绩,也许是一个不经意间被爱着的角色。
Loading…
Cancel
Save