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# 241 遭遇 (3)
241遭遇(3)
思わず足を止めかけた俺の背を、エカートが小突く。
我的背上不由自主地停下了脚步,埃克托小刺了一下。
「おい、立ち止まるなよ? 下手に同情した様子を見せれば、集られるぞ?」
“喂,不要停下来啊?如果表现出同情的样子,会聚集起来的吧?”
「いや――」
“不——”
「目の前で倒れ込むぐらい序の口。小銭を貰うために、子供の手足ぐらい切り落とす、そういう連中だ」
“就在眼前倒下的序言。为了拿到零钱,把孩子的手脚都砍掉,就是这样的一群人”
エカートが苦々しい表情で吐き捨てるように言うが、確かに倒れた子供の左腕は半ばから無くなっていた。
埃克托带着痛苦的表情说要扔掉,但是确实倒下的孩子的左腕从一半开始就不见了。
ここの住人に部位欠損が多いのは魔物に襲われて、かと思っていたのだが、実はそうなのだろうか?
本以为这里的居民部位缺损多是被魔物袭击,但实际上是这样吗?
もしかすると傷痍軍人という可能性もあるが……子供だからな。胸くそ悪い。
也许是有受伤军人的可能性……因为是孩子。恶心。
「商人の馬車なら、平気で馬の前に放り出してくるぞ、子供でも」
“如果是商人的马车的话,我会毫不在乎地扔到马前,即使是小孩。”
貴族の馬車の前に飛び出さないのは、問答無用で切り捨てられるから。
不飞到贵族的马车前是因为不需要问答而被抛弃。
商人であれば、子供が轢かれても馬車が止まればそれで良い。
如果是商人的话,即使孩子被轧了马车也可以停下来。
足を止めさせて施しを願い、場合によっては強引に奪っていく。
停下脚步请求施舍,根据情况强行夺取。
そういう場所らしい。
好像是那样的地方。
「ナオ、私たちの仕事は?」
“娜奥,我们的工作是?”
「イリアス様の護衛だな」
“是伊利亚斯大人的护卫啊。”
「そうね」
“是啊。”
ハルカはそれ以上何も言わないが、そこを見失うな、と言いたいのだろう。
虽然遥再也不说什么了,但还是想说不要迷失了那里吧。
トーヤの方を見ると、口を真一文字に結んで、手を握りしめている。
看了一下火炬,嘴巴一个字一个字地系着,握着手。
これまで訪れたラファン、サールスタット、ケルグ、ピニングのいずれでもこんなスラムは見かけなかったが、領主によってここまで違うのか?
至今为止访问过的拉风、撒尔斯塔特、科尔格、比宁都没有看到过这样的贫民窟,但是根据领主的不同有这么大的区别吗?
それとも何らかの、他の要因でもあるのか?
还是有什么其他的原因呢?
やるせない気持ちを抱きつつ、そのまま門まで辿り着き、街の中に入った俺たちだったが、入ってすぐの辺りはこれまた、外のスラムよりは若干マシ、という程度の状態だった。
抱着郁闷的心情,我们就这样走到了门口,我们进到了街上,但是刚进去的那一带,比外面的贫民窟稍微好一些。
衛生状態の悪さもまた同様で、壁があって風が通りにくいからか、先ほどよりも空気が淀よどみ、酷く吐き気を催すような臭いが漂っている。
卫生状态不好也同样,可能是因为有墙壁难以通风,空气比刚才更加淤塞,散发着强烈恶心的臭味。
「何なんだ、この町は……」
“什么啊,这个城市……”
「こっちの、北側の門周辺はこんな感じなんだよ。宿がある辺りは全然違うから、そこまで耐えろ」
“这边的北门周边就是这种感觉。有住宿的地方完全不一样,要忍耐到那种程度”
一応、ピニングとは隣接する町だけに、ここには来た経験があるのだろう。
暂且,正因为是和毗邻的城镇,所以才有来过这里的经验吧。
エカートたち領兵は、ウンザリとした様子は見せているが、驚いたりはしていない。
埃克特等领兵虽然看起来很烦,但并没有感到惊讶。
向かうべき宿は決まっているらしく、エカートの先導で進んでいくと、段々と街並みが綺麗になっていくのが見て取れる。
应该去的旅馆好像已经定好了,在埃克托的引导下前进,街道渐渐变漂亮了。
「あそこが今日宿泊する宿だ」
“那里是今天住宿的旅馆。”
そう言ってエカートが指さしたのは、川辺に立つ大きな石造りの建物。
这么说着,埃克托指的是位于河边的大型石造建筑物。
このあたりまで来ると周囲の建物は、ピニングの少し良いエリアと同じぐらいの状態になっていた。
来到这附近的话,周围的建筑物变成了和pinning稍微好一点的区域差不多的状态。
「同じ街で差がありすぎだろ……」
“在同一条街上差别太大了吧……”
俺の呆れたような言葉に、エカートは肩をすくめる。
我惊讶地说,埃克托耸了耸肩。
「それが特徴なんだよ。――イリアス様、到着しました」
“这是它的特征。——伊利亚斯先生,到了”
エカートが声を掛けると、馬車の扉が開いてアーリンたち侍女に続き、イリアス様が降りてくる。
埃克托打招呼后,马车门打开,阿林和侍女继续,伊莉亚斯大人下车。
「ご苦労様」
“辛苦了”
「いえ、イリアス様こそ、お疲れ様でした」
“不,伊利亚斯大人,您辛苦了。”
イリアス様が領兵たちに一声掛けて、宿の中に入り、その後をエカート以下五名が付いていく。
伊利亚斯大人向领兵们打了一声招呼,进入了旅馆,在那之后埃克卡以下有五个人跟着去。
残りの領兵は馬車を厩の方へと移動させ、俺たちは最後に降りてきたメアリたちと共に、宿の中へ。
剩下的领兵把马车移到马厩,我们和最后下来的玛丽们一起去了旅馆。
揉み手で現れた宿の従業員に案内されるまま、部屋へと向かう。
在搓手出现的旅馆的工作人员的引导下,朝着房间走去。
俺たちに宛がわれたのは、パーティー全員で一部屋。
我们收到的是,派对全员一间房。
貴賓室に対してのお付きの部屋なのか、やや狭い間隔でベッドが六個ほど詰め込まれているが、部屋はそれなりに広いので、狭っ苦しいという印象は無い。
大概是因为是和贵宾室配套的房间吧,虽然间隔稍窄,却塞满了六张左右的床,但因为房间比较宽敞,所以不会给人窄小痛苦的印象。
当然、メインの貴賓室がイリアス様と侍女で、兵士たちは俺たち同様、その周囲にある部屋二つを使うようだ。
当然,主要的贵宾室是伊利亚斯和侍女,士兵们和我们一样,使用了周围的两个房间。
ただし、俺たちの中でハルカとナツキは、就寝時には護衛として、イリアス様の部屋に行く事になっている。
但是,在我们之中,Haruka和夏树,睡觉的时候会作为护卫去伊利亚斯大人的房间。
街中なので寝ずの番まではしないが、一応の用心である。
因为是街上,所以不至于睡不着,但还是要多加小心。
「はぁ……こんな町もあるんだな」
“啊……还有这样的城市啊。”
「あぁ。良い場所だったんだな、ラファンって」
“啊。原来是个好地方啊,拉斐尔”
部屋の中、自分たちだけになった事から、俺が思わず漏らした言葉に、トーヤもしみじみと応える。
因为房间里只有我们自己,所以对我不由得说出来的话,Toya也深切地回应了。
「町の作りが、えげつないよな」
“城市的建设真是讽刺啊。”
「そうですね。たぶん、意図的なんでしょうね」
“是啊。大概是有意图吧”
ここミジャーラの町は、サールスタットの下流に位置する、大きな川の傍に作られた川港の町。
这里的米吉拉镇位于撒尔斯塔的下游,是一个建在大川边的川港小镇。
サールスタット同様、川を挟むように町が作られている。
和萨乌斯塔特一样,建了一个能夹河的城市。
港とは言っても、漁はあまり行われておらず、基本的には北西に位置するピニング、そして北東に位置するジャンゴという町から運ばれてくる荷物を集め、下流にある領都クレヴィリーへと運搬するのが主な役割らしい。
虽说是港口,但捕鱼并不多,基本上是位于西北的比宁,然后收集从位于东北部的名为“大恶熊”的城镇运来的货物,然后运到下游的领都克里维里,这是它的主要作用。
また、ピニングからミジャーラへと延びる街道は、川を越えてクレヴィリーに続いているのだが、そこに橋は架けられていないため、渡しの業務も重要な仕事の一つである。
另外,从平宁延伸到密杰拉的街道,虽然是跨越河流延续到克里维里的,但是因为那里没有桥,所以交付的业务也是重要的工作之一。
ただ、街道の整備状態を見れば判るとおり、現状ではピニングとミジャーラ間の交易は少なく、大半の荷物はジャンゴから運ばれて来ているらしい。
只是,从街道的整备状态来看就可以知道,现在pinning和mijara之间的交易很少,大部分的行李都是从垃圾箱运来的。
ピニングからの荷物は川の西側の町、ジャンゴからの荷物は川の東側の町に集まる事になり、必然的に東側の町がより発展する事になるとは思うのだが……。
从比宁寄来的行李集中在河流西侧的城镇,从垃圾桶寄来的行李集中在河流东侧的城镇,我想东侧的城市必然会有更大的发展……。
「それにしたって、綺麗にグラデーションで分かれすぎだよね」
“即便如此,因为渐变的漂亮太过明显了吧。”
川に近づくにつれ、見事なまでに滑らかに、周囲の状態が良くなっていく。
随着接近河川,变得漂亮光滑,周围的状态也变好了。
そして部屋から川向こうを望めば、こちらとは比較にならない綺麗な街並みが見えるのだから、どう考えても為政者が敢えてそうしているとしか思えない。
而且从房间里望向河的话,能看到与这里无法比较的美丽的街道,所以不管怎么想都只能认为是为政者敢于这样做。
ここに比べれば騒乱で荒れたケルグなど、何の問題も起きていない町にすら見えてくる。
与这里相比,在骚乱中荒废的科尔格等,看起来就像是一个什么问题都没有发生的城市。
窓の反対側、スラムのあった方に目を向けるが、当然、そちらにあるのは壁で何も見えない。
朝着窗户的另一边,有贫民窟的人看,当然,那边的墙壁什么也看不见。
「ナオ、スラムの子供助ける、とか言わないでね?」
“娜奥,不要说帮助贫民窟的孩子之类的话吧?”
「言わないさ。それに……その事は既に話し合っただろ? な、トーヤ」
“我不会说的。而且……那件事已经商量过了吧?呐,火炬”
「だな。メアリとミーティア、そのぐらいがオレたちの器だ」
“是啊。玛丽和米蒂亚,这些都是我们的容器”
「そうね。……ここは、想像以上に酷かったけど」
“是啊。……这里比想象中还要严重”
「うん。知識として知っているのと、実際に見るのは……結構違うよね」
“嗯。作为知识知道和实际看……很不一样呢”
メアリたちを拾った後、『旅をしていれば、同じような光景を頻繁に見るようになる』という話は、既にハルカやユキから聞いていた。
捡到玛丽们后,我已经从Haruka和yuki那里听说过“如果旅行的话,就会频繁地看到同样的光景”。
そして、『助けられないのだから、見捨てる必要がある』という事も。
而且,也有“因为救不了,所以有必要放弃”这样的事。
もしそれが無ければ、この町で受けた衝撃はもっと大きくなっていた事だろう。
如果没有那个的话,这个城市受到的冲击会更大吧。
「私たち、幸運ですね。ハルカさんたちに拾ってもらえて」
“我们真幸运。请Haruka他们捡起来”
「まぁ、正直な事言えば、メアリたちを助けるかどうかは結構迷ったんだけどね。トーヤが決めたから、って部分はあるわね」
“嘛,说实话,我很犹豫是否能帮到玛丽他们。因为有toya决定的部分”
「それは当然だと思います。実際、町の人は誰も助けてくれませんでしたし、大怪我した子供なんて邪魔なだけ。それが普通ですから」
“我觉得那是理所当然的。实际上,镇上的人谁也没救过,受了重伤的孩子也只是碍事而已。那是很普通的”
この世界、俺たちの感覚からすれば、子供の扱いがかなり粗雑である。
这个世界,从我们的感觉来看,对待孩子是相当粗糙的。
例えば農家。
例如农家。
農地を継承する長男は大事に育て、その予備として、次男程度まではそれなりに扱う。
继承农地的长子精心培育,作为预备,次子程度也相应处理。
だが、それ以降は余り物。継がせる土地も無いし、仕事も無い。
但是,在那之后就剩不多了。既没有可以继承的土地,也没有工作。
多少の金を与えて家から出されるのならまだマシ、裸一貫で放り出されたり、生活が苦しくなれば幼子は間引かれたり。
如果给孩子多少钱从家里拿出来的话还可以,赤手空拳被扔出去,生活困苦的话,孩子就会被拉下。
そんな事が普通にある。
那样的事很平常。
奴隷制があれば奴隷として売られる事もあるのだろうが、この国にはそれが無く、子供が金にならない。
如果有奴隶制的话,可能会被当做奴隶来卖,但是这个国家没有,孩子就没有钱。
こうなると、奴隷制が無いのが良い事なのか、悪い事なのか、なんとも判断が難しい。
这样一来,没有奴隶制是好事还是坏事,很难判断。
そんな扱いなので、見知らぬ――いや、多少親しくても、大怪我をした子供を助けるために、金貨数十枚から数百枚もの治療費を払えるかと言えば、そんな善人はそうそういないだろう。
因为是那样的待遇,所以不认识——不,就算关系再好,为了帮助受了重伤的孩子,要说能支付数十枚到数百枚金币的治疗费的话,应该没有那么好的人吧。
女子供だから守られる、そんな優しい世界では無いのだ。
因为是女性孩子所以被保护,不是那么温柔的世界。
父親が一人の子供を守って、代わりに死ぬ。
父亲保护一个孩子,代替他死去。
良い話かもしれないが、現実には大黒柱を失って、残った子供たちも飢えて死ぬ。
也许是好事,但现实中失去了支柱,剩下的孩子们也饿死了。
子供一人を見捨てる方が正解。
抛弃一个孩子才是正确的。
まだまだそんな社会情勢である。
还是那样的社会形势。
「あとは、ケルグだったから、だよね。もしこの町でメアリたちを見かけても、何もしなかったと思うし」
“还有就是因为是科尔格吧。如果在这个城市里看到了玛丽们,我想也不会做什么”
「あの人数は、なぁ。手の出しようがねぇよ……」
“那个人数啊。无法出手……”
あまりに状況が酷すぎる。
情况太残酷了。
メアリたちの火傷とどちらが良いとか、比較する物でも無いが、エカートが言うように意図的な物なのか、五体満足な子供の方が少ないほどで、まともな処置もされていない様子すら見受けられた。
虽然没有和玛丽他们的烧伤哪个好,比较的东西,但是像埃克卡所说的那样,是有意图的东西吗。
「多少の金でどうにかなるとは思えないが、少し多めに、神殿にでも寄付しておくか?」
“我不认为多少钱就能解决问题,但还是多捐点钱给神殿吧?”
「それは避けた方がよろしいでしょうね」
“避开这个比较好吧。”
「アーリンさん……」
“阿玲……”
俺たちの話に割り込んできたのは、突然、扉を開けて入ってきたアーリンさんだった。
打断我们谈话的是突然打开门进来的阿玲。
「申し訳ありません。無断で入ってしまって。気になるお話が聞こえたものですから」
“对不起。擅自进去了。因为我听到了很在意的话”
「いえ、それは構いませんが……なぜですか?」
“不,那没关系……为什么呢?”
「恐らく、皆様はスラムの様子を見て、心を痛められたと思うのですが……」
“恐怕大家看到贫民窟的样子,会很痛心……”
「はい」
“是的。”
「そこに中途半端に――いえ、少しでも介入する事はお勧めできません。ダイアス男爵家が当家よりもかなり裕福な事はお聞き及びと思いますが、その上で、あれなのです」
“在那里半途而废——不,我不建议你稍微介入一下。我想您应该听说戴斯男爵家比我们家富裕很多,而且,就是那个”
必要とあれば、金貨一千枚以上をポンと出せるネーナス子爵家。
如果有必要的话,能出一千枚以上金币的尼纳斯子爵家。
そこをして『かなり裕福』と言わしめるダイアス男爵家……。
于是,被称为“相当富裕”的戴斯男爵家……。
「多少の資金ではどうにもできない、もしくはするつもりが無い?」
“多少的资金怎么也办不到,或者没有做的打算?”
「後者ですね。現にこの町の神殿には、孤児院もありません」
“是后者吧。实际上这个镇上的神殿里也没有孤儿院”
「普通、併設されているわけじゃないんですか?」
“一般来说,不是同时设置的吗?”
「ないですね。建て前として神殿は独立していますが、領主からの補助金無しに孤児院を運営する事はほぼ不可能ですから」
“没有呢。作为建前神殿是独立的,但是没有领主的补助金运营孤儿院几乎是不可能的”
領主の方針としてやっている事。
作为领主的方针做的事。
それを邪魔するような事を一介の冒険者がやってしまうと、目を付けられる。
一个冒险者做了妨碍它的事的话,会被吸引。
しかもそれがネーナス子爵家の護衛であれば、子爵家にも迷惑を掛けてしまう。
而且如果那是妮纳斯子爵家的护卫的话,也会给子爵家带来麻烦。
そういう事らしい。
好像是那样的事。
「ここでは、意図して領民に差を付けています。そして、それを見せつけています。知っていますか? クレヴィリーにスラムは無いんですよ? お金のない者たちはすべて放逐していますから」
“在这里,有意与领民拉开距离。并且,显示着那个。你知道吗?克里维里没有贫民窟哦?因为没有钱的人都在放逐”
ここダイアス男爵領の税金は、ネーナス子爵領などに比べ、大幅に高いらしい。
这里的戴斯男爵领的税金和纳那斯子爵领相比,好像大幅度的高。
それもあってダイアス男爵は裕福なのだが、高い税率は必然的に払えない人も増やしてしまう。
虽然戴斯男爵很富裕,但是高税率必然会增加很多人付不起。
そうなれば、容赦なく田畑や商店などは没収され、段々と落ちぶれていく。
那样的话,田地和商店就被无情地没收,渐渐地衰落下去。
そして行き着く先がスラム。
然后目的地是贫民窟。
その最終的な場所が、俺たちが通ってきた門の外らしい。
那个最终的地方,好像是我们走过的门的外面。
「それを見せる事で、領民は必死になります。ああはなりたくないと。そのおかげで、税収は良いらしいですが……」
“通过展示这一点,领民会拼命的。不想变成那样。多亏了这个,税收好像很好……”
不満を逸らすため、もしくは締め付けるために階級制度を利用する手法は、ありがちと言えばありがちだが、実際に見ると……。
为了转移不满,或者说为了勒紧而利用阶级制度的手法,说是常有的,但实际看的话……。
「神殿も炊き出しなどはしていて、それに対しては多少の補助金を出しているようですが……救済と言うよりは、ギリギリで生かすため、という感じですね」
“神殿也做过烧饭等,相对的好像多少会出一些补助金……比起救济,更像是为了尽可能地发挥作用。”
ネーナス子爵家に所属するアーリンさんとしては、受け入れがたい事なのだろう。
作为内那斯子爵家所属的阿林先生,是很难接受的事情吧。
苦々しい顔で吐き捨てるように言う。
用痛苦的表情说。
そんな相手であっても、高価な贈り物を持って、笑顔でお祝いに出向くのだから、貴族も因果な商売である。
即使是这样的对象,也要带着昂贵的礼物,微笑着去祝贺,所以贵族也是一种因果的买卖。
「それって、問題にならないのですか?」
“那个不成问题吗?”
「なりませんね。税額を決めるのは領主の権限です。税が払えないからと奴隷にすれば国法に反しますが、田畑を没収しても、それは正当な権利です。国王でも侵す事はできません」
“不会吧。决定税额是领主的权限。因为付不起税而奴隶违反国法,但是没收田地也是正当的权利。即使是国王也不能侵犯”
「貴族でも、いや、国王でも解決できない問題か。オレたちにはどうしようも無いわ、こりゃ」
“贵族也好,不,是国王也解决不了的问题吗?”。我们没有办法,这是”
トーヤは「はぁ~」と重い息を吐き、上を向いて肩をすくめた。
托亚吐出沉重的气息“哈~”,仰着头耸起肩膀。
「厳密に言えば、国王が強権を発動すれば何とかなりますが、難しいでしょうね。領地貴族を簡単に潰せるほどには、力がありませんから」
“严格说来,国王如果行使强权的话总会有办法的,但是很难吧。因为没有力量能轻易打败领地贵族”
アーリンさんはそう言い、「だからこそ、ネーナス子爵家も残ったんですけど」と付け加える。
阿琳这样说道,并加上“正因为如此,才留下了妮纳斯子爵家”。
アレだな。
那个啊。
俺たちが探索しているダンジョン、アレに関する不祥事。
我们正在探索的迷宫,关于那个的丑闻。
爵位を没収される事もなく、当主の交代だけ、しかも弟が当主になる事が許されているのだから、この国の力関係が何となく想像できる。
因为没有被没收爵位,只有当主的交替,而且允许弟弟成为户主,所以总觉得可以想象这个国家的力量关系。
「そんなわけですから、申し訳ありませんが、不満はあってもこらえてください。何かあっても、当家では皆さんを庇う事ができませんから。もちろん、国法に反するような、よほど理不尽な事であれば別ですが」
“正因为如此,非常抱歉,即使有不满也请忍耐。不管发生什么事,我们家都不能保护大家。当然,如果是违反国法的、相当不讲理的事情那就另当别论了”
「わかりました。留意しますね」
“我知道了。我会注意的”
アーリンさんを含め、誰もが釈然としない気持ちを抱えているのは同じ。
包括阿伦在内,谁都有着无法释然的心情,这是一样的。
だが、どうする事もできないのもまた同じで、ハルカは暗い表情でそう応え、頷いたのだった。
但是,无论如何也做不到也是一样的,Haruka带着阴沉的表情那样回应,点了点头。
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